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少年事件でも裁判員裁判が行われることがあるのでしょうか。どのような場合に,裁判員裁判となるのでしょうか。大人の裁判員裁判との違いは何でしょうか。

刑事事件Q&A

少年事件でも裁判員裁判が行われることがあるのでしょうか。どのような場合に,裁判員裁判となるのでしょうか。大人の裁判員裁判との違いは何でしょうか。

 裁判員裁判とは,刑事裁判に一般市民から選ばれた裁判員が参加する制度のことをいいます。
 裁判員裁判の対象事件は,①死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件,もしくは,②法定合議事件(法律上合議体で裁判することが必要とされている重大事件)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関する事件になります。具体的には,殺人罪,強盗致死傷罪,現住建造物等放火罪,身代金目的誘拐罪,危険運転致死罪等の重大な犯罪があたります。
 裁判員裁判においては,一般的な裁判官の裁判に比べて,公開の法廷において主張や証拠が朗読される機会が多く,口頭主義が前面に押し出されています。

 それでは,このような裁判員裁判は,少年事件であっても行われることがあるのでしょうか。
 結論から言えば,少年事件であっても裁判員裁判が行われることはあります。原則として,少年事件は,まず家庭裁判所に送られることになりますが,一定の要件を満たした上で,家庭裁判所が少年に刑事処分を科すことが相当と考えた場合には,事件が検察庁に再度送られ,成人事件と同様の刑事手続に乗せられることになります。そして,少年が犯した罪が裁判員裁判対象事件であれば,裁判員裁判が開かれることになります。
 しかし,この点については,少年法の理念との関係で問題があることも確かです。すなわち,少年法は,少年の健全な育成ないし成長発達権の保障を理念としていますが,裁判員裁判では,当事者から提出された証拠が公開の法廷で明らかとなっていくことから,裁判員裁判を行うことで,少年の健全な育成ないし成長発達権を阻害してしまうのではないのかという問題があるのです。
 この問題を解消するためには,裁判員裁判における口頭主義の貫徹に例外を設け,裁判員にも書面を読んでもらうことによって,公開の法廷で少年のプライバシーに関することが明らかになることを防ぐという方法が考えられます。また,裁判の公開原則に例外を設け,傍聴人を退廷させ,場合によっては被告人をも退廷させることによって,少年のプライバシーなどを守るという方法も考えられます。
 ただ,現状としては,このような少年への配慮がなされた形で,少年事件の裁判員裁判が行われてはいません。少年法の理念が死文化・空文化しないためにも,少年に対する裁判員裁判では,成人事件の場合とは異なる取り扱いを定めることが急務だと思います。

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