愛知県迷惑防止条例とは|名古屋で迷惑防止条例違反で逮捕された際の対処法を弁護士が解説|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

愛知県迷惑防止条例とは|名古屋で迷惑防止条例違反で逮捕された際の対処法を弁護士が解説

刑事弁護コラム 愛知県迷惑防止条例とは|名古屋で迷惑防止条例違反で逮捕された際の対処法を弁護士が解説

愛知県迷惑防止条例とは|名古屋で迷惑防止条例違反で逮捕された際の対処法を弁護士が解説

 あなたが住む愛知県には愛知県迷惑行為防止条例というものがあり,これに違反すると逮捕・起訴され刑罰を受ける可能性があります。
 刑法の殺人罪(同法第199条)などの,国民の全員が認知しているであろう犯罪ならば,自分が人を殺めてしまえばどのようなことになるのかイメージしやすいかと思います。
 しかし,一都道府県が制定した条例の内容を把握しているという人は,あまりいないのではないでしょうか。
 そこで,愛知県迷惑行為防止条例の内容の一部及び違反後に逮捕された場合の対処法をご紹介したいと思います。

愛知県迷惑行為防止条例とは

 愛知県迷惑防止条例とは,「県民,滞在者等に著しく迷惑をかける行為を防止し,もつてその平穏な生活を保持することを目的とする」条例です(同条例第1条)。平易な言葉で言えば,愛知県民に対する迷惑な行為を禁止して,市民生活を守るためにある条例です。
 愛知県迷惑行為防止条例は全21条から構成され,その内,第2条から第9条までが規制される行為について定めています。
 今回は規制されている迷惑行為を簡単に紹介し,その内,卑猥な行為の禁止(同条例第2条の2)について,重点的にご紹介します。
 まず,第2条は公共の場所で言いがかりをつける,武器になりそうなものを持ち歩く等の粗野又は乱暴な行為を禁止しています。
 次に,第2条の3では,いわゆる「ストーカー規制法」では禁止できなかった,恋愛目的のないつきまとい行為等の嫌がらせ行為を禁止しています。
 第3条では,消費者が困惑するような行為をして物を売りつける押売り行為等を禁止しています。第3条の2は,いわゆる「アポイントメントセールス」の禁止です。
 第4条は,転売によって不当な利益を得る目的で売買行為をする「ダフ屋行為」を禁止しています。
 第5条は,公共の場所や公共交通機関の座席等を使って利益を得ようとする「ショバヤ行為」を禁止しています。
 第6条はパチンコ屋の景品を転売するためにこれを購入したりする行為を禁止しています。
 第7条は,衣服をつかんだり,立ち塞がったりなどの執拗な方法による客引き行為等の禁止です。
 第8条は卑猥な写真や絵及び電話番号などの連絡先を記載した「迷惑ビラ等」の配布行為等を禁止しています。
 第9条はモーターボートなど,原動機を用いて推進する船等による危険行為が禁止されています。
 最後に,卑猥な行為の禁止(同条例第2条の2)について紹介します。
 まず,公共の場所・乗物(第3項に定めるものを除く)において,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で,のぞき見・盗撮をしたり人の身体に触れることが禁じられています(同条例第2条の2第1項)。
 次に,第1項及び第3項に規定の場所以外の,不特定又は多数の者が利用できる場所・乗物(タクシー,学校等)において,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で,のぞき見・盗撮をしたり人の身体に触れるたりすることが禁じられています(同条例第2条の2第2項)。
 そして,通常衣服の全部又は一部を付けない状態でいるような場所(浴場,便所,更衣室等)において,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で,のぞき見・盗撮をしたり人の身体に触れるたりすることが禁じられていま(同条例第2条の2第3項)。
 まとめると,第1項ないし第3項は,それぞれ異なる場所を想定している一方で,第1項で人の身体に触れることをも禁止している点を除けば,第1項ないし第3項で禁止される行為は共通しており,のぞき見・盗撮が禁止されているとわかります。

