恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の条文,裁判例|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の条文,裁判例

刑事弁護コラム 恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の条文,裁判例

恐喝罪で逮捕されたら|恐喝罪の罰則,裁判例を弁護士が解説

 「恐喝」は日常でも稀に耳にする言葉ですが,法律に規定されている「恐喝罪」はどのような罪なのでしょうか。また,逮捕されてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
 恐喝罪の定義や罰則,脅迫罪との違い,逮捕された場合の対処法等,以下より弁護士が詳しく解説します。

 恐喝罪は,相手方の生命・身体・自由・名誉又は財産に対して害を加える旨を告知し,人から金銭,その他の財物を脅し取る場合に成立する犯罪です。例えば,「明日までに100万円持って来ないと殺す」と言ったり,「50万円支払ったらこの写真は流出させない」等と言ったりして金銭を要求した場合です。よって,いわゆる「カツアゲ」は,恐喝になります。
 恐喝罪の罰則は10年以下の懲役,公訴時効は7年です。

刑法249条

 1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
 2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

恐喝罪と脅迫罪の違い

 それでは,恐喝罪と脅迫罪の違いは何でしょうか。簡潔にいうと,両者の違いは財産交付要求があるかないかです。
 また,脅迫罪において「告知される害悪」は,「生命,身体,自由,名誉または財産に対するもの,親族の生命,身体,自由,名誉または財産に対するもの」に限定されています。例えば,「殺すぞ」「ネットに裸の写真を流出させてやる」等と言って,相手に恐怖を抱かせる言動が脅迫です。
 一方,恐喝罪の場合,脅迫罪のような制限はなく,「告知される害悪」は,犯罪や違法行為でなくても良いとされ,親族ではない第三者に対する害悪の告知でもよいと規定されています。つまり,「上記の脅迫に加えて財産を要求すること」が恐喝にあたります。
 もし,恐喝された相手がお金を払わなかった場合でも,「恐喝未遂」が成立します。

恐喝罪の判例・裁判例

 ※下記は裁判例の紹介であり,当事務所が扱った事例ではありません。

大阪地方裁判所 平成25年11月1日

 元暴力団組合員の被告人は以前,交際していた被害者に対し,貸金返済という名目の下,7回に渡り,自分と交際していた事実をマスコミなどに暴露する旨の書面を被害者宅や事務所に送付するなどして,金銭を喝取しようとした事案。
 被告人はマスコミに上記事実を暴露し,被害者の芸能人生命を奪うことになる旨を随所に記載するとともに,被害者に対し殺意を抱くほどの恨みを抱いていることを示唆するなどしている。これらの害悪の内容に照らせば,貸金債権の有無にかかわらず,本件行為は恐喝行為に該当し,故意も認められる。そして,被告人は貸金返済という名目の下,明確に金銭を要求しており,当該恐喝行為が金銭の交付に向けられていたことは明かである。以上の事情から,被害者が警察に被害届を提出し,被告人が目的を遂げなかった本件においては,恐喝未遂罪が成立する。そして,約1年2ヶ月の間に7回に渡る本件脅迫行為は執拗で悪質な犯行である上,被告人は恐喝未遂罪の同種前科や別罪の累犯前科があることなどから自省の念が不十分であるとして,懲役2年4月に処した事例。

高知地方裁判所 平成25年4月18日

 被告人らは,被害者に対し,共謀の上,被害者が暴力団員数名から借りた現金約1100万円の返済の名目で現金を喝取しようとした事案。
 恐喝行為の有無につき,被害者の証言の信用性に委ねられたが,被害者の供述や行動には不自然な点が多々あり,被告人らの説明に比して説得力に欠け,信用できないこと,1000万円単位の本件において被告人らが礼金を恐喝する動機がないことなどから,被害者は自己に都合の良い作り話をして,警察に保護を求めたものといえる。以上の事実は証拠に照らしても合理的に説明することができ,当時,被害者が自ら進んで債務整理を望んだ以上,被告人らが債務整理をしようとした本件行為は恐喝とみることはできず,被告人らは無罪であるとした事例。

横浜地方裁判所 平成24年11月30日

 被告人は,70歳の実母から,長年にわたり,乱暴な言動をするなどして多額の金を無心し,総額数億円の金をもらっていたという事案。
 被告人は,更に金を脅し取ろうと考えて,暴行や脅迫を行い,応じなければ自己の身体等にいかなる危害を加えられるかもしれないという畏怖を生じさせた。しかし,これらの暴行や脅迫は,実母が高齢であること,被告人と1対1となる場面があったことを考慮しても,反抗を抑圧するに足りる程度のものであったとは認められず,恐喝の手段としてのものにとどまるとみるのが相当であるとして,恐喝罪と認定した。そして,被告人と実母は直系血族であることから,刑法251条,刑法244条1項により被告人に対し,刑を免除した。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。恐喝罪で逮捕された場合,逮捕されてから勾留の決定が下されるまで最大で72時間,弁護人以外,家族であっても接見(面会)はできません。また,捜査機関の請求によって,裁判所が接見禁止を出す可能性もあります。
 弁護人は逮捕直後からの接見ができ,接見禁止が出されている場合でも,回数や日時の制限なく,警察官の立ち会いもなく接見することができます。
 また,早期段階において相手方との示談交渉を行なうことで,早期釈放や不起訴処分を獲得する可能性が高くなります。いずれにせよ,恐喝罪で逮捕されてしまったら,できる限り早く弁護士にご相談ください。

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