
審判廷での内省の深化により長期処遇を回避し短期少年院送致を獲得
事案概要
少年が地域の不良グループの仲間と共に、トラブルの話し合いのために呼び出した被害者に対し、金属バット等を用いて集団で一方的に暴行を加えた傷害の事案です。本件は、少年が前の事件による保護観察処分を終えた直後に敢行されたものであり、規範意識の欠如や根深い不良交友、他責的な傾向が懸念され、調査官意見でも長期の少年院送致が相当とされるなど、極めて厳しい状況にありました。
弁護活動のポイント
弁護士は、少年院送致が確実視される状況でも諦めず、社会内での更生の可能性を追求しました。頻繁に接見を重ね、「喧嘩はかっこいい」「仲間を助けるためなら仕方ない」といった少年の歪んだ価値観や、集団心理に流される弱さと徹底的に向き合わせました。その結果、少年は「どんな理由があっても暴力は悪である」と深く内省し、自身の弱さを自覚して言語化できるようになりました。また、これまで少年を甘やかしていた両親に対しても意識改革を促し、毅然とした監督体制を構築するなど、環境調整にも尽力しました。
弁護活動の結果
審判において、当初は直前の保護観察終了後の再犯であることや事案の悪質性から、裁判官も調査官も長期の少年院送致を考えている様子でした。しかし、少年が審判廷で自身の内面の変化と深い反省を真摯に語った姿を見て、裁判官が審判を一時中断し、調査官と協議を行う異例の展開となりました。協議の結果、少年の顕著な内省の深まりと可塑性が評価され、当初の方針が変更され、長期処遇を回避して短期の少年院送致とする決定が下されました。