相手が先にサラリーマンである私のことを「この給料泥棒!」などと言って侮辱してきため,その直後に相手の顔面を手拳で複数回殴打しました。これは,正当防衛ではないですか?
刑法第36条は「急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為は,罰しない。」としています。仮に侮辱行為がどれほど峻烈なものであったとしても,殴打行為はその後の行為でしょうから,これが「急迫不正の侵害」と認められることは考えにくいでしょう。
したがって,このようなケースで正当防衛が認められる可能性は低いと言えます。