
具体的な環境整備と的確な意見主張で保護観察処分を獲得
事件の概要
少年が友人らと共謀し、被害者に対して集団で性的な暴行を加えた強制性交等の事案です。犯行当時19歳だった少年は、被害者が明確に拒絶しなかったことなどから同意があると思い込もうとしていましたが、未必的な故意は認められる状況でした。
共犯者である同級生2名は20歳になっていたため刑事手続が進められており、事案の重大性から少年についても検察官送致(逆送)や少年院送致が強く懸念される状況でした。
弁護活動のポイント
弁護士は、少年の未熟さや共感力の乏しさ、友人に流されやすい性格が非行の根本原因であると分析し、接見を通じて被害者が感じた恐怖や精神的苦痛について徹底的に考えさせました。並行して被害者対応を行い、示談を成立させました。
家庭裁判所調査官は、少年の社会適応力の不足や生活習慣の問題を重視し、「少年院送致相当」とする厳しい意見書を提出しました。
しかし、弁護士は諦めることなく、父親の元での就労環境を整えるなど社会内での更生計画を具体的に提示し、矯正教育ではなく親子関係の再構築こそが必要であると審判で主張し続けました。
弁護活動の結果
審判において、裁判所は調査官の少年院送致意見を採用せず、弁護士の主張する社会内処遇の可能性を認めました。
少年の内省の深まり、被害者との示談成立、そして両親による監督体制が整っていることが高く評価され、少年院送致ではなく保護観察処分とする決定が下されました。