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全国の控訴・上告に強い弁護士に無料相談

  • セカンドオピニオンにも対応しておりますのでご相談ください。
  • 全国の刑事控訴事件に対応します。

控訴、上告とはどのような制度なのか、どのような場合に控訴、上告ができるのかなどについて、代表弁護士・中村勉が詳しく解説いたします。

控訴審における心構え

控訴審において逆転するのは本来容易ではありません。第一審では「どの弁護士でも同じだろう」等と考えてしまい、弁護士の選定に十分な時間と費用をかけなかった方も、第一審で実刑判決を受けた場合、控訴弁護士の選定が非常に重要となります。

日本では3審制、つまり1つの訴訟について3回裁判を行うことができる制度が採用されています。裁判官といっても人間なので、絶対に間違った判断をしないとは言い切れません。
そのために、一審判決に不服のある場合には権利として高等裁判所に対して控訴の申立てをし、さらには、最高裁判所に対して上告の申立てをするという風に、上級裁判所の審判による救済を求める不服申立ての制度が用意されているのです。

控訴をご検討されている方は、とにかく第一審の判決謄本を当事務所にお持ちください。控訴審で逆転で勝てるかどうかは、第一審判決の中にこそヒントがあります。第一審の裁判官が悩んでいるかどうかなのです。経験が浅い弁護士は、第一審で負けるととにかく「不当判決!控訴だ!」と息まきます。しかし、冷静に第一審の裁判官の心象を振り返る必要があるのです。控訴審の裁判官は第一審判決に目を通したとき、弁護士の控訴が箸にも棒にもかからないものか、それとも真剣に再審査を要するほど第一審の裁判官の悩みは無視できないものか、一読してわかるのです。
当事務所も控訴事件の経験豊富な元検事弁護士が在籍しているので、一読してわかります。お悩みの方は、第一審の判決謄本をご持参のうえ、当事務所までご相談ください。

判決に不服がある方へ

判決を受けた方の中には、その判決に不満を抱かれている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。判決に納得がいかない、不満があると感じられる方は、是非、上訴(控訴・上告)をするかどうか検討してみてください。「もっと時間をかけてじっくりと刑事弁護士を選べば良かった」「お金を出してでも国選弁護士ではなく、私選弁護士を選べば良かった」「検事に対抗できる検事経験のあるベテランの元検事弁護士に頼めば良かった」などと後悔されている方もいらっしゃるかと思います。
どうせ上訴しても結論は変わらない、無駄であるなどと決して諦めないでください。特に、第一審で実刑判決を受けたような場合、控訴することによって刑が軽くなかったとか、執行猶予が付いたなどというケースもよく経験するところですし、時には無罪判決を受けることさえもあります。

ただし、上訴には提起期間というものがあり、この期間を経過すると上訴できなくなってしまいますので、注意する必要があります。具体的には、控訴及び上告の提起期間は、裁判が告知された日の翌日から14日間と定められています。なお、控訴審では、被告人のために控訴した事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことができないとされています(不利益変更禁止の原則)ので、控訴したら逆に第一審で言い渡された刑より重くなってしまうのではないかと心配する必要はありません。判決が確定するまでは、権利として上訴できるのですから、判決にご不満を感じられる場合には是非弁護士へのご相談を検討してみてください。

中村国際刑事法律事務所ではチームで控訴事件に対応します

チーム力で勝負をかけます

中村国際刑事法律事務所では、元検事である中村弁護士、川瀬弁護士の元検事が中心となって控訴弁護を担当します。豊富な検察官としての経験に基づき、事実分析力、起案力、調査能力を最大限に発揮し、優秀な若手アソシエイトのサポートにより効果的な弁護を行います。

