ご家族が突然逮捕されたら?弁護士が解説|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

ご家族が突然逮捕されたら?弁護士が解説

刑事弁護コラム ご家族が突然逮捕されたら?弁護士が解説

ご家族が突然逮捕されたら?代表弁護士中村が解説

 誰しも警察沙汰は起こしたくないものですが,「逮捕」はその警察沙汰の中でも最もショッキングな出来事です。逮捕は事前に予告されることはありません。
 突然,警察が自宅にやってきて逮捕されます。事前に逮捕することを知らせると,被疑者に逃亡される可能性があり,また証拠隠滅や共犯者と口裏合わせを行う可能性が考えられるからです。警察は,容疑者を特定すれば,尾行等でその行動確認をし,居住場所を特定し,同居人の有無を確認し,時には張り込みをして在宅の時間帯や曜日などを確認したうえで,逮捕状を裁判官に請求してその発付を得て,「Xデー」に逮捕に踏み切ります。
 突然ふりかかってきた「逮捕」という現実に多くの人は生活が一変し,これからどうすれば良いのかわからず,一人でただ悩むだけです。逮捕された本人だけでなく,逮捕された家族も,これから一体どうなるのだろう,いつまで身柄拘束が続くのだろうか,起訴されるのだろうか,起訴されたらどうなるのだろうか,勤務先あるいは学校に逮捕は知らされるのだろうか,どのように対応したらよいのだろうか。逮捕後数日間は逮捕された人に会うことすらできないこともあります。このような不安と心配が次々と頭に浮かんでくるでしょう。

 こちらの記事では,ご家族が逮捕された後の流れやその対処法,ご家族が逮捕された場合に起こり得る生活への影響等ついて,代表弁護士・中村勉が解説いたします。

逮捕の種類

 逮捕は「逮捕状」の発付を得て行う逮捕(これを「通常逮捕」と言います)と逮捕状が不要な「現行犯逮捕」に大きく分かれます。無令状逮捕には他に「現行犯逮捕(準現行犯逮捕)」と「緊急逮捕」(事後の令状が必要)があります。

通常逮捕

 まず,「通常逮捕」について説明します。逮捕状は警察が自分で発付するものではなく,警察が裁判所に対して逮捕状の発付を求めて裁判所がこれを確認・許可した場合に発付されるものです。
 一般的に,被害者により被害届が提出され,警察が捜査を進めて,被疑者を特定し,目撃者や証拠が集まった段階で,被疑者の事情を聴くため,また逃亡や証拠隠滅等を防ぐため,裁判所へ逮捕状の発付を求めます。

現行犯逮捕

 しかし,「現行犯逮捕(準現行犯逮捕)」においては逮捕状は発付されません。現行犯逮捕は,被疑者が犯罪を行ったとされる事件現場を確認したときや,被疑者が犯罪を行ったと考えるに明白な理由がある場合において認められています。現行犯逮捕の場合,被疑者が犯罪を行ったことが明白であるため,逮捕状の発付(裁判所の確認・許可)は省略しても問題ないと考えられているためです。

逮捕の種類・条件

種類条件逮捕状の有無
通常逮捕犯罪を行なった相当の理由や,逃亡・証拠隠滅の可能性があること必要
現行犯逮捕(準現行犯逮捕)犯行中や犯行直後であること不要
緊急逮捕重大事件で急を要し,早期逮捕の必要性があること不要だが,後に発付が必要

ご家族が逮捕された後の流れ

 ご家族が逮捕された場合,最長で23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
 具体的には,警察段階で48時間,検察への送検・勾留請求が24時間,勾留請求が認められた場合,延長を含めて最長で20日間の身体拘束を受けます。
 逮捕後,勾留が確定するまでは家族の面会は認められないことが多いですが,弁護士はいずれの段階でも接見(面会)することができ,状況に応じたアドバイスが可能です。

1. 警察による取調べ

 逮捕後,警察は48時間以内に,事件と身柄を検察庁に送致します。

2. 検察への送検・勾留請求

 検察官は送致を受けた後,24時間以内に更なる身体拘束(勾留)が必要か否か判断します。
 もし,身体拘束が必要であると判断した場合,裁判官に対して勾留請求を行い、裁判官がこれを認めた場合、被疑者は勾留されます。

3. 身柄拘束(勾留)

