SNS誹謗中傷被害でお悩みの方へ|SNS誹謗中傷被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説|刑事事件に強い元検事弁護士が強力対応

SNS誹謗中傷被害でお悩みの方へ|SNS誹謗中傷被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

刑事弁護コラム SNS誹謗中傷被害でお悩みの方へ|SNS誹謗中傷被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

SNS誹謗中傷被害でお悩みの方へ|SNS誹謗中傷被害について元検事率いる中村国際刑事の弁護士が解説

 昨今,インターネット上や会員制交流サイト(SNS)上での誹謗中傷被害に苦しむ方は増加の一途を辿っています。2020年5月,Twitterなどを利用した誹謗中傷被害に悩んでいた有名人の方が亡くなったことを受けて,2020年5月26日,高市早苗総務相は,同日の記者会見で「匿名で他人を誹謗中傷する行為は人としてひきょうで許しがたい」などと指摘し,SNS上の誹謗中傷記事の発信者の情報開示を容易にするなどの制度改正を含めて対応する考えを表明しました。また,同日,Twtter Japan,LINE,Facebook Japanなどを含むSNS事業者団体は,SNS上での誹謗中傷被害対策を強化する内容の緊急声明を発表するに至っています。
 SNS上の匿名による誹謗中傷に対しては,泣き寝入りすることなく,勇気を出して声を上げていくことが重要です。この記事では,SNS上の誹謗中傷に関する現状の法制度や,SNS上の誹謗中傷に対してどのような法的手段を取ることができるのかなどを説明していきます。
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SNSでの誹謗中傷とは

 SNS上での誹謗中傷とは,インターネットなどを利用して,他者に対し心無い暴言を書き込んだり,他者の実名や住所,勤務先などの個人情報を書き込んだりすることなどをいいます。いずれも,インターネットを利用する限り誰にでも起こり得る被害といえます。

SNSでの誹謗中傷例

 SNS上での誹謗中傷被害の例は多岐にわたります。一例を以下にあげます。

  • 例1 SNS上の個人アカウントに対し,「死ね」「ガソリンをまいてやる」「会社に通報してやる」「生きている価値がない」などの攻撃的な内容のコメントが一つ又は複数回投稿された。
  • 例2 SNS上での投稿内容から,個人名や学校名,勤務先の会社名などが特定されてしまい,本人の気づかないうちにSNS上で拡散されてしまった。
  • 例3 SNS上の個人アカウントが何者かに乗っ取られてしまい,乗っ取られたアカウントが他人を攻撃するような内容の投稿をした。

 SNS上の投稿は,一見すると匿名であるため,被害を受けた方は「見えない相手」からの攻撃に苦しみ続けることになるのです。

SNSでの誹謗中傷の種類・基準

 SNSでの誹謗中傷が違法となる基準は,人の権利を侵害するか否かです。
上の例1でいうと,「死ね」などの攻撃的な書き込みは,個人として尊重されるべき人格権を侵害する行為といえます。刑法上の侮辱罪などに該当する可能性があります。
 ここでいう「他人」とは,人だけでなく,会社などの法人も含みます。
 たとえば上の例1や例2において,勤務先の会社の情報が拡散されたり,会社に対して無言電話などを掛けたような場合には,当該会社の名誉が毀損されたり,業務が妨害される可能性があり,会社に対する名誉棄損罪や業務妨害罪などに該当する可能性があります。
 その他,特例法などで行為自体が禁止されているものがあります。上の例3のようなアカウントの「なりすまし」行為は,不正アクセス行為として,後述する不正アクセス行為の禁止等に関する法律によりそのような「なりすまし」行為自体禁止されているのです。

SNS上の誹謗中傷に関する法令について

 SNS上の誹謗中傷に関する法令としては,「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(いわゆるプロバイダ法)」があります。

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(いわゆるプロバイダ法)について

趣旨

 この法律は、掲示板、SNSの書き込み等によって権利の侵害があった場合に、プロバイダ、サーバの管理・運営者等の損害賠償責任が免責される要件を明確化するとともに、当該プロバイダに対する発信者情報の開示を請求する権利を定めた法律です。

 法律の中核となる条文は,第3条(権利侵害情報の削除)及び第4条(発信者情報開示請求)です。

第3条(権利侵害情報の削除)

 第3条では,SNSの書き込み等により権利が侵害された被害者から情報の削除の申出があった場合において,プロバイダ側において,①他人の権利が侵害されていると信じるに足る相当の理由があった場合,または,②削除の申出があったことを発信者に連絡して7日以内に反論がない場合は,プロバイダ側が当該情報を削除できることとされています。もっとも,被害者からの削除の申出がある場合でも,プロバイダ側が,①他人の権利が侵害されていることを知っていたとき,または,②他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるときを除いて,プロバイダ側は削除をしなくても責任を負わないと規定されています。なお,権利が侵害されたと主張する被害者が公職の候補者等である場合には特例が設けられています。