控訴事件の経験が豊富です

中村弁護士は特捜検事を含む検事経験8年以上、刑事弁護士経験20年以上の経験と実績を有し、一方、川瀬弁護士も検事経験が長く、控訴審を担当する執務経験もあります。控訴弁護は、弁護士になって4、5年程度の経験ではとても対応できません。検事でも控訴趣意書を起案するのは任官7年目以降の3席検事ですし、控訴審に立ち会う検事は任官10年目以上の高検検事です。控訴審の高裁裁判官に至ってはそれ以上の経験がないと主任裁判官になれません。

控訴審は独特のルールをもって進められます

控訴の裁判手続は、第一審の裁判とは全く異なった手続であり、起訴状の朗読も検察官による冒頭陳述もありません。証拠請求にも独自のルールがあり、経験のない弁護士はミスをすることもあります。実際、控訴審を経験しなければその独特の法廷の雰囲気に戸惑うばかりです。
時には、控訴を担当する弁護人が、高裁裁判官から傍聴人の目の前で控訴趣意書の主張内容について、突然、釈明を求められ、返答に窮することもあります。そのような控訴弁護の経験浅い若手弁護士では不安を抱えることも多いと思います。中村国際刑事法律事務所は、実力派弁護士で構成されており、控訴弁護で皆様の期待に応えるべく、「戦車対戦車」の心構えで検察に対峙しております。

中村国際刑事法律事務所のチームは全国の控訴事件に対応します

遠方の方もご遠慮なさらずご相談ください

控訴をお考えで遠方のため上京ご来所できない方には、事件記録等の郵送等による書面相談を行なっております。またSkype、ZOOMなどのオンラインでのご相談にも応じております。適宜、担当弁護士が必要書類や事件記録等の郵送等をお願いすることになります。

遠方の事件でも控訴対応可能な理由

捜査手続や第一審の公判手続にあっては、依頼者である被疑者被告人との多数回に及ぶ綿密な打ち合わせや接見が必要となります。ですから、頻繁に警察署や拘置所等で接見することが難しい遠方の弁護士は、事件を受任しません。
しかし、控訴では「控訴趣意書」という書面の作成提出が手続きの中心となります。控訴弁護士は第一審記録を十分に分析検討し、判決に、訴訟手続の法令違反、法令解釈の違反、事実誤認、量刑不当がないかなどを吟味し、それを控訴趣意書に反映させることが中心となるのです。また、控訴審段階では、捜査段階と異なり、既に保釈が認められることも多く、電話等を通じて頻繁で密接な打合わせが可能です。

こうして、遠方の弁護士であっても、控訴事件については効果的に弁護することが十分に可能となるのです。中村国際刑事法律事務所では、東京・埼玉・千葉・名古屋・大阪に事務所を置きながら、全国の控訴事件に対応します。全国の、刑事手続に巻き込まれ、第一審で不当判決を受けた皆様のお力になり、控訴で正義を実現したいと考えるからです。地方でなかなか控訴に強い優秀な刑事弁護士に巡り合えなかった方も、ぜひ中村国際刑事法律事務所にご相談ください。

上訴(控訴・上告)について

上訴とは、未確定の裁判に対して上級裁判所に救済を求める制度のことをいいます。具体的には、高等裁判所に対する不服申立てである控訴と、最高裁判所に対する不服申し立てである上告などがあります。上訴は、このように未確定の裁判に対する不服申立てである点で、確定裁判に対する再審や非常上告とは異なります。

控訴について

控訴の理由

控訴するためには、控訴理由が存在することが必要です。控訴理由は以下のものがあります。

  1. 第一審裁判所の構成等に違法がある場合
  2. 管轄違反等がある場合
  3. 再審請求をすることができる場合にあたる事由等がある場合
  4. 訴訟手続に法令違反がある場合
  5. 法令適用に誤りがある場合
  6. 量刑が不当な場合
  7. 事実誤認がある場合

