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不同意わいせつ(旧強制わいせつ)で逮捕! 釈放までのプロセスを弁護士が解説

社会において、大学のサークルや合コン、職場、あるいはマッチングアプリなど、他人同士が恋愛関係や性的関係に発展する機会は非常に多いです。このような行為は密室で行われることが多く、当事者双方の認識や記憶がくいちがっているということは多々あります。

お酒が入っていて当時の記憶があいまいであったり、実際には同意がないのに、相手からの誘いが強く恐怖心や様々な事情から同意しないという意思を表示するいとまがなかったりするため、誰しもが性犯罪の当事者になる危険性を有しているのです。

刑法の性犯罪の規定を見直す改正刑法が6月16日の参議院本会議で可決され、令和5年7月13日に、強制わいせつ罪の名称が不同意わいせつ罪に変更されました。

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)事件の弁護活動ポイント

不同意わいせつ罪の捜査段階における弁護活動のポイントは、依頼人の身体拘束を避けること、身体拘束を受けた場合にはなるべく早く身体拘束を解くことと、前科を付けないため不起訴を目標とすることにあります。

不同意わいせつ罪の被害に遭ったと思った方が警察に被害を訴え出た場合、警察が一旦は被疑者を逮捕しないで在宅捜査を行うときと、逮捕して捜査を行うときがあります。

在宅捜査の場合には、警察による被疑者への電話連絡や、自宅で家宅捜索を行って任意同行の要請があり、その後も何度か取調べのため警察署に呼ばれることになります。

逮捕による捜査を受ける場合には、突然自宅に警察が来て逮捕されることが多いですが、在宅捜査により何度か取調べを受けている途中で、いきなり逮捕されることもあります。被疑者の立場からすると、警察から最初に連絡があった時点や、突然自宅に来た時点では、在宅捜査なのか逮捕されるのか判断することはできず、警察から教えてもらうことも、原則としてできません。
逮捕を回避できる可能性を少しでも高めるためには、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)容疑で警察から電話が来たら?逮捕を防ぐ方法

路上で見知らぬ女性を襲って逃げてしまい、いつ自分の元に警察が来るのか不安な方や、マッチングアプリで出会った女性にわいせつな行為をしたら後日警察に行くと連絡があった方で、逮捕を恐れてご相談に来る方は少なくありません。

その場合には、弁護士がご相談者から事情を入念に聞き取り、現場の状況や当時の被害者の様子、事件発生の時期、これまでのご相談者と被害者の関係性や、現場に行くまでに何があったのかなど、様々な要素を聞き取り、これらを総合的に考慮して、警察が立件する可能性や立件したとしてご相談者を逮捕する可能性を判断します。そのうえで、逮捕される可能性が高い場合には出頭を勧め、依頼人の方と一緒に警察署に出頭します
このとき、逮捕の回避を求める意見書を持参し、弁護士が警察官を説得することで、逮捕を回避して在宅捜査で事件を進めることができる可能性があります

また、既に警察からご相談者に電話等の連絡があった後に弊所への相談に至る事例もあります。
その場合には、弁護士が速やかに依頼人の弁護人となり、警察官に連絡を取るなどしてできる限り捜査状況の把握に努め、警察官と話をして在宅捜査のまま進めるよう説得します。しかしながら、不同意わいせつ致傷の事案や未成年の被害者に対する事案など、重大事件のため、弁護人の活動によっても逮捕を避けられない場合も少なくありません。

そのような事例であっても、逮捕前に弁護士にご相談いただくことで、逮捕された場合に速やかに身柄解放のための弁護活動を開始することができるので、あらかじめ弁護士へ相談することが有効です。

