虐待により子どもを死亡させたと疑われた冤罪事件で無罪判決を獲得
事案概要
内縁の妻の子に対して、額を拳で殴る暴行により打撲を負わせたとする傷害事件と、頭部等に何らかの暴行を加えたことによる頸髄損傷の傷害を負わせた結果、その後死亡させたとする傷害致死事件です。
弁護活動のポイント
検察官は、法医、脳外科医、放射線科医など、様々な医師に証言を依頼し、被害者とされる子どもの脳損傷や頚髄損傷が人の外力によって加えられたことを立証しようとしていました。
これに対し、弁護側が臨床経験の豊富な脳外科医に意見を求めたところ、何等かの理由により子どもの呼吸が停止し、二次的に死因となる脳損傷や頚髄損傷と誤信される頚髄の虚血が生じた可能性が判明し、証言を依頼しました。
弁護活動の結果
傷害事件については、事件日に関する被告人の供述に関し、具体的根拠に基づいていたことから弁護側主張が認められ、傷害致死事件については、医師の鑑定結果、供述から、頸髄損傷の存在には合理的な疑いが残るとして、いずれも公訴事実の認定ができないとして無罪となりました。