在宅事件と身柄事件とは?|その違いについて詳しく解説|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

在宅事件と身柄事件とは?|その違いについて詳しく解説

刑事弁護コラム 在宅事件と身柄事件とは?|その違いについて詳しく解説

在宅事件と身柄事件とは?|その違いについて詳しく解説

 刑事事件と聞いて,どのようなものを想像するでしょうか。ニュースやテレビドラマでよくあるように,警察が犯人と思しき人物(被疑者)を逮捕し,警察・検察による取調べが行われ,鉄格子のついた薄暗い部屋に閉じ込められる,そんな流れを想像する方が多いと思います。
 この一連の手続きに付される事件を,「身柄事件」といいます。一方で,「身柄事件」と対になるものとして,「在宅事件」というものがあります。在宅事件とは,端的に言えば起訴(あるいは不起訴)に至るまでの間,自宅で通常通りの生活をしつつ,検察等から呼び出しがあった際にはそれに応じて捜査を受ける事件のことです。
 本コラムでは,身柄事件と在宅事件の具体的な差異と,それぞれにおける弁護活動について解説していきます。

刑事事件の流れ

 身柄事件と在宅事件の違いに入る前に,そもそも刑事事件一般がどのような手続きをふむか理解する必要があります。
 まず,刑事事件(犯罪)がおこると,警察がそれを捜査するために動き出します。被疑者は警察署で取調べを受けることになりますが,ここで逮捕令状が示されたか否かで身柄事件か在宅事件か分かれます。もっとも,現行犯逮捕の場合,逮捕令状が示されない場合もあります。

逮捕されたら身柄事件,逮捕されなければ在宅事件

 すなわち,逮捕された場合身柄事件となり,逮捕されなければ在宅事件と言えます。なお,在宅事件で取調べを進めた結果,逮捕の必要が生じて身柄事件に転じる場合もあります。
 逮捕されると,最大72時間は身柄を拘束されます。これは,身柄事件における逮捕段階での警察の取調べは48時間以内,その後の検察の取調べは24時間以内と法律で定められているからです。最大72時間の取調べを終えたのち,証拠隠滅や逃亡のおそれなどから引き続き身柄を拘束すべきと検察が判断した場合,裁判所に対して勾留請求が行われます。裁判所が勾留を認めると,そこから10日間(延長が認められた場合は最大20日間),被疑者は引き続き身柄を拘束されることになるのです。
 一方,勾留が妥当ではないと裁判所が判断した場合,その時点で被疑者は釈放され,在宅事件という扱いになります。
 そして,身柄事件,在宅事件いずれの場合においても,最終的に捜査を行った検事が起訴するか否かを判断することになります。

身柄事件の特徴

 上述したように,身柄事件では被疑者の身柄を拘束した上で取調べ等の捜査が行われます。当然,自由に外に出ることは許されず,留置所あるいは拘置所で過ごすことを強いられます。逮捕後に3日間,勾留後には最長20日間身柄を拘束されるため,仕事や学校など,日常生活に著しい支障をきたすことになります。
 また,逮捕後の3日間においては親族であっても面会が許されず,また勾留期間中においても「接見禁止」という条件が裁判所によって付された場合は,親族も面会できないことがあります。

在宅事件の特徴

 一方,在宅事件における被疑者は,およそ日常と変わらない生活を送ることができます。このような状況から,稀に事件が終息したと思う方がいますがそれは間違いです。在宅事件は,あくまで被疑者の身柄を拘束していないだけで,検察等による事件捜査は継続している状態にあります。したがって,検察等から捜査(取り調べや現場検証等)のために呼び出しがあった場合,これに応じなければいけません。また,事件の性質や捜査状況によっては,このような呼出しが数週間から数か月後になることもあります。身柄事件とは異なり,捜査の期限を定めた法律が存在しないからです。
 そのため,在宅事件では日常生活を送ることができる他方,捜査が長期化するといったデメリットもあります。

身柄と在宅で異なる弁護士の役割

身柄事件の場合

 逮捕されてから勾留されるまでの間は, 身内であっても被疑者との面会はできません。また,警察に直接問い合わせても,被疑者がなぜ逮捕されたのかなど,詳しい情報はほとんど教えてもらえません。
 しかし,唯一面会が許される弁護士であれば,被疑者本人と話をし,家族に本人の状況を伝えることができるばかりか,取調べに対するアドバイスをすることもできます。逮捕されて間もない時期の取調べにおいて,どのように受け答えするかは,その後の身柄拘束期間の長短や裁判での有利不利に大きく影響します。したがって,いち早く弁護士からのアドバイスを受けることが,刑事事件においては肝要なのです。
 また,事件の内容によっては,弁護士が身柄解放活動を行います。身柄解放活動とは,事件が比較的軽微であるなどの理由から身柄拘束までする必要はないと思料される場合に,弁護士が検察官および裁判官に対して被疑者を10日ないし20日間の勾留をしないよう働きかける弁護活動のことです。これに成功すると,在宅事件扱いとなり,被疑者は日常生活に戻ることができます。ただし,逮捕後72時間が経過し,裁判所が勾留を決定してしまうと,勾留期間中の身柄解放は困難を極めるため,逮捕後すぐに弁護士を依頼することをおすすめします。
 一方,身柄解放ができず勾留となった場合でも,その間の取調べに対するアドバイスや被疑者との示談交渉など,弁護活動は継続して行われます。示談が成立すれば,検事の下す処分(起訴,不起訴など)や裁判における量刑にプラスの影響を与えられるため,非常に有用です。

在宅事件の場合

 在宅事件の場合,弁護士は被害者との示談活動や,被疑者本人の更生に助力します。これらも,検事の下す処分や裁判における量刑に大きく影響を与えるものです。在宅事件であれば,被疑者本人が被害者に直接会って謝罪しに行くことも可能ですが,これは十中八九やめた方がいいでしょう。なぜなら,被害者は被疑者との接触を拒む場合がほとんどだからです。無理に会おうとすれば,被害者から検事に通報され,かえって心証を悪くしてしまいます。弁護士はクライアントである被疑者本人の意向もふまえつつ示談交渉を行うので,示談は自分で行わず,弁護士を介すことが得策と言えるでしょう。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。本コラムでは身柄事件,在宅事件の違いを説明してきました。両者の流れは大きく異なりますが,早い段階で弁護士をつけるべきという点においてはいずれも同じと言えます。刑事事件の当事者になってしまった方,身内が当事者になってしまった方は,早めに弁護士にご相談ください。

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