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)罪で逮捕されるとどうなるか

現行犯逮捕・緊急逮捕はともかく、逮捕状による逮捕は、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(逮捕の理由)と罪証隠滅、逃亡のおそれ等(逮捕の必要性)がある場合に認められます(刑事訴訟法199条)。不同意性交等罪や・不同意わいせつ罪は、重大な犯罪であり、刑罰を恐れて逃亡する可能性が一般に高いとされるほか、被害者に対する働きかけ、威迫等による罪証隠滅のおそれがある犯罪なので、身柄を拘束した上で捜査をする必要性が高く、逮捕される可能性が高いと言えます。

たとえば、被疑者が定職に就いて相当の収入があり、家庭を有する場合生活監督者を有する場合、任意での出頭要請に応じ取調べにも協力している場合自首により犯行発覚に至った場合などには逮捕のリスクを少しでも小さくすることができます。当事務所においても、上記のような事情を整え、逮捕を回避し在宅捜査のまま事件終結に至った事件があります

しかし、もし逮捕された場合にはどうなるのでしょうか。
逮捕の翌日又は翌々日に検察庁に送致され、検察官の取調べ(弁解録取)を受けます。その際、検察官は、被疑者を10日間留置する勾留を裁判所に請求するかどうかを決定します。検察官が勾留請求しない場合には即日釈放されますが、不同意わいせつ罪等は重大事案であり、勾留請求されずに釈放される可能性は極めて低いです

  • 検察官が勾留請求すると、被疑者はその日か翌日に裁判所に行き、裁判官の勾留質問を受けます。
  • 裁判官が勾留決定をした場合には、検察官の勾留請求日から数えて10日間、留置施設に留置されることになります。
  • 裁判官が勾留請求を却下した場合には、被疑者は釈放されます。
  • 勾留された後この勾留は、検察官は勾留が延長の請求を裁判所にすることができます。
  • 勾留の延長が認められると、最大で更に10日間の身体拘束が続きます。

検察官は、最大20日間の勾留期間のうちに、被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定しなければならず、その決定ができないときは被疑者を釈放しなければなりません。

このように、逮捕されるとそれだけで長期間勾留される可能性があります。勾留を避け、又は勾留されたとしてもできるだけ速やかに身体拘束を解きたい場合には、弁護士が身柄解放に向けた活動を行うことが必要です。検察官が被疑者を有罪にするだけの証拠が十分であると判断した場合には、原則として被疑者を起訴して刑事裁判にかけます。

刑事裁判を避けるためには、被害者と示談をして、不起訴が相当であると検察官を説得する必要があります。被疑者やその家族が自ら被害者と示談することはできませんので、弁護士が不起訴処分を得るための活動を行わなければなりません。

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)で逮捕された場合の弁護活動

依頼人の方が逮捕された場合、弁護士は勾留を避けるために弁護活動を行います。具体的には、検察官に対しては勾留請求をしないように、裁判官に対しては勾留決定をしないように、説得するための意見書を提出し、時には面談や電話によって検察官や裁判官と話をします。適法な勾留のためには、逃亡や罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由が必要とされています。

そのため、意見書の作成にあたっては、被疑者となった依頼人の方と誓約書を準備したり、その家族に事情を説明したうえで今後の協力を依頼し、依頼人と家族と相談の上、適切な身元引受書を準備したりなど、逃亡や罪証隠滅の可能性が低いことを示す疎明資料を用意し、説得的な意見書を作成します。

勾留となれば、長期間の身体拘束を余儀なくされる可能性が高く、学校を退学になったり職場で解雇されたりすることは珍しいことではありません。依頼を受けた弁護士が速やかに身柄解放のために活動することで、長期にわたる身体拘束を避け、そのような重大な不利益を避けられる可能性が高まります

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)罪と示談

不同意わいせつ罪において不起訴処分を獲得するために最も重要なのは、被害者とされている相手方と示談をすることです。
不同意わいせつ罪の保護法益(刑法が犯罪を法定することで守られる利益)は、被害者の性的自由とされています。
性的自由は、被害者個人に帰属する利益ですから、その被害者自身が被疑者の謝罪や被害弁償を受け入れて示談し、被疑者の刑事処罰を望まないに至った場合には、不起訴となる可能性が高いとされています。