刑法の強制わいせつ罪との違い

 刑法の強制わいせつ罪(同法176条)は,「13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする」という規定です。
 強制わいせつ罪と卑猥な行為の禁止(愛知県迷惑行為防止条例第2条の2)とで違いがわかりづらいと思うので,整理しましょう。
 まず,愛知県迷惑行為防止条例違反に該当する場合というのは,先述のとおり場所が限定されますが,強制わいせつ罪には場所の限定がありません。
 次に,強制わいせつ罪は13歳未満の男女を相手にする場合,条例違反の場合と同じく暴行・脅迫は不要だが,13歳以上の男女を相手にする場合は,暴行・脅迫が必要となります。もっとも,「強制わいせつ罪の暴行は,被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに必要な程度に抗拒を抑制するもので足りるから,トイレ内で被害者の背後から左手でその臀部を(服の上から)なで回す行為が,わいせつ行為であるとともに強制わいせつ罪の暴行に当たると解され」ます(名古屋高裁H15年6月2日判決)。そのため,性的自由の侵害度合いが高い場合(動けない相手の身体を触る等)には,暴力をふるってわいせつな行為をせずとも,強制わいせつ罪が成立しうることには注意です。
 そして,条例違反の場合は,1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられますが(同条例第15条第1項),強制わいせつ罪の場合は,6月以上10年以下の懲役と格段に重いです。
 最後に,条例違反の場合は,略式命令等の軽い処分で済まされることが多々ありますが,強制わいせつ罪の場合は,罰金刑が存在しないため,起訴されれば重い刑を科せされる可能性があります。

愛知での検挙数

 平成30年中に,愛知県迷惑行為防止条例違反で検挙された数は471件と多く,その半数以上の278件が名古屋市郡で検挙されています。

愛知県迷惑行為防止条例違反の罰則・時効

 愛知県迷惑行為防止条例には,違反行為ごとに罰則が設けられています。
 そして,卑猥な行為の禁止(同条例第2条の2)に違反した場合,1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられます(同条例第15条第1項)。
 これは,他の違反行為に比して重い罰則(同条例第16条ないし第20条)ですが,盗撮・のぞき見・痴漢の検挙件数が高止まりの状態が続いていたことを受けて,罰則が強化されたという経緯があります。
 次に,卑猥な行為の禁止に違反した場合は,違反行為終了時から3年間経過すれば公訴時効が完成します(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。公訴時効が完成すれば,検察官は起訴できなくなります。

愛知県迷惑行為防止条例違反の裁判例

 平成31年3月,名古屋市職員が,愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕され,罰金20万円の略式命令を受けています。
 市の聞き取りに対し,平成31年2月以降,5・6回スーパーなどにカメラを設置し2回盗撮に成功したなどと本人が話しているということです。
 この職員は,前述の罰金20万円の他に,職場である東区役所から停職4か月の懲戒処分を受けています。「罰金刑」と聞くと,お金を払って終わり,という軽いイメージもありますが,この事件はネットニュースになっていることや,職場から停職という重い懲戒処分を受けていることから,例え罰金を収めたとしても,職場での社会的信用は失われることとなります。

逮捕から起訴までの流れ

 愛知県迷惑行為防止条例違反で逮捕されますと,まず警察で最長48時間留置(身柄を留置所で拘束される,という意味)され,取調べが行われます。その後,検察官に身柄と書類が送られ,身柄受領から24時間以内(ただし,逮捕から72時間以内)に,検察官から裁判官に勾留を請求されるか,起訴されることとなります。
 この時点で勾留請求が認められてしまうと,原則として10日間,勾留延長請求が認められれば,さらに10日間,計20日間身柄拘束され,逮捕の日から合わせて23日間,家に帰ることや職場に出勤することができなくなります。その場合,家族や職場の仲間に自らが罪を犯してしまったことを知られてしまう可能性が非常に高くなります。
 上記の身柄拘束を経て,検察官が起訴するか否かを決定し,起訴された場合,ほぼ100%有罪判決は免れられず,前科がついてしまうこととなります。

