示談成立により執行猶予判決を獲得
住宅の屋根の点検を装い、実際は屋根を故意に壊し、自然災害で壊れたかのように家主に申し向けて修理させ修理代金を詐取したという、詐欺、建造物損壊、特定商取引に関する法律違反の事案です。
依頼者は会社の指示で、業務としてこのようなことをやらされており、逮捕前に警察からの家宅捜索が入った時点で当事務所に相談がありました。
初回相談から約半年後に依頼者が逮捕されたと、依頼者の親から連絡があり、受任となりました。
会社からの指示で、業務として同種の犯罪行為に数えきれないほど加担させられていたことから、少しでも余罪の立件を防ぎ、被害額を最小限にするため、取調べでは完全黙秘を徹底しました。何度か再逮捕が繰り返されたものの、黙秘が功を奏して不起訴となった件もあり、疑われていた余罪の立件も最小限となりました。
被害者の示談交渉に際しては、共犯者弁護人と協力して賠償金を捻出し、全件で示談を成立させました。
裁判では、検察官が余罪について立証してくることが予想されました。その際の対応を依頼者との打合せで準備していたため、結果として余罪が法廷に顕出されずに終わりました。
弁護側立証では、示談の成立に加えて、依頼者が従属的な立場であったこと、保釈中にきちんとした仕事を見つけて収入を得、親に立て替えてもらっている示談金の返済を始めていることなどを効果的に立証し、執行猶予付き判決を獲得することができました。