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危険ドラッグの定義や法定刑を代表弁護士中村が解説

このページでは危険ドラッグの定義と処罰や、近年の取締等の動向、そして刑事事件となってしまったケースにおける弁護士の活動について、代表弁護士・中村勉がご紹介します。

大麻から危険ドラッグへ

警察庁の統計によると、ここ数年、大麻事件で摘発された少年の数は右肩上がりで増え、2021年は過去最多の994人となっているようです。大麻摘発の強化がなされてから、若者は「危険ドラッグ」の使用に対する関心が高まっており、深刻な状況にあります。

危険な違法薬物を指すキーワードは伝統的に「覚せい剤」「麻薬」「向精神薬」といったラインナップでしたが、平成の時代から「危険ドラッグ」がそこに加わりました。
「危険ドラッグ」も従来の規制薬物等と同じ、あるいは似た物質から生成されるものであり、人体に与える作用も同様ですが、その多くはあたかも「違法ではない」ような形態で流通しているのが特徴と言えます。
当然、どんな外見であれ、法律で規制されている物質を含むものであれば違法となり、取締の対象(刑事事件)となります。

HHCに対する新規制

2022年3月7日、厚生労働省から「危険ドラッグの成分6物質を新たに指定薬物に指定」するという省令発表があり、大麻成分の一部を加工した危険ドラッグ「HHC」の販売や所持が、2022年3月17日から医薬品医療機器等法(薬機法)で規制されました。HHCは、若者らの間で「高揚感が得られる」と急速に広がりました。

厚生労働省は、HHCは「人の身体に保健衛生上の危害が生じる恐れがある」として、新たな指定薬物に加えたのです。その所持、使用は、場合によっては懲役刑が科されることもあります。

危険ドラッグとは

危険ドラッグとは、覚せい剤、麻薬、向精神薬、大麻等の規制薬物または指定薬物に化学構造を似せて作られ、これらと同様の薬理作用を有する物質のことをいいます。以前には「脱法ドラッグ」「合法ハーブ」といった、あたかも法に抵触しない印象を与える名称で呼ばれていましたが、実際のところ規制薬物や指定薬物として規制される成分を含有するものが多くあることや、その薬理作用の危険性の高さを理解できるようにするため、「危険ドラッグ」と呼ばれるようになりました。

危険ドラッグには、液体タイプや植物片タイプ、粉末タイプがあり、以下のような製品名で販売される例が見られます。

  • 合法ハーブ
  • 合法アロマ
  • 合法パウダー
  • ラッシュ
  • バスソルト
  • フレグランスパウダー
  • アロマオイル
  • アロマリキッド
  • お香
  • 芳香剤
  • 研究用試薬
  • 肥料
  • 携帯液晶クリーナー
  • 宝石クリーナー

製品によって含まれる物質は異なりますが、危険ドラッグが含有する物質の傾向には以下のものがあります。

  • 合成カンナビノイド(合成大麻、疑似大麻)系
  • カチノン系
  • フェネチルアミン系
  • フェンタニル系
  • トリプタミン系
  • ピペラジン系
  • 参考: 愛知県衛生研究所、覚せい剤・薬物乱用防止センター

危険ドラッグで該当する罪と罰則

危険ドラッグとして発見された物質で、それまで規制されていなかったものについては、新たに指定薬物として頻繁に指定されるようになっています。指定薬物は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」といいます。)により規制されています。

指定薬物は、以前は、その輸入、製造、販売、授与、販売もしくは授与目的での貯蔵又は陳列のみ規制され、その所持、使用等については特段の規制がありませんでした。
しかし、指定薬物を含む危険ドラッグの使用により急性毒性や依存症候群等の精神症状を発言した事例が多く見られるようになった上、使用者の交通事故等による他者への危害事例が頻発するようになりました。

このような状況に対応するため、法改正が行われ、平成26年4月1日より、指定薬物の所持、使用、購入、譲受けについても新たに禁止されるようになりました。したがって、指定薬物に該当する危険ドラッグを所持したり、使用したりした場合には、医療品医薬機器等法違反の罪になります。
いわゆるラッシュも、もともと危険ドラッグとして認識されていましたが、平成19年に指定薬物に指定され、平成26年の上記法改正によりその所持や使用等が医療品医療機器等法違反として厳しく取り締まられるようになりました。

指定薬物に該当する危険ドラッグの製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲受け、使用をした場合(ただし、医療等の用途を除く。)の刑罰は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科です(医療品医療機器等法第84条28号、第76条の4)。また、指定薬物に該当する危険ドラッグを、業として、製造、輸入、販売もしくは授与し、または販売・授与の目的で貯蔵もしくは陳列した場合の刑罰はより重く、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科となっています(医療品医療機器等法第83条の9、第76条の4)。

医療品医療機器等法第84条28号
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
二十八 第七十六条の四の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)
医療品医療機器等法第83条の9
第七十六条の四の規定に違反して、業として、指定薬物を製造し、輸入し、販売し、若しくは授与した者又は指定薬物を所持した者(販売又は授与の目的で貯蔵し、又は陳列した者に限る。)は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
医療品医療機器等法第76条の4(製造等の禁止)
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