 勾留期間は原則10日間ですが,検察官の勾留請求が裁判所から許可されることにより,最大で10日間延長されます。よって,勾留されたら最大で20日間,身柄拘束されます。

4. 起訴/不起訴の決定

 逮捕されてから23日以内に,検察官は被疑者を起訴するか否かを決めます。
 起訴は,検察が「この被疑者に刑罰を与えるべきだ」と裁判所へ刑事裁判を行なうよう訴えることです。起訴されたら,今後始まる刑事裁判(公判)に向けた準備が必要です。
 反対に,不起訴は「被疑者を罰すべきではない,罰する必要はない」あるいは「被疑者が罪を犯したという十分な証拠がない」と判断し,被疑者の身柄を解放することです。
 逮捕されてから最大で23日以内に起訴するか不起訴にするかが決まります。
 そして,起訴された場合と不起訴の場合とでは被疑者の人生は全く違ったものになる可能性をはらみます。不起訴は前科が付きません。起訴されれば99%の確率で有罪となり,有罪となれば,執行猶予となるか否かに関わらず前科が付いてしまうのです。
 ですから,早期の弁護活動が求められ,経験ある弁護士に起訴されないように活動してもらう必要があるのです。

5. (起訴された場合)刑事裁判

 起訴されると,刑事裁判によって有罪か無罪か,有罪である場合はどのような刑罰が下されるかが決められます。起訴された場合,有罪判決の確率は99%以上とされています。
 そして,起訴後の被告人は保釈が認められない限り,刑事裁判の判決が出るまで身体拘束が続きます。刑事裁判は,事案にもよりますが,大体1か月半程度,あるいはそれ以上かかり,判決まで長い時間を要することもあります。

 一方で,略式起訴という即日で有罪判決が下され罰金刑が宣告されるものもあります。こちらの場合,被疑者や被告人の身柄は即日で解放されます。略式起訴の場合でも,前科はつくので注意が必要です。

家族が逮捕されたらすべきこと

事実確認をし,弁護士を選任する

 まずは,警察に電話で確認するなどして以下の事項を把握することが重要です。

  • 1. どこの警察署に,いつ逮捕されたのか
  • 2. どのような容疑(罪)で逮捕されたのか
  • 3. 被害者は特定されているのか

 このほかの事実を確認しても差支えありませんが,今後の対応に備えて上記の確認はしておくようにしましょう。
 ただ,警察は「捜査中」を理由に家族に対してすら容疑の内容や被害者のことなどを話さないこともあります。弁護士を選任して警察との面会を求め,その面会の中で罪名等詳細な情報を聞き出せることもあるので,やはり,早い段階での弁護士の選任は必須です。
 なお,国選弁護士は逮捕後に勾留が決定した段階で選任されるので,動きが数日間遅くなります。

職場や学校に連絡する

 逮捕後,身柄拘束が長引くと無断欠勤や無断欠席となってしまうので,被疑者の職場や学校に連絡を入れましょう。
 正直に逮捕された旨を伝えるべきか否か,ご判断に迷われた場合,弁護士にご相談ください。

弁護士に接見依頼をする

 弁護士の接見は,一般の面会のように時間帯や回数に制限なく可能です。逮捕されてすぐに接見できます。家族による面会は通常,勾留が確定した後でないとできず,また時間制限があります。土日祝日には面会できませんが,弁護士であれば接見可能です。
 弁護士に接見を依頼すると,逮捕を争うべきか,被疑者の取調べに対しどのような対応をとれば良いか等,ご本人やご家族にアドバイスすることができます。もちろん,被疑者の健康状態を含む情報を家族と共有することもできます。ご家族からのお手紙や,生活用品などの差し入れを行なうことも可能です。また,ご本人やご家族の味方として,精神的な支えになることができます。
 不当な身柄拘束を争い,不当な取調べを防止するほか,今後の影響を少しでも良いものとするために,できる限り早い段階で弁護士へご相談ください。

