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違法ダウンロードで逮捕|海賊版コンテンツの違法ダウンロード対策を強化した改正著作権法について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

刑事弁護コラム 違法ダウンロードで逮捕|海賊版コンテンツの違法ダウンロード対策を強化した改正著作権法について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

違法ダウンロードで逮捕|海賊版コンテンツの違法ダウンロード対策を強化した改正著作権法について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

 インターネット上のコンテンツは年々その数が増加し続けていますが,その中には,適法なコンテンツだけでなく,いわゆる「海賊版」と呼ばれる,違法にアップロードされた漫画やデータも少なくありません。
 このような違法コンテンツのダウンロード行為が,本年の令和3年1月1日から,刑事罰の対象となったことをご存知でしょうか。
 以下では,昨年の著作権法の改正内容や,具体的にどのようなものをダウンロードする行為が違法なのかなどについて解説していきます。

違法ダウンロードに関する著作権法が改正・施行

 令和2年6月5日,違法ダウンロード対策を強化する等の改正点が盛り込まれた著作権法が改正されました。
 改正点の中で私たちの生活に一番関係し得るポイントは,「侵害コンテンツ(著作権を侵害する違法なコンテンツ)のダウンロード違法化」に関する改正点といえます。
 この改正によって,それまで取締対象とされていた音楽・映像の他にも,すべてのコンテンツのダウンロード行為が新たに刑事罰の対象となりました。
 本改正法は,令和3年1月1日から施行されています。

違法ダウンロードの対象となる著作物とは

 違法ダウンロードの対象となる著作物は,上記に述べたとおり,これまでの規制対象であった音楽,映像に加えて,あらゆる「侵害コンテンツ」が対象となります。
 改正の契機となったのは,人気漫画の連載などを無断・違法に大量アップロードしていたいわゆる「海賊版サイト」の摘発でした。
 これに加えて,昨今では,漫画だけにとどまらず,有償で提供されているコンピューターソフトウェアや学術論文,新聞などのその他の著作物も無断・違法にアップロードされてしまい,多大な被害が生じていることが報告されてきました。
 このような被害状況を踏まえて,今回の改正では,音楽・映像に加えて,漫画,コンピューターソフトウェア,学術論文,新聞,書籍,雑誌など,およそ著作権を侵害しているコンテンツのすべてが対象となりました。

これまでの規制対象

  • 音楽
  • 映像

令和3年1月1日以降に加わった規制対象例

  • 漫画
  • コンピューターソフトウェア
  • 学術論文
  • 新聞
  • 文芸書
  • 専門書
  • 雑誌
  • 写真
  • イラスト 等

違法ダウンロードにあたる行為とは

 違法にアップロードされた著作物を違法であると知りながらダウンロードする行為が規制の対象となります。
 要するに,いわゆる「海賊版」であることを知りながらダウンロードした場合を指します。
 このような侵害コンテンツであることを知りながらダウンロードさえしていれば,私的利用目的(個人的に楽しむため)であっても違法となります。

 もっとも,国民の正当な情報収集等を委縮させてはならないため,以下の4場面でのダウンロードは違法行為から除外されています。
・漫画の1コマ~数コマなどの「軽微なもの」のダウンロード(ただし,重過失(著しい不注意)によって侵害コンテンツであることを知らずにダウンロードした場合には違法とはなりません)
・二次的著作物(二次創作・パロディ等)のダウンロード
・「著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合」のダウンロード
・スクリーンショットを行う際に違法画像等が写り込むこと

改正著作権法における違法ダウンロードの罰則とは

 違法となるダウンロード行為のうち,正規版が有償で提供・提示されているものの侵害コンテンツを,継続的に又は反復してダウンロードした場合には,2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はその併科が科されます。

 また,この刑罰は,親告罪として規定されました。
 親告罪とは,検察官による公訴提起には権利者からの告訴が必要となる類型の罪をいいます。

違法ダウンロード行為に関わってしまったら

 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の公式サイトには,令和3年1月時点で,2000(平成12)年以降の著作権侵害事件が掲載されています。
 これを参照すると,違法コンテンツのアップロード,販売目的所持,違法販売などにより逮捕・送検されたり,刑事罰が下された事例は沢山存在します。
 これに対し,違法コンテンツのダウンロード行為で逮捕されたり刑事罰が下されたというような例は,現時点では掲載されていないようです。
 この背景には,上述の通り,規制対象が音楽・映像に限られていたことや,ダウンロードしている客観的な証拠を捜査機関が把握することが困難であること等が関係していると考えられます。
 しかしながら,今回の改正により,規制対象が拡大したことを受けて,今後,権利者や関係者らが,積極的に被害を申告していく可能性は十分にあります。
 したがって,違法ダウンロード行為は,逮捕される可能性のある犯罪行為ということができるのです。
 このような違法ダウンロード行為に関わってしまった場合には,その後の不利益を回避するため,刑事の専門家である弁護士にお早目にご相談ください。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。これまで取り締まられてこなかった違法ダウンロード行為全般が規制対象となったこと等を受けて,今後,違法行為に対する非難の声や捜査機関等による取締りが一層厳しくなる可能性もあります。いわゆる「海賊版」のダウンロードは犯罪です。「犯罪者」になってしまわないよう,違法なコンテンツをダウンロードすることは止めましょう。

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「違法ダウンロード」に関する刑事弁護コラム

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