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刑訴一部改訂解説(9) – 合意制度等の導入

合意制度等の導入

概要及び解説

司法取引制度として、合意制度及び刑事免責制度、が新たに導入されました。
合意制度とは、被告人や被疑者が他人の犯罪事実を明らかにして捜査や公判に協力した場合に、見返りとして刑が軽くなる等の合意を検察官とすることができる制度です。捜査や公判の協力とは、取調べや公判において真実の供述をしたり、証拠収集に協力したりすることです。
この合意には、弁護人の同意が必要です。さらに対象となる事件も、今まで立証が困難であった汚職、詐欺、横領事件という財産事件や、独禁法違反などの経済事件、薬物・銃器犯罪等に限られます。
また、被告人や被疑者が合意に反し、虚偽の供述や証拠提出をした場合には、5年以下の懲役を科すことで、冤罪の防止を図っています。そのため、供述や証拠は真実性が担保されているものといえます。

刑事免責制度とは、裁判所の決定により、証人自身の刑事事件において、証言をもとに刑事訴追をうける等の不利益な扱いをすることを禁ずることを条件に、証人にとって不利益な事項に関しても、証言を義務付けることが出来る制度です。

証人には、自己に不利益な供述を強要されないという権利(自己負罪拒否特権)があり、今までこの権利を消滅させることは認められていませんでした。しかし、今回の改正により、たとえ証人がその証言をすることで刑事訴追を受け又は有罪判決を受けるおそれがあっても証言を拒むことが出来なくなったため、証人自身の刑事事件において、証言をもとに刑事訴追をうける等の不利益な扱いをすることを禁ずることを条件に、この権利を裁判所の決定によって消滅させることが認められたといえます。

なお、例外的に証言拒絶や偽証の罪に用いる場合には不利益な証拠とすることはできるため、供述の真実性は担保されているものといえます。
これらの制度の導入により、今まで解明が困難であった組織的犯罪等の迅速な真実解明が可能となりました。

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