事案
被告人が傷害罪に問われた事案。被告人は略式手続の規定が憲法に違反すると主張して上告した
判旨(最決 平成27年10月16日)
「刑訴法461条以下の略式手続の規定違憲をいう点は、略式手続は正式裁判請求後の訴訟手続を何ら左右するものでないから、所論指摘の原判決の判示部分は余論であって、結局、所論は、その結論に影響のない事項に関して違憲をいうものである。」
コメント
刑事訴訟において上告するには、刑訴法405条各号に定める上告理由が必要です。同条1号には「憲法の違反があること」とされています。被告人が主張したのは略式手続の憲法違反ですが、これは正式裁判請求後の訴訟手続とは独立しているため、正式裁判請求後の訴訟手続の憲法違反を導くことはできません。この決定から、上告理由として主張できる憲法違反は結論を左右し得るものに限られることが分かります。
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