サマーアソシエイト 参加者感想文 Y.Kさん(2014年)(一橋ロー卒)
NICDでお世話になった2週間は,大変濃密で,毎日が学びの連続でした。サマーアソシエイトとしての活動は,大きく事務所内での書面作成業務と,裁判傍聴や関係機関訪問といった課外業務に分けることができると思います。すべての経験を書き切ることはできないので,以下では,それぞれについて特に印象に残っている点を挙げたいと思います。
まず,書面作成業務という点では,中村先生や,指導担当である岡本先生からいただいた,アサインに基づいて,弁論要旨や意見書等を起案し,添削していただきました。先生方はどの起案も丁寧に添削し,コメントをしてくださりました。そして,自分の起案と,実際の先生方の起案を見比べてみると,仮に同じ事実を捉えている場合でも,構成や評価の仕方がまったく異なり,愕然としました。起案が上手く行かずに,頭を抱えることもありましたが,事実の切り込み方や説得的な評価の仕方を学ぶ大変貴重な経験となりました。
次に,課外業務としては,弁護活動に必要な情報を医師から聞き取るため,病院に同行させていただきました。医師に直接話を聞くことは,被疑者被告人の現状をよく知ることができるだけでなく,弁護活動から福祉へ繋ぎ,より被疑者被告人の更生に資する弁護活動を行う契機にもなるのではないかと感じました。また,尋問テストに参加させていただいた事件の,実際の裁判傍聴をさせていただく機会もありました。どれもこれも普段は得難い経験であり,大変勉強になりました。
最後に,サマーアソシエイトとしての活動を通じて,NICDは刑事弁護のプロ集団であるということを,強く再認識しました。先生方と,事務員の方々の関係性は,私のイメージする検事と検察事務官の関係性と似ていて,普段のスピード感あるやりとりや,お互いの信頼関係の下活き活きと働いていらっしゃる姿を拝見し,感銘を受けました。このような素晴らしい環境があるからこそ,無数に舞い込んでくる事件に迅速かつ適切に対応することができるのだということを実感しました。
NICDで学んだことを胸に留め,必ず修習や実務で活かしたいと思います。2週間ありがとうございました。