第4条(発信者情報の開示情報)

 第4条は,発信者の情報開示請求に関する規定です。①問題となっている権利を侵害する内容の情報(書き込みなど)の流通によって請求者(被害者)の権利が侵害されたことが明らかであること,②損害賠償請求の行使その他開示を受けるべき正当な理由があること,の両要件を満たした場合,請求者(被害者)は,プロバイダ側に対して,発信者情報の開示を請求することができるとされています。開示される情報は,法務省令で定めらており,発信者の氏名,住所,メールアドレス,発信者のIPアドレスまたはIPアドレスと組み合わされたポート番号,携帯端末のインターネット接続サービス利用者識別番号,SIMカード識別番号,発信時間(タイムスタンプ)などです。なお,開示に応じないことによる損害については,プロバイダ側に故意または重過失がなければ免責されます。
 このような内容の発信者情報開示請求制度については,冒頭で述べた通り,今後法改正によりより利用が容易となる可能性があるので,今後の法改正の動向が注目されます。

その他問題となりうる法令

 SNS上の誹謗中傷行為に対しては,その他,刑法上の以下の犯罪や,不正アクセス法違反に問える可能性があります。

名誉棄損罪(刑法第230条1項)

 
 刑法第230条第1項
 公然と事実を摘示し,人の名誉を毀損した者は,その事実の有無にかかわらず,三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 「公然」とは不特定又は多数の人が認識しうる状態をいい,「事実の摘示」とは人の社会的評価を低下させるような事実であれば公知の事実でも構わないとされています。また,「摘示」の方法も問わず,被害者の方がそれを事実として受け取る可能性がある限り,噂や風評の形でもよいとされています。
 なお,第2項において,公共の利害に関する事実に係り,その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合で,摘示した事実が真実であることの証明があった場合の免責規定が設定されています。

侮辱罪(刑法第231条)

 刑法第231条
 事実を摘示しなくても,公然と人を侮辱した者は,拘留又は科刑に処する。
 事実の摘示がなくとも,人に対する侮辱的な価値判断を表示(「侮辱」)した場合には,侮辱罪が成立し得ます。

その他にも以下の犯罪が成立する可能性があります。

脅迫罪(刑法第222条)

 刑法第222条第1項
 生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

信用毀損罪又は業務妨害罪

 刑法第233条
 虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の信用を毀損し,又はその業務を妨害した者は,三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス法違反)

 ネットワークを経由してアクセスが制限されているコンピュータに対し,その正規の利用者である他人のIDやパスワードを無断で乳六するなどの「不正アクセス行為」は「何人も」「してはならない」とされています(第3条)。
 不正アクセス行為の目的で他人のパスワードを取得したり,不正に保存したり,不正に入力などした場合には,一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金(第4条ないし第7条,第12条)が定められています。

SNS誹謗中傷被害の相談窓口・支援センター

 SNS上の誹謗中傷被害については,以下の相談窓口があります。

警察庁各都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口

警察相談専用電話窓口「#9110」

 発信地情報などから管轄する各都道府県警察本部等の総合相談窓口に直接繋がります。

SNS誹謗中傷被害のご相談は弁護士へ

 SNSなどで誹謗中傷被害にあったときは,我慢せず,法的措置を検討するなどの毅然とした対応を取ることが重要です。

SNS誹謗中傷被害で弁護士ができること

 弁護士に依頼することで,以下の手段を取ることができます。

記事の削除及び発信者の特定

 上述のプロバイダ責任制限法第3条及び第4条に基づき,当該記事の削除及び発信者の特定を求めます。必要に応じ,裁判前の早期の段階において権利侵害状態を回復する仮処分手続を行います。

発信者に対する民事訴訟

 発信者特定の後,発信者に対し,被害者の方の被った精神的苦痛に対する慰謝料などを求める損害賠償訴訟を提起することができます。

発信者に対する刑事告訴

 発信者の特定を待たず,必要に応じ,捜査機関に対し,SNS上の誹謗中傷被害を申告するという告訴を行うことも可能です。

SNS誹謗中傷被害でお悩みの方へ弁護士からメッセージ

 一見すると「見えない相手」のように思える発信者でも,発信者情報開示請求による情報提供を受けることで,毅然とした法的対応を行うことが可能です。
 誹謗中傷被害に苦しんでいらっしゃる方は,どうか一人で悩まず,まずは弁護士にご相談ください。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。SNS上の誹謗中傷被害に遭われた方に対して,私たち弁護士ができることは沢山あります。被害に悩んでいらっしゃる方は,いつでもご相談ください。

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