禁錮(禁固)と懲役|禁錮刑と懲役刑の違いや両者を一本化した新しい刑罰を弁護士が解説|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

禁錮(禁固)と懲役|禁錮刑と懲役刑の違いや両者を一本化した新しい刑罰を弁護士が解説

刑事弁護コラム 禁錮(禁固)と懲役|禁錮刑と懲役刑の違いや両者を一本化した新しい刑罰を弁護士が解説

禁錮(禁固)と懲役|禁錮刑と懲役刑の違いや両者を一本化した新しい刑罰を弁護士が解説

 法務省は,2021年9月27日,懲役刑と禁錮刑を一本化した新たな刑罰の創設に際して,名称を議論するために,意見交換会を開催しました。
 今後,懲役刑と禁錮刑とは異なる名称の刑罰が誕生することが予想されます。
 以下では,従来の刑罰類型の懲役刑と禁錮刑の違いなどについて解説してまいります。

禁錮と懲役刑の違い

 禁錮については,刑法第13条において,「禁錮は,刑事施設に拘置する。」と規定されています。つまり,禁錮とは,労務作業を伴わない身体拘束刑のことをいいます。
 一方,懲役については,刑法第十二条において,「懲役は,刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。」と規定されています。つまり,懲役とは,労務作業を伴う身体拘束刑のことをいいます。
 したがって,これらの定義からもわかるように,禁錮と懲役の最も大きな違いは,刑事施設内において,労務作業が義務付けられているかどうかであると言えます。

禁錮と懲役の刑事罰はどちらが重いか

刑事事件における罰則の種類

 刑の軽重については,刑法第10条,9条において,「主刑の軽重は,前条に規定する順序による。ただし,無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし,有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の2倍を超えるときも,禁錮を重い刑とする。」と規定されています。この規定から,懲役刑は禁錮刑よりも重いものと考えている方も多いようです。
 しかしながら,この規定はあくまで,刑法の規定上,刑の軽重を決めなければならない際に依拠する基準にすぎず,実態としても懲役が禁錮より重いということにはなりません。
 実際,禁錮受刑者が,労務作業を志願することが少なくありません。ですので,禁錮と懲役のどちらが重いか一概に判断することはできないのです。

禁錮や懲役が適用されるケース

 懲役のみが罰則として設けられている罪としては,殺人罪,強盗罪,強制わいせつ罪や強制性交等罪などがあり,これらはいずれも一般的に重大犯罪と考えられているものになります。
 一方,禁錮刑のみが罰則として設けられている罪は,内乱罪や私戦予備罪などあり,これらのような政治的犯罪に禁錮刑のみが規定されている傾向があります。

まとめ

 以上では,懲役刑と禁錮刑の違いについて解説してきました。今後新たな刑罰が創設される見通しとなっていますので,どういった名称の刑罰になり,その刑罰の内容はどういったものになるのか,注目する必要があります。

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