
高校生による多数のバイク窃盗で保護観察処分を獲得
事案概要
本件は、自転車窃盗等で少年審判を受けて、保護観察処分が決まって生活していた少年が、少年審判の前までの間に起こしていた多数回のバイク窃盗により、後日逮捕された少年事件です。
今回の少年審判の対象となった非行事実は、前回の少年審判前に行われたものでした。そのため、少年審判の後に再び非行に及んだものではありませんでした。しかしながら、対象となる非行事実の中には、前回の自転車窃盗の取調べ直後になされていたものがあったり、家裁送致後になされていたものがあったり、少年審判後も盗んだバイクを乗り続けていたという事情がありました。
そのため、少年審判後の再非行ではないものの、矯正のきっかけが随所にあった中での非行ともいえ、少年院送致も十分に見込まれるものでした。
弁護活動のポイント
少年が再非行に及んだ背景には、高校に通学しなくなり、バイク仲間と交際を重ね、深夜徘徊を繰り返すようになった点にありました。バイクを運転する目的で盗んでいたことから、非行事実とはなっていないものの無免許運転も認められるものでした。
逮捕後、少年審判に至るまでは約1か月間です。この間に、被害者との示談交渉を通じて被害者の心情理解を深めるとともに、無免許運転の危険性を理解することも必要です。さらに、少年自身の居場所を確保するためにも学校、家族、職場との調整もした上で、社会内での矯正を目指しました。
弁護活動の結果
各被害者との間で示談交渉を進め、一部の被害弁償が完了しました。
弁護士が通学先の教員と面談し、少年審判後の復学と監督を引き受けてくださる見通しが立ち、裁判所にその旨の報告をしました。家族としても、再非行に及ばせないように少年との面談を通じて誓約していただき、最終的には少年審判で保護観察処分を獲得することができました。