土日・祝日,深夜・早朝の急な逮捕|急な逮捕時の対処法を弁護士が解説|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

土日・祝日,深夜・早朝の急な逮捕|急な逮捕時の対処法を弁護士が解説

刑事弁護コラム 土日・祝日,深夜・早朝の急な逮捕|急な逮捕時の対処法を弁護士が解説

土日・祝日,深夜・早朝の急な逮捕|急な逮捕時の対処法を弁護士が解説

 「土日・祝日は逮捕されない」と一部,都市伝説のような噂が広まっていますが,それは本当でしょうか。また早朝・深夜の逮捕の場合はどうでしょうか。
 犯罪の起こるタイミングは365日24時間,関係ないように思いますが,なぜこのような噂が広まったのでしょうか。ここでは土日・祝日,早朝・深夜の急な逮捕はあるのか,またその場合の対処法について詳しく解説していきます。

そもそも逮捕とは

 土日・祝日,早朝・深夜という前に,そもそも「逮捕」とはどういうものでしょうか。なぜ逮捕する必要があるのでしょうか。逮捕とは,被疑者の身体の自由を拘束し,引き続き一定時間,身柄の拘束を継続することを言います。
 また,同じ逮捕でも,通常逮捕緊急逮捕現行犯逮捕の3つの種類があります。

通常逮捕

刑事訴訟法 第199条(逮捕状による逮捕の要件)

 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法,暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金,拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
 2 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。
 3 検察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。

 こちらの逮捕は,逮捕状を用いて被疑者の身柄を拘束するもので,3つの中で一番スタンダードなものとなります。テレビで警察官数人が被疑者の自宅に訪問して逮捕する,あのシーンをイメージしていただければと思います。
 この逮捕を行うには,事前の逮捕の理由逮捕の必要性が必要とされています。
 「逮捕の理由」とは,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由のことで,具体的にある特定の罪を犯し,その疑いが単なる可能性を超えた,かなり高度な嫌疑のレベルのものまで要求されます。また「逮捕の必要性」とは,逃亡または罪証隠滅のおそれがないことが明らかな場合でないことであり,犯罪の内容や性質,被疑者の状況から判断されます。
 さらに,これらの判断について,警察官が逮捕をするだけの相当な理由があると判断しただけでは足らず,裁判官のチェックが必要になります。このように,通常逮捕を行う場合,一定の裏付けと根拠,チェックに基づいて逮捕が行われています。

緊急逮捕

刑事訴訟法 第210条(緊急逮捕)

 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
 2 第二百条の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。

 あまり馴染みがないかもしれませんが,緊急逮捕というものがあります。こちらは,死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯したと疑うに足りる充分な理由がある場合で,急速を要し,事前に裁判官の逮捕状を求めることができない時に,その理由を告げて「令状なし」で逮捕できるというものです。
 指名手配をされている被疑者が街中で発見され,その場で取り押さえられたというシーンをイメージしていただければと思います。

現行犯逮捕

刑事訴訟法 第213条(現行犯逮捕)

 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

 その名の通り,現に犯罪を行い,または,現に犯罪を行い終わった者を「令状なし」で逮捕できるというものになります。禁止薬物所持の現行犯逮捕というフレーズを聞くかもしれませんが,そのシーンがまさにこちらのパターンになります。
 これら3つの逮捕に共通している主な目的は,被疑者の逃亡を防止すること ,被疑者による証拠の破壊や隠滅,関係者に対する脅迫などを防止することにあります。イメージが先行しているかもしれませんが,逮捕は取り調べをするためではなく,本来はこのような目的で行われています。

土日・祝日,早朝・深夜の逮捕はあるのか

通常逮捕

 上記で説明したように,通常逮捕を行うためには事前の「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」(逃亡や証拠隠滅のおそれ )が要求されていました。そうすると,被疑者の身柄を確実に押さえなければならず,在宅のタイミングを見計らう必要があるため「土日・祝日,早朝・深夜」に関係なく,逮捕は行われるべきといえます。もっとも,通常逮捕の場合,「土日・祝日,早朝・深夜」に関係ないとは言っても,被疑者のプライバシーや近隣住民への配慮などを考慮し実行されているようです。

