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刑事判例紹介(99) – 無罪判決後に検察官が控訴を申し立てた場合、控訴裁判所が被告人を再度勾留することができるか、できるとしても何らかの制約があるのではないかが争われた事案

無罪判決後に検察官が控訴を申し立てた場合、控訴裁判所が被告人を再度勾留することができるか、できるとしても何らかの制約があるのではないかが争われた事案

被告人は覚せい剤取締法違反の事実により勾留のまま起訴されたが、第1審裁判所で無罪判決を言い渡されて釈放された。その後、検察官が控訴を申し立て、訴訟記録が控訴裁判所に到達した日の翌日、同裁判所は職権で被告人を再度勾留した。

判旨(最高裁平成19年判決)

刑訴法345条は、無罪等の一定の裁判の告知があったときには勾留状が失効する旨規定しており、特に、無罪判決があったときには、本来、無罪推定を受けるべき被告人に対し、未確定とはいえ、無罪の判断が示されたという事実を尊重し、それ以上の被告人の拘束を許さないこととしたものと解されるから、被告人が無罪判決を受けた場合においては、同法60条1項にいう「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の有無の判断は、無罪判決の存在を十分に踏まえて慎重になされなければならず、嫌疑の程度としては、第1審段階におけるものよりも強いものが要求されると解されるのが相当である。

コメント

本件決定は無罪判決後の勾留について、無罪判決の理由を十分に踏まえてもなお「罪を犯したと疑うに足りる」といえる程度のものを強い嫌疑として求めています。その理由は、上記の刑訴法345条の趣旨に求められます。もっとも、本件決定は無罪判決の存在を十分に踏まえて慎重に検討しても、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとして再勾留を是認しました。

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