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子供が犯罪者になったとき親の責任は? 弁護士が解説

子供の犯罪と親の責任

子供が犯罪を行ったからと言って、その罪に関して親も刑事責任を負うということはありません。江戸時代のような連座制は現代ではありません。民事上の責任は、犯罪者が未成年である場合には親が保護監督責任を負うことがありますが、刑事上は責任を負いません。

イギリスでは、少年非行に対する処分として、少年に対する社会奉仕命令とともに親にも子の監督命令が社会保護命令として出されることがあります(Parenting Order)。これは少年非行が主に親の監督状況や家庭環境に原因があるときなどに出されるものです。わが国でも検討すべき制度です。

いずれもしても、日本では、子供の犯罪や非行に関して親が刑罰や処分を受けることはないのです。ただし、司法過程の中で同じような機能を果たすこともあります。それは、次の三つの側面においてです。

刑事手続における親の関与

一つは、諸外国と違って、日本の裁判所では犯罪者の再犯可能性を重視しており、刑事手続の中で、様々な場面で親が関わります。

捜査段階では、犯行動機を解明する必要や日頃の生活状況の把握のために親に対する事情聴取が実施されることが多いです。その中で、事実上、親に対する説諭が行われることも少なくありません。

また、親が子供の刑事責任軽減のために情状証人として法廷に出頭し、今後の監督を誓約することもあります。その証人尋問の中で、検事や裁判官から家庭環境の問題や監督の甘さを指摘されることがあります。この親の証人尋問は、被告人である息子の目の前で行われるので、息子や娘もいたたまれなくなります。親に対して迷惑をかけたとの改悛の情も生まれます。

また、少年非行の手続きではより多く、親が巻き込まれていきます。家庭裁判所調査官のインタビューを受けたり、監督状況などに関する質問シートに回答し、提出したり、審判には親も出廷して審判官である裁判官から質問を受けることがあり、説諭されることもあるのです。

以上のような親の関わりは、親に対する刑罰ではなく、処分でもありませんが、負担であることは間違いなく、親にも反省を促して子供が再犯に陥らないように仕向ける効果がある法運用であることは間違いないです。欧米ではこのようなことはまずありません。

示談における親の役割

二つ目は示談において現れます。示談はあくまでも犯罪を起こした子供と被害者との示談ですから、親が示談に関わることは少ないのですが、示談金を実際に工面し、親として被害者に対する謝罪文を書くこともあります。

報道による親への影響

三つめは、報道の影響です。重大犯罪にあっては、マスコミが家に押し寄せることさえあり、紙面に子供の姓名が載ることでその親も社会上の不利益を受けざるを得ない場面も出てきます。

まとめ

このように、親は、その子の犯罪によって心理上、経済上、社会生活上の負担を大きく受けます。一方で、自分の愛する息子や娘が犯罪を起こしてしまったことで親は大きなショックを受け、被害者に対して子供の不始末をお詫びしたという気持ちとともに、子供の刑が少しでも軽くなって欲しいと願うのも親心です。

親はサポートを必要としています。多くの経験をもつ刑事専門家である弁護士にご相談下さい。

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