愛知県迷惑行為防止条例違反で逮捕された際の対処法

 まず,逮捕期間中に一刻も早い身柄開放への働きかけが重要です。そのためには,事件の詳細を把握するために,逮捕された本人とコンタクトをとる必要がありますが,逮捕後72時間の間においては,「接見禁止」とされている場合が多く,その際には,ご家族であっても面会することが出来ません。しかし,刑事訴訟法39条1項によれば,被疑者(この場合には逮捕された本人)は,接見交通権を有しており,弁護士とは会話でき,弁護士が何かを差し入れすることも可能です。ですから,早急に本人の状態を確認したい,といった場合には,その日のうちに接見に行ってくれる弁護士に相談することが必要であるといえます。
 そして,検察官の勾留請求がなされ,それが認められた場合でも,弁護士に依頼し,弁護人がついた場合には,早急に勾留請求認容に対する準抗告(異議申立て)を行います。一般に,勾留請求が認められる要件は,①勾留請求の手続きが適法であること②勾留の理由があること③勾留の必要性があることの3つであると言われています。上記の準抗告では,例えば,②勾留の理由の内,刑事訴訟法60条1項3号の挙げる「逃亡のおそれがあるとき」という理由にあてはまり,勾留請求が認められたとしても,本人とご家族の懸け橋となり,本人からは,「逃亡しないと誓約する」旨,ご家族からは「本人が逃亡しないよう監督し,出頭要請があれば必ず出頭させる」旨の誓約書を頂き,それを基に準抗告申立書を提出することによって,一旦は認められた勾留請求を,ひっくり返して釈放に導くことが可能となります。これは,速やかにかつ多くの接見ができる弁護人にしかできないことであるといえます。
 そして,無事釈放された後には,弁護人は,被害者との示談交渉を試みます。愛知県迷惑行為防止条例違反という犯罪には,ほとんどの場合,被害者がいます。そして,被害者と示談を行いたいと,被疑者本人が望んだとしても,多くの場合それはかないません。なぜなら,被害者は,被疑者(被害者にとっては加害者)と「関わりたくない」「関わるのが怖い」という感情が強く,接触が困難だからです。しかし,弁護人を通じてであれば,被害者も,被疑者本人ではない分感情が和らぎ,検察官を通じて弁護人と接触を図り,示談交渉に応じてくれる可能性が高くなります。被害者に真摯にお詫びの気持ちが伝わり,無事示談が成立すると,被害者が許してくれることとなります。
 示談成立後は,不起訴処分獲得に向けて,検察庁への働きかけを行います。具体的には,示談成立を報告し,被疑者が真摯に反省していることを伝えるための意見書を提出します。前述の示談交渉の過程を含め,中村国際刑事法律事務所では,被疑者に対し,表面的な反省を促すのではなく,被疑者が犯した罪について,被害者の感情としっかりと向き合い,もう二度と同じ罪を犯さないように何をすべきか,どのような生活を送るべきかを弁護士が一緒に考え,実行できるようにしていきます。その真摯な反省により,二度と同じ罪を犯さないようにすることも,不起訴処分獲得のための一部であると考えています。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。
 「条例違反」と聞くと,一般的な刑法犯より軽く捉えがちですが,れっきとした「犯罪」です。犯してしまった以上,一刻も早く対処しなければ,社会的信用の失墜にとどまらず,前科者となり,今後の生活にも大きく影響があります。
 「愛知県迷惑行為防止条例違反」の罪を犯してしまったら,まずは中村国際刑事法律事務所の弁護士にご相談ください。盗撮や痴漢などの条例違反の弁護経験豊富な弁護士が的確な助言を行います。そして,ご依頼された場合には,早急に示談交渉等に取り組み,不起訴処分獲得に尽力いたします。

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