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駅でのトラブル!駅員に暴行を加えて逮捕されたら

学校や会社で嫌なことがあってイライラしていた、飲み会帰りに酒に酔って気が大きくなってしまった、そのようなタイミングで駅員に注意されるなどし、つい暴力を振るってしまう、という事件は少なくありません。特に、忘年会や新年会シーズン、会社の歓送迎会シーズン、学生の入学・卒業シーズンには、飲酒後の帰り道、駅員との間でトラブルを起こしてしまうケースが増えます。

今回は、駅員に暴行をしたことで警察沙汰になり、まさに被疑者として捜査対象になっている方、あるいは、駅員に暴行をした容疑で家族が逮捕されてしまって不安な思いをしている場合や、他にも泥酔した帰り道、ホームで駅員に暴行をしてトラブルになったような記憶があるがそのまま逃げてきてしまい、もしかしたら今後警察から呼び出されたり、逮捕されたりするかもしれないとお思いの方へ、駅員への暴行はどのような罪に問われるのか駅員への暴行で家族が逮捕された場合にはどうすればよいか暴行事件の早期解決のために必要な弁護活動は何かなどを弁護士が詳しく解説していきます。

駅員への暴行はどのような罪に問われるか

駅員に対して、殴る・蹴る等の暴行を加え、駅員が怪我をしなかった場合には、暴行罪(刑法208条)というものが成立します。「暴行」とは、人の身体に向けた不法な有形力の行使をいいます。
例えば、殴る・蹴る以外にも、身体を押す腕や胸倉をつかむ駅員に向かって何かを投げつけたり振り回したりする唾をかける、なども「暴行」にあたります。暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金または拘留、科料となります。

駅員に対して暴行を加え、駅員が怪我をしてしまった場合には、傷害罪(刑法204条)が成立します。傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
なお、駅員に対して暴行を加え、駅員が亡くなってしまった場合には、傷害致死罪が成立することになります(刑法205条)。傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役で、通常の裁判とは異なる、裁判員裁判によって裁かれることになります。

駅員に対して暴行を加えることは、駅員の業務を妨害することにもなりますので、威力業務妨害罪(刑法234条)が成立する可能性もあります。威力業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

地方自治体が運営している鉄道会社の駅員は、公務員となりますので、公務員である駅員への暴行は、威力業務妨害罪ではなく、公務執行妨害罪(刑法95条1項)が成立する可能性があります。公務執行妨害の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金です。さらに、駅員に対する暴行により、電車の往来の危険が生じた場合には、往来危険罪(刑法125条1項)が成立する可能性もあります。危険往来罪の法定刑は、2年以上の有期懲役です。

駅員への暴行で家族が逮捕されたら

駅員への暴行で逮捕される場合としては、暴行を行ったその場で、その場にいた人や駆けつけた警察官から現行犯逮捕される場合が多いですが、後日、逮捕状をもった警察官に通常逮捕されるという場合もあります。

逮捕された場合には、警察署内の施設である留置場にとめ置かれます。その後、逮捕から48時間以内に警察署から検察庁に身柄が送られます。そして、検察官は、身柄が送られてから、24時間以内に、①さらなる身体拘束を行うために、裁判所に対して、被疑者の勾留を求める請求をするか②被疑者の勾留を求める請求をせずに釈放するかを決定します。

「勾留」とは、比較的長期間身柄を拘束する裁判とその執行のことをいいます。検察官により勾留が請求された場合は、裁判官が被疑者に対して質問を行う手続(勾留質問)を経た上で、裁判官により、勾留するかどうかの決定がなされます。裁判官は、法律上、被疑者が犯罪を行った疑いが認められるか被疑者による罪証隠滅のおそれがあるか、被疑者が逃亡する危険があるかという点から、被疑者の身体を引き続き拘束するべきかどうかを検討し、検察官の勾留請求を認めるか否かの判断を行います。

これらの判断により、裁判官によって勾留決定がなされた場合には、最大で勾留が請求された日から数えて10日間身体拘束されることとなり(さらに最大で10日間勾留期間が延長されることもあります)、それまでに、捜査機関が必要な捜査を行い、検察官が起訴をするかどうか決定します。このような手続きにより、逮捕されるとまず約3日間の身体拘束がなされ、さらに、勾留決定が認められてしまうと、約20日間の身体拘束がなされることになります。

駅員への暴行で逮捕された時に家族ができること

逮捕されてしまうと、家族はすぐに本人と話すことができません。なので、一刻も早く本人の状況を確認するためには、弁護士に接見を依頼し、本人から話を聞き取ってきてもらうことが必要です。
どんな容疑(被疑事実)で逮捕されたのか、身に覚えのあることなのか違うのか、等の事件に関する話はもちろん、逮捕されたことで会社や学校に行けない可能性が高くなりそうな場合には、誰に休む連絡をするのが良いか、何か手続をする必要があるのか等、本人にしかわからない事項を弁護士が代わりに確認することもできます。また、一度捜査機関により調書が作られてしまうと、その調書の内容を後から覆すのは困難になります。そのため、取調べの際にはどんな対応をすべきか、弁護士からアドバイスをもらうことが大切になります。