上記のうち、④の訴訟手続の法令違反とは、刑事訴訟規則等を含めた訴訟法の違反のことといい、⑤の法令適用の誤りとは、認定された事実に対して適用すべき法令が適用されていないことをいい、⑥の量刑不当とは、言い渡された刑が合理的な裁量の範囲を逸脱した場合をいい、⑦の事実誤認とは、判決で認定された事実が、訴訟記録中の証拠を考慮に入れると本来認定されるべき事実と合致しないことをいいます。ただし、上記④の訴訟手続の法令違反、⑤の法令適用の誤り、⑦の事実誤認については、その理由が判決に影響を及ぼすことが明らかといえる場合に限られます。

控訴理由書・趣意書の提出期限

第一審裁判所は、控訴の申立があったときは、原則として訴訟記録及び証拠物を控訴裁判所に送付しなければならず、控訴裁判所は第一審裁判所から訴訟記録を受理したときは、速やかに控訴趣意書を差し出すべき最終日を指定して控訴申立人に通知しなければならないとされています。控訴趣意書とは、弁護人又は被告人が作成する控訴理由を記載した書面のことをいいます。

控訴審は、基本的に第一審判決に対する事後審としての構造をとるとされています。事後審とは、事件そのものを審査するのではなく、原判決の当否を審査する形態をいいます。そして、控訴審の審査は、被告人、弁護人の主張する控訴理由の存否を通じてなされるのが原則とされているので、いかに説得力のある控訴理由を記載した控訴趣意書を作成するかが重要となってきます。控訴趣意書を控訴裁判所に差し出すべき最終日は、控訴申立人に通知書の送達があった日の翌日から起算して21日以後の日でなければならないとされています。実務上は、通常、30日ないし40日程度の期間が認められています。
控訴申立人は、控訴裁判所から通知された控訴趣意書を差し出すべき最終日までに控訴趣意書を提出しなければならず、これに違反すると控訴棄却となるので注意しなければいけません。

控訴審の流れ

控訴審の審理は、原則として新たな証拠の提出が認められず、第一審で取り調べた証拠に基づき、第1審判決の当否を事後的に審査するという構造です。ただし、第一審判決後に生じた量刑に関する事実の取調べなどはでき、その結果に基づいて裁判を行うことができます。

控訴審の審理の流れですが、まず、控訴裁判所は、第1回公判期日前に、第一審裁判所から送付された訴訟記録のほか、控訴趣意書、答弁書(控訴の相手方が控訴裁判所に提出するもの)の内容を検討します。次に、第1回公判期日では、控訴申立人の控訴趣意書に基づく弁論を始め、相手方の弁論(口頭による意見か答弁書の陳述による)が行われ、さらに、証拠書類の取調べや証人尋問、被告人質問などの事実の取調べが行われる場合もあります。

控訴審の裁判には、控訴棄却の決定(控訴の申立てが法令上の方式に違反し又は控訴権の消滅後にされたものであることが明らかなときなど)、控訴棄却判決(控訴申立ての理由がないときなど)、原判決破棄判決などがあります。原判決破棄判決には、破棄差戻し(事件を原裁判所に差し戻すこと)、破棄移送(事件を管轄第一審裁判所に移送すること)、破棄自判(訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によって直ちに判決をすることができると認めるときに判決をすることができる)があります。

控訴審の事例検討

実際に控訴申立ての理由として多く見られるのは、量刑不当と事実誤認を理由とする控訴申立です。これは第一審で被告人側が主にどのような点を主張し、あるいは争っていたかに大きくかかわってきます。

例えば、第一審で被告人が犯罪事実自体の成立は争わずに、専ら量刑を争っているようなケースにおいて、第1審判決の量刑が被告人が想定していたものより不当に重いといったときに、量刑不当を理由に控訴の申立てを行うことが考えられます。また、第一審で被告人が犯罪事実の成立自体を争って無罪を主張しているようなケースにおいて、第1審が被告人に有罪判決を下したようなときに、事実誤認を理由に控訴の申立を行うことが考えられます。