逮捕されてどのくらいで帰宅できるか

 逮捕などの身柄拘束は,被疑者の人身の自由を奪うことですから憲法や刑事訴訟法等で逮捕や勾留の要件と手続きが厳格に定められています。
 逮捕されてから最短で帰宅できるのは逮捕当日に警察から釈放された場合です。逮捕後に被疑者が容疑を認めた場合で,逮捕の際に証拠も押収済みとなり,家族の身柄引き取りがなされ,逃亡のおそれもない場合には,すぐに釈放されることがあります。あるいは,微罪である場合にも釈放されることがあります。
 ただ,すぐに釈放されたからといって,捜査が終結するわけではありません。引き続き,警察署への出頭要請がなされ,取調べを中心とした捜査は続くのです。これを「在宅捜査」と言います。この在宅捜査ののち,事件は検察庁に送致されます。これがいわゆる「書類送検」と言われているものです。
 逮捕された当日中に釈放とならない場合,つまり被疑者が家に帰ってこない場合には,警察は,検察庁に48時間以内に身柄付きのまま事件送致します。書類送検ではなく,書類と共に身柄も検察庁に送致されるのです。身柄が送致されると言っても拘束場所が警察署から検察庁に移監される訳ではなく,検察官の弁解録取手続きや取調べののち,警察署に戻ります。検察官は,このタイミングで,つまり送致から24時間以内に,勾留によって継続して身柄を拘束し続けるかどうかを判断し,釈放するか勾留を裁判官に求めるかを決定するのです。そして,検察官が,継続して身柄を拘束しつつ捜査を行う必要があると判断すれば,勾留を裁判官に請求し,裁判官が被疑者に面接上,身柄拘束継続の必要性を認めれば勾留状が発付されて10日間身柄が拘束されます。
 検察官が勾留を請求しなかった場合,または,勾留請求されたが裁判官が勾留を認めなかった場合には釈放されます。大体2~3日で帰宅できるでしょう。

弁護士は早期の釈放を目指して活動します

 ご家族が逮捕されたら,まずは弁護士にご相談ください。これまで説明してきたように,逮捕そして勾留というのは証拠破壊や共犯者との口裏合わせなどの罪証隠滅のおそれがあり,逃亡のおそれがある場合になされます。しかし,その判断の資料は,警察が集めた資料だけで判断される一方的な手続きです。警察は,罪証隠滅のおそれがないことや逃亡なんかしないという証拠を集めることはしません。逆に,罪証隠滅の可能性や逃亡の可能性を誇張した捜査書類を作るものです。それを読んで検察官や裁判官は身柄拘束の必要性を判断するので,必然,勾留確定の方向で手続きは進みます。これに対抗するのが弁護士なのです。
 弁護士は,罪証隠滅のおそれがないことの証拠を集め,意見を展開します。警察から聴取して証拠保全がなされたかどうか,あるいは,捜索に立ち会った家族から押収された証拠品の品目を確認します。警察は証拠を押収したならその品目が書かれた「押収目録書」を立会人に交付するので,弁護士はどのような証拠が押収されて保全されたかを確認できます。また,被疑者と被害者の関係を吟味し,被疑者が釈放されても被害者の素性が分からないので働きかけを行うことすらできないといった事情を証拠化します。さらに,当該事件が共犯者のいる事件なのかも警察から情報収集して確認します。また,「逃亡のおそれ」に関しても,弁護士は家族から監督誓約の文書を入手し,被疑者本人に釈放されても出頭を誓約する旨の誓約書を取り付けます。
 こうした弁護活動をしたうえで,果たして警察が言っている,逮捕の根拠となっている「罪証隠滅のおそれ」や「逃亡のおそれ」は,実は全くないのではないか,あるとしても逮捕によってもはや消滅したのではないか,もしくは,単なる抽象的な危険に過ぎないのではないかを弁護士の目で状況判断し,それを意見書の形で検察官や裁判官に提出し,フェアな証拠評価,要件の吟味によって身柄拘束継続の必要性を判断するように説得するのです。また,それでも勾留が決定されてしまった場合には「準抗告」という不服申立の手続きで闘うのです。これらの活動は,弁護士にしかできないことです。家族等一般人にはできません。しかも,刑事事件の経験が豊富な弁護士にしかできないことです。

