依頼者の心情を踏まえた的確な主張で不起訴処分を獲得
事案概要
本件は、同じマンションに居住する住民から騒音被害を受けていると考えた依頼者が、住民と管理組合に対して「コロス」などと記載した手紙を送った脅迫事件です。
恐怖を抱いた住民と管理組合が被害届を提出したことで、依頼者に対する任意の取調べが始まりました。
弁護活動のポイント
依頼者は、騒音被害を受けていたとはいえ、住民に恐怖心を抱かせてしまったことを反省し、謝罪を申し出ていました。そこで、弁護活動としては、示談交渉を目指しました。
一方で、依頼者の訴えを前提としても、果たして住民が騒音を発生させていたのかどうかに疑問が生じることになりました。また、依頼者の生活状況から、依頼者側に何らかの思い込みが強く染みついている可能性が生じました。
そのため、示談交渉を前提としつつ、依頼者の心情ケアも試みるようにいたしました。
弁護活動の結果
依頼者と話し合って専門機関で受診したところ、依頼者には統合失調症の疑いがあることがわかりました。
示談交渉については、被害者側の心情として受け入れられないとの返答となりましたが、依頼者に統合失調症の疑いがあること、騒音被害の思い込みを受けていた可能性があることを検察官に指摘して不起訴処分を獲得することができました。