検事とも密に連絡を取り示談成立後の迅速な身柄解放と不起訴処分を獲得
事件後半年ほどたってから通常逮捕された、路上で女性の肩をつかんで胸を触った強制わいせつの事案です。家族から当事務所に相談があり、受任しました。
依頼後、取調べ対応の指導や、示談の申し入れを速やかに行いました。事件から半年たっての逮捕であり、被疑者が逮捕されるまでの間の恐怖心や、被害者を見つけてから後をつけ、犯行に及んだという被疑者の行動について、被害者の怒りが強い事案でした。被疑者と弁護士との間で綿密な打合せを重ね、立ち入り禁止区域の設定や、電車の利用方法についての取り決めを行うなどし、示談を成立させることができました。
逮捕直後から示談成立まで頻繁に検事と連絡を取り合い、丁寧に状況を報告することで、示談成立後、速やかに身柄が解放され、不起訴を獲得することができました。
事件のポイント
本件はもしも捜査段階で示談が成立しなければ、起訴は当然のこと、公判段階で仮に示談が成立したとしても被害者に宥恕の意思がなければ実刑判決が予想された事案でした。初犯でも執行猶予はつきません。それほど、性犯罪事案は捜査段階が重要なのです。
また、路上における見ず知らずの女性に対する性犯罪は、警察は何ヶ月かけても必ず犯人を特定して逮捕します。再犯による新たな犠牲者を出す訳にはいかないからです。半年経ったから、一年経ったから自分は大丈夫だと考えずに弁護士にいち早く相談するのが肝要です。
執筆者: 代表弁護士 中村勉