緊急逮捕

 緊急逮捕については,死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮にあたる重大な犯罪を対象にしており,緊急性も要求されていることから,こちらについても「土日・祝日,早朝・深夜」に関係なく,逮捕は行われるべきといえます。

現行犯逮捕

 犯罪のタイミングで行われる逮捕であることから,土日・祝日,早朝・深夜に関係なく,逮捕は行われます。

 以上から,どの逮捕であっても土日・祝日,早朝・深夜に関係なく,逮捕は行われることになります。
 では,なぜ「土日・祝日は逮捕されない」等と噂が広まったのでしょうか。諸説ありますが,やはり警察,捜査員も「公務員」,逮捕されても対応できる刑事さんや検察官,裁判官がいない,裁判所自体もお休みというお役所イメージがあったからではないかと推測しています。しかし,公務員だからと言っても土日・祝日,早朝・深夜がお休みという職業ばかりではないですし,検察官や裁判官も休日当番等もありますので,全てがお役所イメージではないのが実情です。

逮捕後の流れ

 被疑者が警察官に逮捕された後の流れについてご説明したいと思います。
 まず,被疑者が逮捕されると,警察官は「犯罪事実の要旨」と「弁護士を選任することができる旨」を被疑者に伝え,弁解の機会を与えることになります。その後,引き続き留置の必要がない場合は釈放されますが,通常逮捕(逮捕状を用いた逮捕)では,警察官も捜査を行なった上,疑いが強まった状態で実行していることから,勾留されることが多く となっております。
 警察官は,身体を拘束した時から48時間以内に,書類・証拠物と共に,被疑者を検察官に送致する手続きを取らなければなりません。書類・証拠物と共に被疑者の身柄を送致された検察官は,24時間以内に,裁判官に勾留(10日間)を請求するかどうかを決定します。ここでも,最初の逮捕時と同様,勾留の必要がないと判断されれば,すぐに釈放となります。検察官が裁判官に勾留の請求をするまでの時間は,身柄を最初に拘束した時から72時間以内(48時間+24時間)に行われなければならないことになっています。
 10日間の勾留で足りない場合は,検察官は勾留の延長を行い,その後「起訴」か「不起訴」を判断することになります。
 このような逮捕後の流れは,土日・祝日,早朝・深夜の逮捕に関係なく進められます。また,逮捕から起訴・不起訴の決定までの23日間が早期釈放や起訴の決定 に大きく影響する期間となり,対処をどのように考え,実行していくかが重要になります。

土日・祝日の弁護士選任について

 手続きについては特に変わりはないとしても,土日・祝日,早朝・深夜に逮捕された場合に困ることがあります。それは,弁護士の初動が遅くなることです。刑事弁護は時間との闘いと言われているように,特に初め(逮捕後,72時間以内)にどのような対応を行うかが早期釈放のカギになります。
 では,土日・逮捕された被疑者やそのご家族は,どのような弁護士に対応を依頼することができるでしょうか。
まず,被疑者やご家族は,当番弁護士,国選弁護士,私選弁護士のいずれかの弁護士とやりとりをして対処していくことになります。

弁護士制度について

 当番弁護士とは,弁護士が一回無料で逮捕された人に面会に行く制度です。そこから,国選弁士として依頼するか,私選弁護士として依頼するか手続きを進めて行くことになります。当番弁護士の連絡先はこちらです。
 当番弁護士は,一回無料で対応してもらえることはメリットですが,次の不安要素もあります。弁護士は得意・不得意な案件があり,刑事事件が得意な弁護士とは限らないこと,早期釈放には示談交渉が肝である場合が多く,その示談交渉自体の依頼ができないことです。
 当番弁護士と面会後,資力がないなどの理由で私選弁護士をつけることができない場合に,国が弁護士の選任を請求できる制度が国選弁護制度です。この場合も同じく,当番弁護士と同じ不安要素が考えられます。
 早期釈放の場合だけではなく,不起訴となり前科がつかないようにするためには,私選弁護士を選任することが望ましく,事前に刑事事件を得意で土日祝日も対応してもらえる法律事務所を押さえておく必要があります。
 以上から,土日・祝日,早朝・深夜に逮捕された被疑者やそのご家族は,自身の資力と被疑者の早期釈放,前科の回避を考慮し,当番弁護士・国選弁護士または私選弁護士という選択の決断を早急に行うことが望ましいと考えられます。

