飲酒運転で逮捕されたら|飲酒運転の基準と罰則について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

飲酒運転で逮捕されたら|飲酒運転の基準と罰則について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

刑事弁護コラム 飲酒運転で逮捕されたら|飲酒運転の基準と罰則について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

飲酒運転で逮捕されたら|飲酒運転の基準と罰則について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

 2020年9月,元有名男子グループ所属の方が,いわゆる飲酒運転による追突事故を起こして逮捕され,その後罰金刑となりました。
 また,2018年には,元有名女子グループ所属の方が,いわゆる飲酒運転と信号無視,ひき逃げとの複数の罪を重ねた結果,懲役2年執行猶予5年の判決を言い渡されました。
 このようないわゆる飲酒運転をめぐる事件は,もちろん芸能人の方だけに限らない私たち全てに起こりうる,極めて身近な問題です。
 以下では,いわゆる飲酒運転をめぐる法律の規定や,飲酒運転により事件を起こしたり逮捕された場合について解説いたします。

飲酒運転とは

 いわゆる「飲酒運転」とは,法律上は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の二つに区分されます。酒気帯び運転及び酒酔い運転の基準は後述の通りです。
 また,罰則で説明しますが,「飲酒運転」に一定の関与をした者も,運転手と同様,刑事罰の対象となります。

飲酒運転の基準とは

酒気帯び運転の基準

 酒気帯び運転の基準は,アルコール濃度が「血液1ml中0.3mgまたは呼気1リットル中0.15ml」です(道交法117条の2の2第3号,道交法施行令44条の3)。
 呼気検知は簡易にその場で行えるので,医療行為を伴うような血液検査ではなく,通常は呼気検知が利用されます。
 つまり,呼気検知の結果が1リットル中0.15ml以上の場合には酒気帯びとなります。たとえ「自分は酒に強い」等の自覚があっても関係ありません。

酒酔い運転の基準

 酒酔い運転の基準には,明確な数値はありません。道交法117条の2第1号(あ)は,「飲酒の程度」として,「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」を定めています。実際には現場に臨場した警察官が運転手の状態を判断します。判断の際には,視点が合うか,呂律が回っているか,直立歩行が可能か,その他言動に不自然な点がないか等を総合的に判断します。なお,このような項目は,酒気帯びの際にもチェックされるのが通常です。

飲酒運転の処罰

 いわゆる飲酒運転の罪は昨今厳罰化の傾向にあります。安易な飲酒運転により凄惨な交通事故が相次いだためです。
 そのため,運転手だけでなく,同乗者や酒類を提供した者なども罰則の対象となります。以下,順に見ていきます。

運転手に対する罰則

 酒気帯び運転の罰則は,3年以下の懲役又は50万円円以下の罰金となります。また,酒酔い運転の罰則は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。その他,行政罰として,免許停止又は免許取消の対象となります。

車両提供者に対する罰則

 運転手に対する罰則と同様,酒気帯び運転の場合は,3年以下の懲役又は50万円円以下の罰金,酒酔い運転の場合は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。

酒類提供者またはすすめた者に対する罰則

 酒気帯び運転の場合は,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金,酒酔い運転の場合は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
 上記二例と比較すると減軽されていますが,依然として重い刑罰が定められていることが分かります。

同乗者に対する罰則

 運転手が酒気を帯びていることを知りながら依頼等し同乗した者にも,酒類提供者と同様。酒気帯び運転の場合は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金,酒酔い運転の場合は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
 なお,アルコールの影響により正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で人を死傷させた場合には危険運転致死傷罪が成立します。
 危険運転致死傷罪についてはこちらの危険運転致死傷罪に関する記事もお読みください。

酒気帯び運転等の禁止

道路交通法 第六十五条

 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
 2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
 3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し,酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
 4 何人も、車両(トロリーバス及び道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項,第百十七条の二の二第四号及び第百十七条の三の二第二号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
(罰則 第一項については第百十七条の二第一号 〔五年以下の懲役又は百万円以下の罰金〕,第百十七条の二の二第二号〔三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金〕第二項については第百十七条の二第二号〔五年以下の懲役又は百万円以下の罰金〕,第百十七条の二の二第二号〔三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金〕第三項については第百十七条の二の二第三号〔三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金〕,第百十七条の三の二第一号〔二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金〕第四項については第百十七条の二の二第四号〔三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金〕,第百十七条の三の二第二号〔二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金〕)

飲酒運転で事故を起こしてしまったら

 飲酒運転で事故を起こしてしまったら,気が動転したあなたは,すぐにでも現場から立ち去りたくなるかもしれません。ですが,そのような逃走行為は,罪を重ねるだけの愚かな行為です。現実に人が負傷していた場合には,生命の危険すら生じているかもしれないのです。
 事故を起こしてしまったら,必ず現場に留まり,直ちに110番通報を行いましょう。また,状況に応じて,119番通報や必要な救護措置を必ず取りましょう
 これらを怠った場合には,報告義務違反や救護義務違反等により更に刑罰が重くなる可能性があります。十分気をつけましょう。

交通事故の場合の措置

道路交通法 第七十二条

 車両等の交通による人の死傷又は物の損壊(以下「交通事故」という)があつたときは、当該車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ)は,警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

 (罰則 第一項前段については第百十七条〔三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金〕、第百十七条の三第一号〔一年以下の懲役又は十万円以下の罰金〕第一項後段については第百十九条第一項第十号〔三月以下の懲役又は五万円以下の罰金〕…

飲酒運転で逮捕されたら

 飲酒運転に関する罪で逮捕された場合,事案によって,その後10日間勾留され,身柄を確保され続ける場合があります。この勾留は,さらに10日間の延長も可能です。
 このような勾留を回避し,または少しでも短期に縮小するには,弁護士に依頼し,勾留や勾留延長の判断に対する不服申し立てを行う必要があります。また,その後の裁判を見据えた弁護活動にも早期に着手する事でより軽い処分を得られる可能性があります。
 もっとも,人として悪いことをした場合,特に被害者のおられるようなケースでは,被害者の方へ誠意を尽くすのが当然です。事故を起こしてしまった過去は変えられないのであれば,今後のことに全力を尽くすべきです。ただし,運転手側の方が直接にやり取りをするよりは,間に弁護士が入った方が精神的にも楽という面もあると思いますので,依頼を検討することをおすすめいたします。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。飲酒運転に対する厳罰化の傾向は依然として已みません。それ程に自動車は凶器となり得る危険な物であるということなのです。「飲んだら乗らない」を当然の理として徹底頂きたいと思います。

Pocket

「交通事故」に関する刑事弁護コラム

「交通事故」に関する解決実績

mail tel