証人尋問について

控訴審においても、時折証人尋問が実施される場合もありますが、第一審と異なって証人尋問が頻繁に実施されるということはありません。

証拠調べ請求について

控訴審では、書証等の新たな裁判資料の提出も原則として認められません。ただし、第一審の弁論終結後に被告人が被害者に対して損害賠償金を支払って示談が成立したというように、やむを得ない事由によって第一審の弁論終結前に取調べを請求することができなかった証拠については取調べ請求して、その結果に基づいて裁判を行うことができる場合もあります。よって、第一審判決の量刑に不服があって、判決後に示談等の成立の可能性があるような場合には、積極的に控訴申立てを検討する余地があると思います。

控訴審判決後について

控訴したものの期待していた判決結果が得られなかった場合のように、控訴審(高等裁判所)の判決に対し不服のある被告人又は弁護人は、更に最高裁判所に対して不服申立てを行うことができます。これを「上告」といいます。いわば刑事裁判における最終判断の場です。しかし、上告審は極めて狭き門です。
第一審の判決を控訴審で覆すのも極めて困難ですが、更に上告審で控訴審判決が破棄されることは極めて稀と言わざるを得ません。だからといって望みが全くないわけではないので、簡単にあきらめてしまう必要はありません。

控訴審の終局処理人員

控訴審の終局処理人員ですが、例えば、令和元年のものを見てみますと、同年の高等裁判所における控訴事件の終局処理人員の総数は5,828人であり、そのうち被告人側のみの控訴申立てによるものが5,736人(98.4%)、検察官のみの控訴申立てによるものが72人(1.2%)、双方からの控訴申立てによるものが19人(0.3%)、破棄差戻・移送等によるものが1人(0.02%)となっています。

司法統計年報による令和2年版 犯罪白書 第2編/第3章/第4節

控訴審での弁護士解任

控訴の申立てをした場合、第一審の弁護士にそのまま控訴審の弁護を依頼することもありますが、第一審の弁護士が控訴審の弁護を引き受けてくれるとは限らず、また、被告人のほうが第一審の弁護士の弁護活動に不満を持っていることもあるので、そうした場合には控訴審では新たに控訴審に強い弁護士を選任することが考えられます。

また、控訴審の途中で弁護士を解任して新たな弁護士を選任することも考えられますが、新たに選任された弁護士が記録を全部読み込む必要がある上、第1回公判までの時間的制約などがありますので、控訴審の途中で弁護士を解任することには、そのメリット・デメリットをよく検討することが必要です。

控訴審の審理期間の制限

控訴審での審理期間について、例えば、平成18年について見ますと、控訴事件の平均審理期間(控訴裁判所が第一審裁判所から訴訟記録の送付を受理した日から控訴審の終局時までの平均期間)は3.2か月とされており、また、控訴審の平均開廷回数は1.7回(公判が開かれないで終局した事件を母数に加えた数値。これを母数から除外すると、2.1回)であり、大半の事件が第2回公判期日に終結し、第2回公判期日で判決が言い渡されています(裁判の迅速化に係る検証に関する報告書より)。
このように、事後審である控訴審では、審理期間全体における第1回公判期日までに占める比重が、期間の点でも、裁判所や訴訟関係人が行う準備活動の点でも、第一審に比較して大きくなっているのが特徴といえます。

上告について

上告は、高等裁判所がした控訴審判決に対する最高裁判所への不服申立ての制度です。控訴審判決に不服のある当事者(被告人・弁護人、検察官)は、上告することができます。

上告の理由について

上告理由は非常に限られており、具体的には、高等裁判所がした判決に、憲法違反があること又は憲法の解釈に誤りがあること、最高裁判所等の判例と相反する判断をしたことに限られています。

