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最新判例平成27年12月14日

事案

市民グループの代表者が、平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故で放出された放射性物質に汚染された木くずを滋賀県内の河川管理用通路に廃棄したという、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件に係る刑事確定訴訟記録の一部につき閲覧請求をしたところ、保管検察官が、木くずの移動経路、保管状況等が分かる供述調書、報告書等の部分については、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当するとして、閲覧不許可処分をしたため、閲覧請求人が準抗告を申し立てたが、一部棄却され、さらに特別抗告を申し立てた事案。原準抗告決定が閲覧を認めた部分が同号の閲覧制限事由に該当するか否かが問題となった。

判旨(最判 平成27年12月14日)

原決定において一部請求認容となった個人名、業者・法人名、木くずの移動経路及び搬入先に関する市町村名以下の住所・名称、船舶名、車両番号、市町村の地方公共団体名については、これらが閲覧されると木くずの取扱業者、移動経路、搬入先の土地所有者等が特定され、これにより風評被害、回復し難い経済的損害等が発生し、関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれが認められるため、刑事確定訴訟記録法4条2項5号の閲覧制限事由に該当し、原決定には同号の解釈適用を誤った違法がある。

コメント

本決定は、訴訟記録の一部が、保管記録の閲覧につき閲覧制限事由を定めた刑事確定訴訟記録法4条2項のうち、「保管記録を閲覧させることが関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがあると認められるとき。」(5号)に該当するか否かが問題となったものです。原決定が木くずの移動経路、搬入先の市町村名等に関する情報は上記事由に該当しないと判断したのに対し、本決定は、木くずの移動経路、搬入先については、市町村名の閲覧まで認めなくても、裁判の公正を担保するには十分であるという観点から、上記事由に該当すると判断したものと考えられます。

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