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強制わいせつ容疑で市議会議員が逮捕 – 罪状と量刑はどうなる?

市議会議員が逮捕されたら罪状と量刑はどうなる?

令和5年6月、千葉県成田市の市議会議員が強制わいせつの容疑で逮捕されました。

報道などによると、議員は、令和4年11月中旬から12月頃の夕方、議員が運営している「まんが図書館」で、女児に対して正面から抱き着いたり頬にキスをしたりするわいせつ行為をしたとされています。

今後の刑事手続の見通しや予想される刑事処分はどのようなものになるのでしょうか。

今回の事件で強制わいせつ罪は成立するか

強制わいせつ罪は、刑法176条に規定されています。
刑法176条は、1項で13歳以上の者に対して、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者を、2項で13歳未満の者に対してわいせつな行為をした者を処罰の対象としています。

今回の事件は、女児に対する事件ということですから、被害者が13歳未満の場合には暴行や脅迫がなくともわいせつ行為だけで強制わいせつ罪が成立します。この場合、被害者の同意があったとしても、強制わいせつ罪が成立します。13歳未満では、肉体的にも精神的にも成熟していないため、性交の意味を十分に理解して同意することが困難と考えられているからです(なお、性交同意年齢を16歳に引き上げる刑法改正法案が国会で議論されています)。

※刑法改正が行われ、令和5(2023)年7月13日より不同意わいせつ罪が施行されています。

今後の刑事手続きや予想される刑事処分

わいせつ行為には、胸や陰部などの性的部位を触ったり舐めたりする行為のほか、キスや相手に抱き着く行為も該当します。
そのため、報道内容が事実であれば、強制わいせつ罪が成立する可能性が極めて高いということになります。

強制わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の懲役です。都道府県の条例で規制されている痴漢や盗撮と異なり、罰金刑は法定されていません。もし起訴されると正式裁判が開かれることとなり、有罪となれば、実刑か執行猶予かが問題となります。

いわゆる性器を触った事案よりわいせつ行為の悪質性は高くないと評価される可能性がありますが、被害者が女児であることや、市議という被告人の立場も踏まえると、実刑判決の可能性も十分にあるでしょう。報道によると、複数のわいせつ行為をしたという情報もありますので、別件で再逮捕・追起訴となれば、実刑判決の可能性が極めて高くなることになります。
今後の刑事手続の行方を注意してみていく必要があるでしょう。

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