ただし、最高裁判所は、具体的事件における適正な救済を図るため、適法な上告理由がない場合であっても、①判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること②刑の量定が甚だしく不当であること③判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること④再審事由があること⑤判決があった後に刑の廃止・変更又は大赦があったこと、のいずれかの事情があり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、原判決を破棄することができるとされています。

理由書・趣意書の提出期限

高等裁判所がした判決に不服のある場合には、判決宣告日の翌日から起算して14日以内に上告申立書を高等裁判所に提出することで上告を行います。さらに、上告申立人は、上告申立ての理由を詳細に記載した上告趣意書を提出期限までに上告裁判所(最高裁判所)に提出しなければなりません。定められた提出期限内に上告趣意書が提出されない場合には、原則として決定で上告が棄却されることになります。

上告審における被告人の意思の確認方法

弁護人は、上告審においても被告人の意思を踏まえた弁護活動をすることは当然のことであり、被告人と接見したり、手紙のやりとり等を通じて被告人がどのような理由で上告したのかなどについて確認することになります。上告審においては、通常、国選弁護人は東京に所在する三弁護士会に所属する弁護士から選任されますが、身体拘束中の被告人が東京に移送されることはありません。

そのため、国選弁護人では遠方の刑事施設に収容されている被告人との接見に困難が伴う場合がありますが、遠方への接見をいとわない私選弁護人に依頼したり、被告人の収容場所に近い場所の私選弁護人に依頼したりすれば、そのようなことはありません。したがって、このような点で、上告審において私選弁護人を選任するメリットがあります。

上告をするべきかの判断基準

上告審においては、憲法違反及び憲法解釈の誤りが第一の上告理由とされていることから、上告審の弁護人には、刑事法だけでなく、憲法に精通していることも必要不可欠です。また、判例違反も上告理由とされていることから、過去の判例や法理論についての十分な知識と調査能力も必要不可欠です。また、適法な上告理由がない場合であっても例外的に最高裁判所による審理が認められる場合があります。

判決に影響を及ぼすべき法令違反があること、刑の量定が甚だしく不当であること、判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があること、再審事由があること、判決後の刑の廃止・変更・大赦があったこと、のいずれかの事由があり、かつ、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるきは、原判決を破棄することができるとされています。このうち、実務上、しばしば見られるのは、事実誤認の主張です。

そこで問題となるのは、控訴審の判断のいかなる点をもって「事実誤認あり」とされるかです。上告審において、事実誤認が認められるのは、控訴審の判断が通常人を基準とした社会通念の中で、論理則や経験則に照らして不合理であるかどうかにかかります。上告審においては、事実誤認があるだけでなく、原判決を破棄しなければ著しく正義に反することも必要ですが、重大事件で無罪を争っているような場合などでは、通常、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するといえるでしょう。

いずれにしても、上告審の弁護人には、法廷でのスキルだけでなく、法令や法理論・判例理論の深い理解と豊富な知識に加え、それらを駆使して文章で説得する能力が重要となってきます。上告審に最後の望みをかけるのであれば、このような能力を十分に備えた弁護人を選ぶことが重要です。

上告審の流れ

上告審の手続は、簡単にいうと、①上告申立、②上告趣意書提出期間の指定、③上告趣意書の提出、④審理、⑤決定・判決という流れになります。

上告審においては、第一審、第審の訴訟記録の調査を中心とした書面審理によって行われます。上告審は法律審と呼ばれ、その事件の事実関係を取り調べることはありません。控訴審では証人尋問などの証拠調べが行われることは時折ありますが、上告審では証拠調べが行われることはありません。

上告審では、公判期日が開かれて弁論が行われるのは、原審の量刑が死刑の事件や原判決破棄の可能性がある事件等に限られます。大多数の事件では、裁判所の法廷で弁論が行われることはなく、書面のやりとりのみで判断がなされます。控訴審の判決に不服がある場合には、14日以内に上告申立をすることができます。
上告申立をすると、上告審裁判所(最高裁判所)から通知される上告趣意書の提出期限までに、上告理由を具体的に記載した上告趣意書を上告審裁判所に提出し、最高裁判所がそれに理由があるかどうか審理することになります。しかし、いつ判断が出るかはわかりません。早ければ控訴審の場合よりも早く判断が出ることもあれば、1年以上何の音沙汰もない場合もあります。大多数の事件では、簡単な内容の上告棄却決定が突然届いて終結します。

