友人のクレジットカードを借りて買い物をしてしまいました。友人から許可を得ていても,詐欺罪になりますか。
詐欺罪が成立し,罰せられることがあります。通常,買い物をした店にはカード会社から代金が振り込まれるでしょうから,詐欺にも何にもならないように思われるかもしれませんが,刑法上,カード名義人になりすまして代金決済を行うこと自体が問題です。
カード会社の規約は,クレジットカードの名義人本人以外の利用を禁止しているはずです。つまり,クレジットカードの貸し借りは禁止されており,このことは,クレジットカードの名義人の同意の有無とは関係がありません。
名義人以外の利用が禁止されているのは,カード会社がカード名義人となろうとする会員の経済的信用を審査してカードを発行するからです。
そして,だからこそ,店は,カード名義人以外の者がカードで買い物をしようとしていると分かれば,カード決済を許さないはずです。
それなのに,カード名義人である友人を装ってそのクレジットカードを利用して買い物をするのですから,たとえカードの名義人である友人から利用の許可を得ていても,買い物をした店に対する詐欺罪が成立することがあるのです。