無罪を獲得できる弁護士とは
当事務所では、無罪獲得数が圧倒的に多く、他の法律事務所を引き離しています。
一部無罪や公訴棄却、少年保護事件の非行無しを含めるとその数は2025年7月時点で19件にも上ります。刑事裁判における無罪率は0.1~0.2%と言われているなかでこの数字は当事務所の刑事裁判能力の高さを示していると言っていいでしょう。
起訴・不起訴の判断をするのは検察官です。検察官は、公判において有罪に至るだけの十分な証拠を備えていると判断した場合のみ起訴します。そのため、わが国においては殆どの事件が有罪となってしまうのです。
実際には冤罪であっても、絶大な権力と膨大な人的資源を投入して行われる捜査によって有罪方向の証拠が多く収集された事件について、裁判所に無罪の心証を抱かせることは容易ではありません。無罪判決を獲得できる弁護士とはどのような活動をするのか、無罪に繋がる弁護活動における重要なポイントについて解説します。
無罪を獲得するための弁護活動のポイント
捜査段階での取調べへの適切な対応
無罪判決を得るためには、実は起訴される前の捜査段階から重要なことがあります。
それは、取調べで罪を認める旨の自白調書の作成を回避するということです。
逮捕当初は被疑者が否認していても、捜査機関が強引に自白を迫り、罪を認めさせるということは決して珍しくありません。
以前のように暴力を用いることまではないにしても、被疑者の人格を貶めたり、語気強く認めるように迫ったり、机を叩くなど荒っぽい言動を用いて自白を迫ることは残念ながら現代でも行われているのです。
一度自白調書を作成されてしまうと、検察官はその調書を公判において証拠調べ請求し、有罪の強い証拠として用いることができます。被告人が調書の内容と矛盾する供述を公判で述べても、信用性を否定されてしまうことが多いです。
ですから、取調べに対して、黙秘権を行使したり、供述するとしても供述調書に署名押印をしない方針を取ることで、自白調書の作成を回避する必要があります。
仮に強引な取調べによって自白調書を作成されてしまった場合には、その任意性や信用性に問題があることについて捜査機関に抗議書を提出し、記録に残しておくことで、公判において自白調書の証拠能力や信用性を争う余地を残すことが重要です。
また、弁護人において供述調書を作成し、捜査段階から一貫して否認の供述をしていたことの記録を残しておくことで、起訴された後に開示された証拠に併せて虚偽の供述をしているのではないかとの疑念を払しょくすることも可能です。
このように起訴前の捜査弁護で、取調べにおいて適切な対応をすることで、嫌疑不十分を理由とする不起訴に繋がることもあり、仮に公訴提起されたとしても公判で自白調書によって有罪を言い渡されるリスクを回避することができます。
公判前整理手続を利用した幅広い証拠開示
無罪判決を得るには、検察官の主張する有罪を前提とした事実関係に対して、その立証が失敗していることや、無罪に繋がる別の事実関係が存在する合理的な疑いの存在を主張する必要があります。
そのためには、検察官が捜査段階で収集した膨大な証拠を可能な限り入手し、有罪立証と矛盾した証拠や、無罪に繋がる手がかりを検討する必要があります。
起訴後、検察官は、弁護人に対して、まずは検察官が公判において証拠調べ請求を予定している証拠しか開示しません。これらの証拠は、公判において有罪を立証するために検察官が手持ち証拠から選別した証拠です。そのため、これらの証拠だけ眺めていても、無罪に繋がる情報を得られることは基本的にありません。
重要なのは、検察官請求証拠以外の検察官の手持ち証拠を多く開示させるということです。
一部の重大事件について行われる裁判員裁判を除き、通常の刑事裁判手続においては、検察官がこれらの手持ち証拠を開示する法的義務はありません。弁護人の請求に対し、検察官が任意に証拠を選別して開示するという運用がなされています。