しかしながら、不同意わいせつ罪の被疑者やその家族が、被害者とされる相手方と直接交渉することは原則としてできません。依頼を受けた弁護士であれば、検察官を通じて被害者の連絡先を把握し、被害者と連絡を取って面談し、示談交渉を行うことができます。被疑者への真摯な謝意や反省を伝え、丁寧に交渉を行います。
被害者と接触することができれば、示談交渉を進めて不起訴処分を獲得して前科を避けられる可能性が高まります。

不同意わいせつで懲戒解雇を回避するために弁護士ができること

刑事事件の被疑者となってしまった場合、勤務先から退職勧奨や懲戒解雇を受けるリスクが高くなります。
逮捕・勾留により長期間の欠勤を余儀なくされた場合や、起訴されて前科がついてしまった場合には、懲戒処分が法的に許容される場合も少なくなく、弁護士が勤務先に対して対立的な交渉を行ったとしても奏功する確率は低いでしょう。

刑事事件の弁護人が取り得る活動としては、依頼人の許可を得た上で、勤務先の担当者に対して刑事手続の状況を真摯に説明し、逮捕・勾留中の場合には示談交渉の進展等によって速やかな身柄解放や不起訴の可能性があることや、不起訴処分となった場合には前科が付かず元通りの生活ができることを伝え、依頼人に対する寛大な措置を丁寧に申し入れることになります。
無罪推定の原則のもと、逮捕・勾留されたからといって犯罪事実が実際にあったというわけではありませんから、そのことを率直に勤務先に伝え、安易な懲戒処分を避けるよう説得することも考えられます。

医師や公務員の有資格者は、資格のはく奪の可能性も

医師や公務員など、国家資格を有する仕事をしている方が不同意わいせつ罪で処罰されると、その資格に関する法律の定めに従って懲戒処分を受ける可能性があります。
例えば、医師については、医師法7条1項、4条3号により、罰金以上の刑に処せられた場合には戒告、3年以上の医業の停止または免許の取消しの処分を受ける可能性があります。

国家公務員の場合には、実刑に処せられると資格を失い失職することとなり、執行猶予が付いたとしても執行猶予期間が満了するまで資格を失います(国家公務員法38条)。罰金刑であったとしても、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合(同82条)」に該当するとして免職、停職、減給又は戒告の処分を受ける可能性があります。

このように、国家資格を有する方に前科が付くと、懲戒処分によって大きな不利益を受ける可能性があります。そのような不利益を避けるためにも、早期の不起訴処分を獲得するために弁護士の力が必要です。

不同意わいせつ(旧強制わいせつ)で逮捕されたら弁護士に相談を

以上、不同意わいせつ罪で逮捕された場合について解説してきました。
不同意わいせつ罪を疑われた場合に、長期の身体拘束や前科を避けるためには、弁護士による速やかな弁護活動が必要不可欠になります。

当事務所では、まず身柄の解放、そして示談の成立を目指して活動します。捜査段階で上記のような弁護活動をしてもらえなかったため、起訴された段階で弁護士を変更したいというご相談を受けることがあります。まずは不同意わいせつ事件を多く扱っている弁護士にご相談ください。

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当事務所は、刑事事件関連の法律相談を年間3000件ものペースで受け付けており、警察捜査の流れ、被疑者特定に至る過程、捜査手法、強制捜査着手のタイミング、あるいは起訴不起訴の判断基準や判断要素についても理解し、判決予測も可能です。

  • 逮捕されるのだろうか
  • いつ逮捕されるのだろうか
  • 何日間拘束されるのだろうか
  • 会社を解雇されるのだろうか
  • 国家資格は剥奪されるのだろうか
  • 実名報道されるのだろうか
  • 家族には知られるのだろうか
  • 何年くらいの刑になるのだろうか
  • 不起訴にはならないのだろうか
  • 前科はついてしまうのだろうか

上記のような悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

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経験豊富な弁護士がスピード対応

刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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