バランスの取れた弁護活動で示談成立し不立件
コンビニ店内で、ぶつかってきた男性客と喧嘩になり、数回突き飛ばし怪我を負わせたという傷害事例です。
被疑者である依頼者は、相手がわざと転んだため、慰謝料はなるべく支払いたくないとの意向を示しており、因果関係が問題となりました。
弁護人は、依頼者にも言い分があることがあることは傾聴しつつも、示談による清算条項、宥恕条項等の性質があることを説得して早期示談成立を目指しました。
被害者との間で電話による示談申出を行ったところ、被害者は当方の提示に対してやや難色を示しました。
弁護人から行為態様、被害態様も合わせての提示額である旨ご説明したところ、この金額で示談に応じる旨の意向を示していただきました。
結果として、受任後1週間以内に示談が成立。不立件に至りました。
事件のポイント
傷害事件は逮捕されることは少なく、在宅で捜査が進められることから、無理な取調べにさらされない反面、主張に隔たりがある場合、交渉が長期化することがあります。
依頼者の言い分を尊重し、その弁護人として誠意をもって活動することがベースになります。 決して依頼者にどっちの弁護士なのかと不信感を持たれることのないようにしなくてはなりません。
一方で長期化を避け、短期に紛争解決を目指すことは依頼者の利益になります。
本件はそのバランスが見事に成就した事例です。
執筆者: 代表弁護士 中村勉