弁護士は早期の示談成立を目指して身柄拘束期間の短縮を目指します

 逮捕による身柄拘束とそれに続き勾留が確定しても,弁護士は早期釈放を諦めません。早期の示談成立を目指します。
 弁護士は本人の早期釈放に向け,捜査機関から被害者の連絡先を確認し,適正金額での示談金での交渉や円滑な示談成立へ繋げる弁護活動を行なうことができます。早期に示談が成立すれば,もはや身柄拘束の継続は必要ないことを検察官に説得できます。何よりも弁護士を通じて示談が成立すれば,被疑者は被害者への働きかけなどの罪証隠滅行為はしません。
 また,示談が成立すれば不起訴が見込まれるので敢えて逃亡することもありません。つまり,示談成立によって,逮捕の根拠なった罪証隠滅や逃亡のおそれは消滅し,もはや身柄拘束をする必要性がなくなったことを意味するのです。これにより勾留請求が行われないこともありますし,たとえ,勾留が決定しても,本来勾留がさらに10日間延長されるケースであるにもかかわらず,延長請求が行われずに,最初の10日間で釈放されることもあるのです。
 もちろん,示談成立は身柄の早期釈放の効果のみならず,検察官による終局処分にも影響します。被害者との示談が成立しているか否かによって,起訴か不起訴かの決定に影響します。示談成立によって不起訴処分に至れば,逮捕された本人に前科がつくことはありません。仮に起訴された場合でも,執行猶予付判決や罰金刑など,実刑判決を避け,減刑に繋がる可能性が高まるのです。

職場や学校へ知られないための弁護活動

 ご家族が逮捕されたら,職場や学校に対してどのように対応すれば良いでしょうか。身柄拘束が長期に及んだ場合,無断欠勤・無断欠席となってしまうので,どのように事情を説明すべきか,迷われると思われます。
 もし逮捕されたことが知られてしまった場合,懲戒解雇退学処分がなされてしまう可能性もあり,もし不起訴処分となった場合でもその後に懲戒解雇や退学処分の無効を争う等して民事事件となってしまうかもしれません。
 そうならないために,弁護士が職場や学校へ状況を説明し,不当な懲戒解雇や退学処分を阻止するため,またご家族の地位を守るために活動します。

報道されないための弁護活動

 テレビや新聞で逮捕されたご家族の実名等,報道が一度なされてしまうとインターネット上にいつまでも残ってしまう恐れがあります。メディアへの報道やその影響を防ぐためには,とにかく逮捕されないことが肝要です。逮捕の事実は,警察から新聞記者等に発表がなされます。新聞記者等にニュース価値があると判断されてしまうと翌朝には報道されてしまうからです。逮捕されなければ報道の可能性はぐっと少なくなるのです。
 ですから,逮捕前から警察による事情聴取を受けている場合には,すぐに弁護士を依頼し,逮捕されないための活動に着手する必要があるのです。逮捕されてしまってからでは遅いのです。仮に逮捕された後で弁護士を付けた場合にも,経験ある弁護士は,警察署に対し,報道につながるメディアへの逮捕情報提供を避けて欲しい旨の上申書を出します。報道を防ぐことができれば,逮捕前と変わらぬ生活を送ることが期待できますし,このインターネット時代には報道されないことは,被疑者の人生にとってとても重要なことです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。逮捕後,72時間以内の弁護活動が今後の行方を左右するといっても過言ではありません。刑事事件においてはスピードが勝負で,逮捕されてからすぐに活動するのが重要です。できれば,逮捕される前に弁護士を選任して逮捕回避の活動をしてもらうことが重要です。
 当事務所は刑事事件に特化した法律事務所ですので,このようにご家族が逮捕されたというケースを多く抱え,ノウハウも蓄積しております。何よりも検事経験者の弁護士を3名擁しており,捜査手続を熟知しています。こうした専門家によるサポートは,ただ単に被疑者に接見するだけではありません。捜査機関からも情報収集をした上,事件を総合的に分析し,今後の見通しや釈放時期などについて的確なアドバイスを提供致します。また,逮捕された方の勤務先への対応や,被害者の方への示談交渉などをトータルでサポートします。当事務所は親身になって皆様のご相談に乗り,逮捕された方やご家族などの強力な味方となって一日も早くあなたのもとへ帰れるよう全力を尽くします。

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 当事務所は,刑事事件関連の法律相談を年間3000件ものペースで受け付けており,警察捜査の流れ,被疑者特定に至る過程,捜査手法,強制捜査着手のタイミング,あるいは起訴不起訴の判断基準や判断要素についても理解し,判決予測も可能です。

  • 逮捕されるのだろうか
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