サマーアソシエイト 参加者感想文 A.Sさん(2014年)(早稲田ロー卒)
私は,平成26年6月16日から同月27日までの約2週間,サマーアソシエイトとして,NICDでお世話になりました。
以前,私は約半年間,アルバイトスタッフとして,NICDで働いており,弁護士の先生方が弁護活動していらっしゃる様子を目にすることが多かったので,機会があれば,サマーアソシエイトという立場で,実務の世界に少しでも触れてみたいなと思っておりました。ですから今回,アルバイト枠としてサマーアソシエイト採用していただけたことは,非常に嬉しかったです。と同時に,できるかぎり多くのことを吸収し,かつ,先生方のお仕事を邪魔しないように業務に励まなければならないと思いました。既に数名の先生方と面識がある以上,初日はかえって緊張したのを覚えています。
NICDのサマーアソシエイトプログラムは,初日に中村先生からアサインという名の課題が与えられ,その後,適宜に課題が追加されていくという内容になっています。アサインの内容は,保釈請求書・冒頭陳述要旨等の各種法律文書の作成からリサーチに至るまで,バラエティに富んだものですが,どれも手強いものばかりなので,この2週間はアサインの締切りと,文字通り戦っておりました。締切りまでに提出できたとしても,再度書き直しをして提出するよう求められることが多々ありましたので,その際は周りのアソシエイトの先生方にサポートしていただきながら,書面を作成していました。ゼロから起案する時は最も苦労しましたが,一旦提出して中村先生から添削していただくと,自身が書くべき書面の方向性が次第に見えてくるので,第2案,第3案…と作成していく度に,作業自体はテンポの良いものになっていきました。
特に私が苦労したのは,上告趣意書の作成でした。原審の記録や関連判例全てに目を通さなければいけないのですが,この記録というのが膨大な量だったので,他のアサインを片付けながらでの作業は非常に難航しました。
ただ,実際のところ,NICDの先生方は多くの案件を抱えながら,同時並行的に様々な書面を作成し,弁護活動をなさっているわけです。このような作業を楽々とこなせなければ,到底実務の世界ではやっていけないのだなと,しみじみ感じました。そのためには,当然ある程度の体力も必要になるわけで,心身共にベストな状態を保つという基本的なことの大切さにも,改めて気付くことができました。
その他には,先生方が担当なさっている事件の公判の傍聴,模擬接見・模擬面談,さらにNICD専属のネイティブの英会話講師による英語での模擬接見等に,出席させていただきました。過去にアルバイトをしていたとはいえ,先生方の弁護活動の実際までは理解していなかったものですから,現実に法廷や事務所内で業務に励んでいるお姿を間近で拝見することができて,非常に興味深かったです。法曹になりたいという自身のモチベーションを,より一層高めることができました。
この2週間,毎日が充実していたため,あっという間にサマーアソシエイト期間は終了しました。当初の目的通り,刑事弁護実務の世界に触れることができたので,大変満足しております。また,中村先生をはじめ,本来の業務があるにもかかわらず,嫌な顔ひとつせずにアドバイスして下さったアソシエイトの先生方には,大変感謝しております。非常に勉強させていただきました。本当に有難うございました。
NICDの益々の御発展を,心よりお祈り申し上げます。