否認を貫いたまま示談を成立させ不起訴となり大学の懲戒処分も回避
事案概要
大学生である依頼者が、大学で知り合った女性と2人で飲みに行った後、一緒に多目的トイレに行きました。
依頼者は、女性の同意のもとでフェラチオをしてもらったと認識していましたが、後日、女性から被害届が提出され、突然逮捕されてしまった不同意性交等の事案です。
依頼者は大学4年生で、すでに内定も決まっており、今後の人生に重大な影響が及ぶことが懸念される状況でした。
弁護活動のポイント
依頼者は一貫して「同意があった」と主張しており、否認を貫くことが弁護活動の最大の目標となりました。
そこで、弁護方針として取調べに一切応じないことを決定しました。
具体的には、警察官が取調べのために留置場に来ても部屋から出ない「出房拒否」を徹底しました。
出房拒否は、逮捕・勾留されているご本人にとって精神的な負担が非常に大きいものですが、弁護士が頻繁に接見に訪れ、励まし続けることで、依頼者は最後まで否認の意思を貫くことができました。
同時に、依頼者が否認していることを前提として、被害者女性側との示談交渉を進めました。
否認事件における示談交渉は通常よりも難航しますが、粘り強く交渉を続けました。
弁護活動の結果
弁護士の粘り強い交渉の結果、示談が成立しました。
これにより、20日間の勾留満期を待たずに釈放され、最終的に不起訴処分を獲得することができました。
さらに、不起訴処分となった後、依頼者が在籍する大学から懲戒処分の検討について連絡がありました。
この懲戒手続についても弁護士が大学との連絡窓口となり、意見書を作成・提出しました。
意見書では、本件は冤罪であり、依頼者に何らの処分を下すことは不当である旨を根拠とともに強く主張しました。
その結果、大学側もこちらの主張を認め、一切の懲戒処分を行わないとの決定が下されました。
これにより、依頼者は無事に大学生活を継続し、内定先への就職という未来を守ることができました。