黙秘貫き嫌疑不十分による不起訴処分を獲得
対象者が海外のネットショップでハーブを購入したところ、その中に違法な大麻成分が含まれていたという大麻取締法違反事件です。
対象者はCBD成分が含有されている可能性があることは認識していましたが、きちんとしたネットショップで販売されているのであるから、日本から購入依頼があった場合、日本で違法となる成分が含まれている商品が発送されるとは思っていなかったと密輸の故意を否認しておりました。
本件は、購入した商品に違法薬物が含まれている可能性を認識していたかが争点となりました。
家族からの依頼を受けて、当事務所の弁護士が最初に面会した際には、すでに弁解録取書等が作成済みであり、対象者は取調べにおいて警察官や検察官の質問に答えている状態でした。
そのため、以後の取調べで弁護士は対象者に黙秘するように指示し、黙秘の具体的なやり方についても繰り返し説明しました。勾留期間は20日に及んだため、後半、対象者の精神状態も悪化し、黙秘の継続が危ぶまれる場面もありましたが、弁護士が頻繁に接見をして、黙秘の重要性を説いて黙秘を継続してもらいました。
黙秘を継続してもらうために、接見を繰り返して信頼関係を築く、黙秘がなぜ最良の選択であるかを、弁護士のこれまでの経験等から具体的に示して納得してもらう、取調べ等における警察官・検察官の対応を聴取した上で、捜査機関は被疑者に対して親切そうに接してくれることもありますが、彼らの仕事はあくまで、被疑者から自供を引出すことであることなどを粘り強く説明しました。
その結果、対象者は、当事務所の弁護士が弁護人に就任してから取調べで一度も話すことなく黙秘を継続することができました。
そして、嫌疑不十分で不起訴処分となりました。