恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の条文,裁判例|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の条文,裁判例

刑事弁護コラム

恐喝罪の条文(懲役・罰金・時効)について

恐喝罪の条文(懲役・時効)について

刑法249条

 1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
 2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

公訴時効

 7年(刑事訴訟法250条2項4号)

表1 罪刑・公訴時効

懲役10年以下
公訴時効7年

恐喝罪の起訴・不起訴(起訴猶予)について

恐喝罪

 平成24年に検察庁で処理された人員は4,092人です。
 また,平成24年に起訴されたのは1,103人,不起訴処分となったのは1,653人(うち,起訴猶予となったのは863人)となっています。起訴猶予率は31.3%です。

表2 罪名別検察庁終局処理人員・起訴率(平成24年)

処理人員4,092
起訴人員1,103
不起訴人員1,653
不起訴人員のうち起訴猶予863
起訴猶予率31.3%

 ※平成25年版犯罪白書によります。

 平成25年に地方裁判所で有罪判決を受けたのは662人です。うち,執行猶予が付されているのは370人です。執行猶予率は55.9%になります。

表3 地方裁判所における有罪人員・執行猶予人員及び執行猶予率(平成25年)

有罪人員662
執行猶予人員370
執行猶予率55.9%

 ※司法統計年報によります。

恐喝罪の判例・裁判例について

 ※下記は裁判例の紹介であり,当事務所が扱った事例ではありません。

大阪地方裁判所 平成25年11月1日

 元暴力団組合員の被告人は以前,交際していた被害者に対し,貸金返済という名目の下,7回に渡り,自分と交際していた事実をマスコミなどに暴露する旨の書面を被害者宅や事務所に送付するなどして,金銭を喝取しようとした事案。
 被告人はマスコミに上記事実を暴露し,被害者の芸能人生命を奪うことになる旨を随所に記載するとともに,被害者に対し殺意を抱くほどの恨みを抱いていることを示唆するなどしている。これらの害悪の内容に照らせば,貸金債権の有無にかかわらず,本件行為は恐喝行為に該当し,故意も認められる。そして,被告人は貸金返済という名目の下,明確に金銭を要求しており,当該恐喝行為が金銭の交付に向けられていたことは明かである。以上の事情から,被害者が警察に被害届を提出し,被告人が目的を遂げなかった本件においては,恐喝未遂罪が成立する。そして,約1年2ヶ月の間に7回に渡る本件脅迫行為は執拗で悪質な犯行である上,被告人は恐喝未遂罪の同種前科や別罪の累犯前科があることなどから自省の念が不十分であるとして,懲役2年4月に処した事例。

高知地方裁判所 平成25年4月18日

 被告人らは,被害者に対し,共謀の上,被害者が暴力団員数名から借りた現金約1100万円の返済の名目で現金を喝取しようとした事案。
 恐喝行為の有無につき,被害者の証言の信用性に委ねられたが,被害者の供述や行動には不自然な点が多々あり,被告人らの説明に比して説得力に欠け,信用できないこと,1000万円単位の本件において被告人らが礼金を恐喝する動機がないことなどから,被害者は自己に都合の良い作り話をして,警察に保護を求めたものといえる。以上の事実は証拠に照らしても合理的に説明することができ,当時,被害者が自ら進んで債務整理を望んだ以上,被告人らが債務整理をしようとした本件行為は恐喝とみることはできず,被告人らは無罪であるとした事例。

横浜地方裁判所 平成24年11月30日

 被告人は,70歳の実母から,長年にわたり,乱暴な言動をするなどして多額の金を無心し,総額数億円の金をもらっていたという事案。
 被告人は,更に金を脅し取ろうと考えて,暴行や脅迫を行い,応じなければ自己の身体等にいかなる危害を加えられるかもしれないという畏怖を生じさせた。しかし,これらの暴行や脅迫は,実母が高齢であること,被告人と1対1となる場面があったことを考慮しても,反抗を抑圧するに足りる程度のものであったとは認められず,恐喝の手段としてのものにとどまるとみるのが相当であるとして,恐喝罪と認定した。そして,被告人と実母は直系血族であることから,刑法251条,刑法244条1項により被告人に対し,刑を免除した。

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