サマーアソシエイト 参加者感想文 A.Kさん(2016年)(東大ロー在学)|刑事事件の中村国際刑事法律事務所

サマーアソシエイト 参加者感想文 A.Kさん(2016年)(東大ロー在学) サマーアソシエイト 参加者感想文 A.Kさん(2016年)(東大ロー在学)

サマーアソシエイト 参加者感想文 A.Kさん(2016年)(東大ロー在学)

 私は法学部在学中より刑事事件に興味があり,学部でも法科大学院でも刑事系科目に力を入れて学習してきました。刑事弁護の実務はどのようなものか,それを学ぶため,今年度のサマーアソシエイトに参加させていただきました。
 私の参加した第6タームは,2日目と3日目に模擬裁判合宿が組み込まれているという,他に類を見ない研修プログラムでした。模擬裁判では右陪席裁判官役ということで,勿論,事前には起訴状しか見せてもらえずに合宿地へと向かいました。法科大学院でも刑事模擬裁判を履修していましたが,このような短期間で全手続きを体感するのは初めてのことで,証拠を厳選することや,目的のわかりやすい尋問をすること,シンプルでメリハリある論告・最終弁論をすることの大切さを学びました。また合宿中には事務所の先生方や他の期のサマーアソシエイト生と親睦を深めることができ,その後の研修がより楽しく円滑なものとなりました。
 合宿以外にも,貴重な経験を数多くさせていただきました。
 勾留決定に対する準抗告申立書起案の補助では,勾留理由をなからしめる主張に必要な情報を,短時間で獲得し,短時間でまとめ上げることが必要とされること,そしてそれがいかに難しい作業であるかを痛感しました。申し立てが容れられたときの喜びの大きさを味わうと共に,もたもたしていると1日また1日と被疑者の身体拘束が延びていく,そんな刑事弁護人の負う責任の重さを目の当たりにしたアサインでした。
 また事務所の先生方が担当されている事件期日を傍聴させていただいたり,現場検証に立ち会わせていただいたりと,事務所外で過ごす時間が比較的多かったのも印象的でした。実際の審理を見ることで,公判手続や異議の述べ方,尋問の仕方,最終弁論の方法について,リアリティをもって学ぶことができました。辛口の訴訟指揮を行う裁判官の面前で,堂々と,説得力・感銘力ある最終弁論をなさっていた先生のお姿がとても心に残っておりますし,検察官の不分明な尋問に中村先生がすかさず有効に異議を出されたことで,検察官のその後の尋問の目的の不明確さが浮き彫りになったことも良く印象に残っております。机上で参考書を読むなどするだけでは,これほど記憶に刻まれることはないかと思います。
 他にも,英語を用いた研修の存在が,NICDサマーアソシエイトの特徴であったと思います。最初の週には,ネイティブスピーカーの先生によるレッスンを受けることができました。英語学習の何たるかから丁寧に教えていただき,無料で入手できる自習教材の情報を沢山提供していただきました。2週目には同先生を被疑者役に,模擬英語接見を初めてやらせていただきました。日本語ですら上手くいかない接見を,英語でというのは非常に骨が折れましたが,何が足りなかったのかきちんとフォローしてもらい,今後の英語力鍛錬の意欲が格段に高まりました。またレッスンとは別に,中村先生から英語のメモ作成のアサインもいただきました。文献リサーチの結果を反映させながら,先生方のお力添え・チェックをいただき,四苦八苦しながらも作成しました。最終的には私の英文は殆ど跡形もなくなってしまい情けなくも思いましたが,ともかく苦労して取り組んだ経験が,後の学習意欲につながっております。
 貴重な経験だったのは,研修コンテンツだけではありません。弁護士の先生方やスタッフの皆さんの面倒見の良さ・丁寧さも,大変有難いものでした。
 ご多忙にも関わらず,サマーアソシエイト生一人ひとり個別に時間を割いてアサインのフィードバックを下さったことは,感謝に堪えません。また,アソシエイトの先生方勢揃いで実施し講評を下さった模擬接見研修は,なんとも豪華な体験でした。複数の先生方にご指導いただくことで,弁護士としてお持ちになっている共通認識のようなものが透けて見え,大変勉強になりました。
 また,どんなに下らない質問や,手のかかる要望にも,嫌な顔一つなさらずにご対応下さったスタッフの皆様には,本当に頭が上がらず,感謝しております。スタッフの方のアドバイスがきっかけで,課題解決につながったことも1度ならずありました。
 加えて,事務所に寄せられた案件がどのように取り扱われていくのか,その過程を近くでつぶさに観察させていただけたことに感謝申し上げます。課題に取り組む上でも,自分が今取り組んでいる課題が,どのような事案の,どの過程に,どう役立つのかがよく分かり,非常に大きなやり甲斐を感じました。そしてこのような観察を通して,NICDが標榜なさっている組織的・戦略的な弁護活動が,確実に実現されてゆく様がよく分かりました。検察に負けない組織力が,NICDの事件の取り扱い手法によって裏打ちされていると感じました。
 このように今回のサマーアソシエイトでは,参加前には思いもかけなかった経験を沢山させていただきました。どれも得難い経験ばかりで,応募を決意して正解だったと心から思っております。今回の経験を大いに参考にさせていただき,まずは来年の司法試験に向けて全力で精進してまいります。本当にお世話になり,ありがとうございました。

Pocket

公開日: 更新日:

「採用情報」に関するインタビュー/感想文