少年鑑別所での生活は、どのようなものでしょうか。
少年鑑別所と聞くと、刑務所や少年院と同じ様な場所だと考える方も多いかもしれません。しかし、少年鑑別所は、一時的に少年を施設に収容して、鑑別(専門的見地から少年の内心の分析を行うこと)するための場所であり、数か月以上の身体拘束による罰を与え収容者の更生を図る刑務所や、生活面を厳しく指導して少年を矯正する少年院とは、全く異なるものです。
すなわち、少年鑑別所は、少年を更生させたり、矯正したりする施設ではなく、心理テストや、技官と呼ばれる職員との面接が繰り返し行われ、その中で少年の個性や考え方の傾向を心理学等の専門的見地から分析する場所なのです。(その分析結果は、最終的に鑑別所内部の会議でまとめられ、裁判官の少年審判の基礎とされたり、保護観察処分や、少年院送致処分となった場合の処遇の資料とされたりします。)
もちろん、家に帰れず、好きなときに友人と会えなくなるという点で、送致された少年にとってはつらい場所ですが、一方で、これまで自分が過ごしていた社会と切り離されたことで、自分と向き合い、自分のしてきたことを落ち着いて見つめなおす機会にもなります。鑑別所での少年の考え・行動の変化・反省の深まりも、少年審判の重要な資料となります。
付添人たる弁護士は、鑑別所に収容された少年と面会し、そこでの心理面での変化の過程を聞き出したり、鑑別所の技官と面会して少年についての情報を聞き出すことを通して、家庭裁判所への報告書、意見書を作成して、少年に有利な審判が行われるよう働きかけることができます。
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