暴行罪と傷害罪は,どのように区別されますか。
暴行罪と傷害罪の区別は,暴行により,相手方に傷害結果が生じたか否かによります。相手方に傷害結果が生じていなければ暴行罪,傷害結果が生じていれば傷害罪です。相手に怪我をさせるつもりではなく,暴力を振るうだけのつもりでも(つまり,暴行の故意しかない場合),結果的に相手方に傷害結果が生じた場合には傷害罪が成立します。
ちなみに,睡眠薬を飲ませて意識障害に陥らせる場合など,暴行によらずに傷害罪が成立することもあります。
なお,相手方に傷害結果が生じた場合でも,相手方が診断書を取得せず,診断書を捜査機関に提出していない場合には,傷害の結果が立証できないとして,傷害罪ではなく暴行罪として捜査がされ,罰せられることもあります。