また、日常生活を取り戻すためには、身体拘束からの解放、つまり、勾留を回避するための活動を弁護士に依頼することが必要です。先ほど説明した通り、勾留されてしまうと、約10日間、もしくは勾留が延長されて約20日間の身体拘束を受けることになります。勾留中は、家族と会えない、もしくは会える時間が1回の面会で15分~20分と大きく制限されてしまいます(しかも面会が可能なのは、平日の日中のみです)。

そして、会社や学校に行くこともできないため、大事な会議に出られなかったり、試験を受けることができなかったりするうえ、勾留が続くと、職を失ったり、留年・退学となる危険性もあります。また、持病があったとしても、勾留中には普段飲んでいるものと同じ薬を出してもらえるとは限らず、適切な処置をしてもらえない可能性もあります。例えば、閉所恐怖症の人にとって、留置場の閉鎖的な空間はとても耐えがたいとも聞きます。

先ほど、勾留するか否かの判断は、法律上、被疑者が犯罪を行った疑いが認められるかという点に加え、被疑者による罪証隠滅のおそれがあるか、被疑者が逃亡する危険があるかという点から、被疑者の身体を引き続き拘束するべきかどうかを検討すると説明しました。そこで、勾留を回避するためには、罪証隠滅のおそれと逃亡のおそれを低減させるため、本人の生活環境を整える必要があります。

例えば、罪証隠滅のおそれを低減させるためには、被害者である駅員や事件の目撃者等と接触する可能性を減らすため、使う駅や、可能であれば使う路線そのものを変えたりすることが考えられます。逃亡のおそれを低減させるためには、本人が釈放後も警察や検察の取調べに応じると誓約したり、家族が身元引受人となって本人が逃亡しないように監督すると誓約したりすること等が考えられます。さらに、勾留がなされることで、例えば、会社、学校、家庭、本人の健康等に、どのような不利益が生じるか、ということを検察官や裁判官に伝えることも必要です。
このような環境調整等は、身体拘束下にある本人だけでは困難ですし、家族が検察官や裁判官と話をすることも現実的ではありません。刑事事件に精通している弁護士であれば、勾留を回避するために何を準備し、検察官や裁判官に何をどのように伝えることが必要か、迅速に判断して活動することができるのです。

正当防衛の主張は認められるのか

正当防衛(刑法36条1項)とは、他人の違法な行為によって、自分やその周りの人の身体等に対する危険が差し迫り、反撃行為に出ることが正当化される緊急状態にあること、をいいます。
つまり、駅員が通常の業務をしている場合、例えば、駅員が電車内やホームで寝ている乗客を起こしたり、ホームでの整列を促すために乗客に注意をしたりするなどの場合には、「他人の違法な行為」とは言えません。また、駅員のこのような通常業務に対して腹を立てて暴行した場合等には、自分の身体等を守るために反撃行為をしたとはいえず、その行為が「正当化される」状態にあるとは言えません。このように、駅員に対する暴力が正当防衛であるという主張を通すのは難しいものであると考えられます。

もっとも、駅員の行為が通常の業務とは言えないような場合、例えば、こちらが何もしていないにもかかわらず、駅員が突然殴りかかってきたため、やむを得ず反撃行為をした等の特別な場合には、正当防衛の主張が認められる余地があります。正当防衛の主張が認められるかどうかは、法律の専門知識がないと判断するのは難しいため、刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

暴行事件の早期解決のための弁護活動とは

本人が逮捕されてしまった場合には、できるだけ早く弁護士に依頼をし、勾留を回避し、身体拘束からの早期解放を目指すことが必要です。駅員に暴行をしたがそのまま逃げてきてしまった、というように、まだ警察沙汰になっていない場合には、今後逮捕される可能性もありますので、弁護士と一緒に自首をして逮捕回避を目指す、という選択肢もあります。

また、前科がつくことを避けるためには、被害者である駅員との示談をすることが必要になってきます。駅員との示談において、通常の被害者の示談と異なる注意点があるのですが、それは、示談に応じるか否かは、駅員個人の判断で決めることができる場合もあれば、駅員個人の判断だけではなく、鉄道会社の方針や意向を踏まえる必要がある場合もある、とういうことです。もっとも、鉄道会社の方針として示談に応じないという場合であっても、粘り強い交渉によって示談が成立する可能性も0ではありません。なお、駅員に示談に応じてもらえなかった場合であっても、贖罪寄付を行う等、検察官に対して反省の気持ちを形で示すことで、処分を決める際に考慮してもらえることもあります。

さらに、再犯防止策が講じられていることも、検察官が処分を決める際に重視されます。アルコールを飲んで暴行事件を起こしてしまったという方は、アルコール依存症、もしくは、アルコール依存症とは言えなくとも、アルコールとの付き合い方に問題がある方が多くいらっしゃいます。そのため、アルコール依存専門のクリニックへの通院や、アルコール依存症で悩む人のためのグループミーティングに参加し、アルコールとの付き合い方を考えていくことが必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「駅員に暴行をしてしまった」という事実自体を消すことはできませんが、刑事事件に精通している弁護士に相談をし、きちんとした対応をとることで、身体拘束や前科がつくのを避けることができ、日常生活への支障を最小限にすることができる可能性があります。

駅員に暴行をしてしまった方、あるいは、駅員への暴行によって家族が逮捕されてしまった方は、今後の対応を考えるためにも、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
私達弁護士に、少しでも不安を取り除き、今後の生活を守るお手伝いをさせてください。

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刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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