土日・祝日の接見について

 逮捕されてから不安の大部分を占めるのは,外部との遮断ではないでしょうか。長い時間,日常の生活とは違う環境で過ごすことはとても不安でストレスになります。そのような精神状態で,捜査のプロである警察官に取り調べを受けた結果,犯罪をしていないのに「犯罪をした」と告げたり,記憶が曖昧なまま「犯罪をした」と思い込んだりすることは少なくありません。また,そこで話した内容は供述調書にまとめられ,裁判で証拠として証拠として認められると,その後真実でないことを主張しても覆すことは困難になります。
 そこで,被疑者には接見交通権という権利が保障されています。

刑事訴訟法 第39条(被告人・被疑者との接見交通)

 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
 2 前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
 3 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

 弁護人接見とは,身柄拘束中の被疑者が弁護士と立会人なく面会し,書類や物の受け渡しができる権利のことです。 弁護士と面会し,今後の防御活動の準備をしたり,法的なアドバイスを受けたり,公平な取り調べを進めるためにも重要なものになります。
 ただ,土日・祝日,早朝・深夜に逮捕された場合でも,接見を申し入れることは可能でしょうか。
 結論から言いますと,弁護士は土日・祝日,早朝・深夜に関係なく,被疑者に接見することができます。
 警察署の留置施設における休日接見は,「被疑者勾留規則に関する各都道府県の実施要綱・規則等」により,留置場の管理運営上支障があるときを除き,弁護士からの接見申し入れに応じるものとされています。つまり,ほぼ24時間自由に接見できる状況になっています。ですから,弁護士は警察署より執務時間外であることを理由に接見を拒否されることはありません。

土日・祝日の取り調べについて

 逮捕の流れで説明したように,被疑者は逮捕されてから起訴・不起訴の決定されるまで23日間 の期限があります(23日以内,あるいは23日以上となる可能性も有り)。その間必要があれば取り調べを受けることになります。
 被害者や目撃者などの取調べについては,警察では土日・祝日でも取調べを行ってもらえることも多いですが,検察庁での取調べは土日・祝日は行っていないため,平日に実施されることになります。

土日・祝日の釈放について

 被疑者は逮捕されてから検察官が起訴を決めるまでの間,何度か釈放される可能性があります。逮捕時,検察官送致,検察官の勾留請求時などです。一定の期間内で手続きが進んでいく関係上,釈放のタイミングが土日・祝日となってもその影響は受けません。

土日・祝日の裁判について

 土日・祝日は裁判所が閉廷しているため裁判自体が行われることはありません。証人の方は平日で時間を取らないといけないため,事前に裁判の日程を確認の上ご準備頂く必要があります。

まとめ

 今回は土日・祝日,早朝・深夜の急な逮捕はあるのか,またその場合の対処法について解説をしてきました。ここで押さえてもらいたいことは3つです。
 1. 土日であっても逮捕後の手続きは平日逮捕と変わらないこと
 2. 大きく変わることは,弁護士の初動が遅くなり早期釈放に影響する可能性があること
 3. 弁護士からの接見 は365日24時間ほぼ認められていること
 土日・祝日や早朝・深夜の逮捕は思いもかけず,被疑者だけでなくそのご家族も不安になることが多くあります。
 しかし,この3点を踏まえた上で,土日・祝日,早朝・深夜に対応できる,刑事事件を得意とする弁護士事務所を調べておくだけで,その負担や不安も軽減されるはずです。

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