しかしそれでは、検察官が自身に不利な証拠を任意に開示しない可能性があります。また、事件によっては警察から検察に送致されていない証拠の中に、無罪に繋がる重要な証拠が隠されている場合もあります。
そこで、公判前整理手続と呼ばれる、公判の前段階の証拠と主張整理の手続を請求し、法定の証拠開示制度を利用することが重要です。
公判前整理手続においては、一定の証拠について検察官に証拠開示の義務があり、通常の刑事裁判手続よりも幅広に証拠開示を受けることができます。検察官の手持ち証拠の一覧表を得ることもできるので、明らかに捜査機関が証拠収集をしているのに一覧表に記載がない場合には、警察に未送致の重要な証拠が眠っている可能性に気付くこともできます。
幅広な証拠開示を受け、検察官立証を争うなるべく多くの材料を獲得することが無罪判決のための戦略を練るうえで重要です。
現地調査・専門家への聴取など弁護側独自の証拠収集
検察官は膨大な捜査権限を持っていますが、だからといって事案の真相に繋がる証拠を全て適切に収集しているわけではありません。時には、有罪方向の証拠だけを収集し、無罪に繋がる証拠については十分に収集・検討していないということもあります。
被疑者・被告人から虚心坦懐に事実関係を聴取するのは弁護人の重要な役割です。彼らの言い分をもとに事件現場に赴くことで、捜査機関が見落としている重要な情報に気付くことがあります。
また、責任能力が問題となる事案や、小児に対する虐待が問題となる事件、殺人事件や傷害致死事件で死因が問題となる事件では、精神医学、脳神経外科学、法医学といった医学的な事項が問題となります。検察側は、自らに有利な意見だけを専門家から得ていることが珍しくありません。弁護側が独自に専門家を探して意見を聴取すると、全く別の無罪に繋がる意見が得られることがあります。そのような場合には、医師に意見書や鑑定書の作成を依頼し、必要があれば法廷で証人として証言をしてもらうことで、検察側の専門家立証に対抗することができるのです。
膨大な証拠の緻密な検討と戦略の策定
無罪判決を得るには、法廷に顕出される証拠を、無罪という立場から全て説明できなければなりません。
既に述べたように、検察側は有罪を得られると確信できる事件しか起訴しません。ですから、無罪と考えると説明が難しいような証拠や供述が検察官の請求証拠には必ず含まれているのです。
殺人事件において冤罪を主張する事件で現場から被告人のDNAが検出されているとか、性犯罪において性行為の同意を主張する事件で被害者とされる女性が乱暴に性行為をされたと供述しているような場合が典型例です。
そのような不利な証拠が、真実が無罪であっても十分に説明できることを、他の証拠を含めて幅広く検討して、裁判所を説得するための戦略を構築することが重要なのです。
反対尋問・最終弁論などの高度な法廷技術
どれだけ緻密な戦略を構築しても、法廷でそれを実現し、実際に裁判所に無罪の心証を抱かせるには、高度な法廷技術が必要不可欠です。
証拠を検討して、例えば被害者とされる女性が家族や捜査機関の影響を受けた事後的な記憶の変容から虚偽の供述をしているといった戦略を立てたとしても、女性の証人尋問や最終弁論において裁判所にその心証を抱かせなければ、弁護側の戦略は机上の空論に終わります。
法定での弁護活動では、証人や裁判官・裁判員の法廷における心の動きを洞察し、反対尋問において求める供述を引き出したり、最終弁論において説得的なプレゼンテーションを行ったりするために、弁護人が法廷で語る一語一句にこだわる高度な技術と鍛錬が求められます。
当事務所で無罪判決を獲得した解決実績
まとめ
以上のように、無罪判決を得るには、膨大な証拠を幅広に収集し、緻密な戦略を立て、高度な法廷技術によって裁判所に無罪の心証を抱かせるという刑事手続における専門的な技術が要求されます。
中村国際刑事法律事務所の弁護士は、刑事事件の豊富な経験と日頃の修練により、無罪判決を得るための高度な技術を磨き、実際に多くの無罪判決を獲得してきました。
冤罪事件でお困りの方は、是非とも当事務所にご相談ください。