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ストーカーで逮捕されたら

今回は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」の解説を中心に、ストーカー行為の罰則や、逮捕された場合の対処法など、代表弁護士・中村勉が解説します。

ストーカーとは

恋愛感情のもつれなどから敢行されるストーカー事案には大きく分けて二つの類型があります。一つは被害者が全く見ず知らずの人で、一方的に感情をエスカレートさせていくケースで、女性アイドルなどが被害者となることもあります。もう一つのタイプは被害者が知り合いのケースで、交際していたケースもあれば交際していない単なる知人のケースもあります。ストーカー事案の難しさは、いずれのタイプにあっても示談交渉にありますが、被害者が知り合いである場合にはより困難なものとなります。

ストーカー犯罪も他の個人的法益を侵害する、暴行、傷害、脅迫、名誉毀損等の犯罪と同じく、示談成否が弁護活動の主要な活動となりますが、これらの犯罪との違いは、侵害が決して過去の一過性のものではなく、被害者にとっては、加害者が逮捕されたとしても恐怖が継続し、セキュリティに対する不安が決して消えていないという点です。むしろ、加害者逮捕により以前にも増して怨恨の情が強くなり報復を含めた恐怖感が大きくなっていることもあります。

検察官も裁判官もそうしたストーカー事案の特殊性を考慮し、簡単には加害者を釈放しません。加害者の弁護士もこのストーカー犯罪の性質を理解して、それに即応した活動が求められるのです。具体的には、贖罪はもちろんですが、被害者のセキュリティに十分配慮した活動と解決方法が求められます。

ストーカー規制法の定める8つの付きまとい行為

ストーカー行為とは、つきまとい行為を繰り返し行うこととされています。では、つきまとい行為とは具体的にどのようなものでしょうか。ストーカー規制法では以下の8つの行為をつきまとい行為としています。

  1. つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校などの付近でおいて見張りをしたり、押し掛けたり、又はみだりにうろついたりすること。
  2. 行動を監視していると知らせること。
  3. 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
  4. 乱暴な言動をすること。
  5. 無言電話や、拒否しているにもかかわらず、何度も電話をかけ、ファックスやメールなどを送信すること。
  6. 汚物などの人を不快にさせる物を送ること。
  7. インターネット上や自宅近所に誹謗中傷をし、名誉棄損をすること。
  8. インターネット上に性的に中傷した内容を書き込んだり、わいせつな写真や文章を送りつけたりすること。

以上のようなつきまとい行為を繰り返し行うと、ストーカー行為とみなされ、逮捕されてしまいます。

ストーカー規制法の罰則

ストーカー規制法では逮捕までの過程によって罰則が分けられています。その過程は2パターンあります。

被害者が最初から告訴する場合

この場合の処罰は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金という処罰規定が適用されます。

被害者が警察につきまとい行為等について相談した場合

相談を受けた警察は相手に対し、ストーカー行為をやめなさいという申し入れ(警告)をし、その警告に従わない場合は公安委員会がその行為をやめなさいと伝えます(禁止命令)。その禁止命令に従わなかった場合、警察は被害者の告訴を得て相手を逮捕します。この場合の処罰は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金という処罰規定が適用されます。

「警告」、「禁止命令」という段階的な対応をしたにもかかわらず、それを無視してストーカー行為を継続したという行為の悪質性から、1つ目よりも重い処罰となっています。

ストーカーで逮捕されたら

まず、逮捕から48時間の間は警察から捜査を受けます。この間、弁護士以外はたとえ被疑者の家族であっても接見(被疑者と面会)することは難しいです。次に、警察から検察へと身柄が移されます。これを送検と言います。検察の捜査は送致から24時間以内とされていますが、罪を認めていなかったり、事件が複雑化していたりすれば、長引く可能性があります。

その場合、検察は勾留請求を行い、裁判所からそれが認められると、原則10日間の勾留期間が与えられ、被疑者をさらに拘束することとなります。この間に捜査が進まなければ、最大でさらに10日間勾留期間の延長が認められることがあります。逮捕後から警察・検察の捜査、勾留期間の間(最大23日間)に検察は起訴するか不起訴にするかを決めなくてはなりません。

起訴されると、有罪か無罪を判断する刑事裁判が行われます。日本では起訴をされた事件の99.9%が、有罪となってしまいます。つまり、起訴・不起訴の分かれ目が非常に重要です。

ストーカーで逮捕された場合の対処法

ストーカーで逮捕された場合には、被害者と示談をすることが重要です。示談をすれば、不起訴になり、早期身柄開放となる可能性が高まります。示談をする上で重要なことは被疑者本人の深い反省です。自分自身ではほんの気持ちのすれ違いがあっただけだと思っているかもしれません。しかし、法に触れる行為であったことを自覚し、傷ついた被害者のことを考えましょう。

本人の反省も重要ですが、ストーカー犯罪の特殊性から言って、検事も裁判官も「本人の反省」を簡単には信用しません。反省をしたフリをして釈放後に同様な行為をするのではないか、むしろ検挙前よりも更にエスカレートするのでないかと疑います。また、反省以上に被害者のセキュリティが重要となるのは冒頭に説明したとおりです。そこで、ストーカー犯罪で逮捕された場合の対処法は、通常の粗暴犯事案と異なった、経験と豊富なノウハウに裏打ちされたものでなければなりません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。深く反省しているからと言って、被害者やその家族は和解を求められても簡単には応じてはくれないでしょうし、会うことすら嫌だと思われているケースも多いです。ストーカーでの示談交渉は弁護士に依頼される方も多く、示談交渉により、今後関わらないといった誓約を立て、示談金を支払うことで、不起訴となる可能性が高まります。示談交渉だけでなく、今後のアドバイスをもらうこともできます。

先ほど述べたように起訴・不起訴の分かれ目は逮捕後約3週間で訪れます。ストーカーで逮捕されてしまったら、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

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当事務所は、刑事事件関連の法律相談を年間3000件ものペースで受け付けており、警察捜査の流れ、被疑者特定に至る過程、捜査手法、強制捜査着手のタイミング、あるいは起訴不起訴の判断基準や判断要素についても理解し、判決予測も可能です。

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刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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