事件の概要
被疑者が泥酔した状態で訪れたクラブにおいて,被害者の頭部をワインボトルで殴り,傷害を負わせたという傷害被疑事件。被害者は,被疑者から,臀部に触れられるという強制わいせつの被害も申告していた。
被疑者は両事実について否認していた。
被疑者は,日本人の妻と日本で居住していたものの,事件の数か月後には,転勤のため,母国に帰国する予定があり,早急に事件を解決する必要があった。
弁護方針
被疑者が示談による早期解決を望んだため,被害者との示談交渉に即座に着手したものの,被害者は頭部を25針縫うけがを負っていた上,強制わいせつの事実を否認していたため,示談は難航した。
他方で,被疑者と共にクラブへ赴いた同僚からも事情聴取を行った。その結果を検察官に報告し,当該同僚に対する事情聴取を行い,犯人性について慎重な捜査を行うように上申した。
検察官とも密に連絡した上で,検察官からも被害者代理人弁護士に連絡を入れてもらい,示談をまとめることに成功した。強制わいせつについても告訴しない条件で,示談が成立した。
結果
傷害事件については不起訴処分,強制わいせつ罪については送致されることなく終結した。