上告審で控訴審判決が覆される可能性

上告審で控訴審の判決が覆ることは、現実には容易なことではありません。上告審で控訴審判決を覆すには控訴審及び第一審の訴訟記録を丹念に検討して、いかに説得力のある上告趣意書を作成するかが極めて重要です。その意味でも、上告審の経験が豊富で刑事事件の専門性の高い弁護士を選ぶことが大切になります。

上告審判決後について

上告審の棄却決定に対しては、3日以内であれば「異議申立」という形で不服申立をすることができます。しかし、これによって決定を覆すことは極めて難しいのが実情です。

控訴・上告の費用の目安

控訴・上告の費用の目安ですが、おおよそ着手金として50万円以上、報酬金として再保釈の場合が30万円以上、無罪の場合は事案により協議、逆転執行猶予の場合(一審実刑)が100万円以上、再度の執行猶予の場合が150万円以上、実刑だが減軽(ただし、検察求刑から3割以上減軽された場合のみ発生)の場合が30万円以上となります。

控訴・上告審の弁護活動

控訴審は第一審と異なって書面審理が中心です。第一審の記録は控訴審の第1回公判前に全て控訴を担当する高等裁判所に上がっており、控訴審の裁判官は事件の概要のほか、争点や証拠を頭に叩き込んでいます。ある意味控訴審は、有罪推定の心証で裁判に臨むといっても過言ではありません。そうした控訴を担当する裁判官に対し「もしかしたら第一審の事実認定は間違っているかもしれない」という合理的な疑いを生じさせるのが控訴弁護士の役割です。

控訴弁護士は、理論面・認定技術・判例知識・文章表現などあらゆる観点から説得的な控訴趣意書という書面を作成し、定められた期間内、通常は控訴申立後50日以内に提出しなければなりません。その書面を控訴審の審理を担当する高裁の裁判官が読んだときにどのように感じるか、そこが控訴弁護の勝負となるのです。控訴審では証拠請求に制限があります。第一審の口頭弁論終結時までに提出できなかったことがやむを得ないと判断される証拠に限って、控訴審での請求が許されるとされています。
ただし、控訴審段階の調査によって新たに発見した重要証拠は、上記要件を充たせば証拠調べ請求ができます。それゆえ、控訴審で逆転を目指す控訴弁護士は、短期間のうちに確実に事実等を調査し、新証拠を発見し得るような調査能力が必要になってきます。

上告審においては、控訴審以上に書面審理となります。上告審は法律審と呼ばれ、基本的にその事件の事実関係を取り調べることはありません。上告審での弁護活動としては、やはり控訴審及び第一審の訴訟記録を丹念に検討して、いかに説得力のある上告趣意書を作成するかに注力することになります。それとともに、身柄拘束が継続している被告人の場合には、保釈等による身柄解放のための弁護活動を行うことも重要になります。

控訴・上告に関する相談・解決実績

中村国際刑事法律事務所で解決した控訴・上告に関する、代表的な相談・解決実績をご紹介します。

控訴・上告に関するご依頼者様の感謝の声

中村国際刑事法律事務所で対応した控訴・上告に関する、代表的なご依頼者様の感謝の声をご紹介します。

まとめ

弁護士法人中村国際刑事法律事務所では、控訴・上告事件についても全力で弁護活動をします。控訴・上告事件についての経験が豊富で刑事事件の専門性の高い元検事の弁護士が中心となって、控訴・上告審に一縷の望みを賭ける依頼者の方のお力になります。

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