警察への早期働きかけにより冤罪での送致を阻止
盗撮(迷惑防止条例違反)の事例をご紹介します。
相談者が電車に乗っていたところ、盗撮犯と間違えられ、近くにいた男性によって警察のもとへ連れて行かれた事案でした。
結果として、事件は検察庁に送られることなく終結しました。
対象者は、カメラやスマートフォンを構えてもおらず、なぜ自分が盗撮犯と間違えられたのか理由も全くわからない状況でした。
その後、警察から事情聴取を受けた後、警察官から「また呼び出す」と言われたため、心配になった相談者が当事務所に相談し、受任に至りました。
事案を聴取した限り、相談者が盗撮をした証拠は全くなく、目撃者の見間違いであると考えられました。
そのため、弁護人として警察官と交渉し、不立件とすることを目指しました。
来所後、すぐに弁護士が警察に連絡して、弁護人選任届を提出するとともに、警察官に事情を説明して交渉を行いました。
依頼から3週間弱で、警察から連絡があり、捜査は打ち切りとなったと伝えられ、事件は検察庁に送られることなく、不送致で終了しました。
事件のポイント
本件のような明らかな冤罪のケースであっても警察が言い分に聞く耳を持たず、目撃者の話を鵜呑みにし、否認事件として検察官に事件送致することがあります。
検察官に送致される段階では、頭から犯人と決めつけている警察は実況見分を行い、目撃者や被害者の供述調書を作成し、目撃再現見分まで行って「もっともらしい」証拠や捜査書類を作成して検察官に送ることがあります。検察官も有罪推定のまま否認事件として起訴することがあります。司法とは怖いものです。
最初から毅然として、やってないと主張すること、逃走しないこと(逃走するとそのこと自体が犯人性を疑わせる事情になります)、弁護士をすぐに依頼することが肝要です。
執筆者: 代表弁護士 中村勉