なお、指定薬物に該当する危険ドラッグを輸入した場合には、関税法違反にもなります。その場合の刑罰は、10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金、またはこれらの併科です(関税法第109条1項、第69条の11第1項1号の2)。

関税法第109条1項
第六十九条の十一第一項第一号から第六号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
関税法第69条の11第1項1号の2(輸入してはならない貨物)
次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
一の二 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十五項(定義)に規定する指定薬物(同法第七十六条の四(製造等の禁止)に規定する医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)

危険ドラッグ所持等の弁護活動ポイント

多くの薬物事件は逮捕が不可避ではありますが、指定薬物に該当する危険ドラッグの所持等の事件は、弁護士をつけることで逮捕を回避できることがあります。そのためには、例えば、危険ドラッグを所持している時に職務質問を受けて危険ドラッグを任意提出させられ一旦帰されたタイミング等、早い段階で弁護士に相談することが重要になってきます。

当事務所でも、そのタイミングでご相談いただいてご依頼いただいたのちに、逮捕回避のための意見書等を警察に速やかに提出することで、逮捕を回避できた危険ドラッグ所持の事例があります。
多くの薬物事件では、初犯であっても公判請求がされ、軽くても執行猶予付きの懲役刑が科されますが、危険ドラッグの所持等の場合には、公判請求を避け、略式罰金で終結することができる可能性があります。また、難易度は上がりますが、所持等の事実を認めている事案であっても、深い反省の態度や、再犯可能性の低さ等を示すことで、不起訴処分を獲得できたケースもあります。

いずれにしても、取調べにおける対応を誤ってしまうと不利になってしまう可能性がありますので、弁護士のアドバイスは必須です。逮捕回避のため、また、処分をできる限り軽いものにするためにも、お早めに刑事事件の経験が豊富な弁護士にご相談・ご依頼ください。

危険ドラッグで逮捕されたら

危険ドラッグで警察に逮捕されると、逮捕から48時間以内に検察官へ事件と身柄が送致されます。検察官に送致されると、検察官から弁解を録取され、検察官はその弁解や事件記録等をもとに、勾留請求するかどうかを判断し、勾留請求をすることにした場合には、送致を受けてから24時間以内に裁判官に対して勾留請求をします。検察官が勾留請求しないことにした場合にはその日に釈放されることになります。
もっとも、危険ドラッグの所持等で逮捕された場合には、ほとんどのケースで勾留請求されるでしょう。その後、裁判官によって検察官による勾留請求を認めるかが判断されますが、やはり勾留する旨決定されることがほとんどです。

勾留決定がされると、検察官が勾留請求をした日からまず10日間勾留されることになります。また、勾留期間は検察官が延長を請求すると、裁判官の決定により、もう10日間延長することができることとなっており、多くの場合において勾留は10日間延長されます。
したがって、一度逮捕されると、逮捕の日から最大23日間、身柄拘束が続くことになります。そして、この身柄拘束期間の間に警察と検察官は捜査を行い、検察官において起訴するかどうかを決めることになります。検察官から起訴されると、保釈が許可されない限り、判決が言い渡されるまで身柄拘束がさらに続くことになります。

略式罰金となった場合には、勾留満期日かその数日前に釈放されます。当然ですが、身柄が拘束されている間、電話等は使用できませんので、外部との連絡手段が大きく制限されることになります。また、逮捕されて勾留決定されるまでの間は、基本的に家族とも面会できず、弁護士とのみ接見が可能です。

上記のような流れは、一定程度は警察や検察官等から教えてもらえるかもしれませんが、身柄拘束されている側からすれば、そうスムーズに理解できるわけではなく、不安に駆られた状態が続きます。今後の流れを分かりやすく説明してもらうためにも、また、家族等の外部へ必要最低限の連絡をしてもらうためにも、弁護士との接見は有用です。
また、危険ドラッグの単純な所持の事例であれば、熱心な弁護活動により勾留延長を回避できる可能性もありますので、お早めに刑事事件の経験が豊富な弁護士にご相談ください。

危険ドラッグ使用後に車を運転し、人を死傷させる交通事故を起こした場合

危険ドラッグを使用して車を運転し、人を死傷させる交通事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条1号、第3条1項)の容疑で現行犯逮捕される可能性が高く、最大23日間の勾留は不可避です。公判請求もほぼ不可避ですが、量刑との関係で、被害者や被害者遺族との示談が重要になってきます。

このようなケースにおける被害者側の処罰感情は非常に強いものであることは想像に難くありません。示談について保険会社任せにするだけでは、被疑者において被害者側の感情のケアのために努力したものとは言えず、量刑で考慮されにくいため、早めに刑事事件に強い弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

自動車運転処罰法第2条1号
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
自動車運転処罰法第3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。

危険ドラッグのよくあるQ&A

脱法ハーブとはなんですか。

脱法ハーブは、平成23年上半期から濫用され、平成24年5月から6月には一大社会問題として浮上しました(和田清ほか「セミナー脱法ハーブを含む違法ドラッグ乱用の現状」日本薬剤師会雑誌第65巻第1号(2014)15頁)(なお、脱法ドラッグにかかる適用法令別検挙状況については、警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課「平成25年の薬物・銃器情勢確定値」(2014)9頁)。
今日出回っている「脱法ドラッグ」は、その形態上の違いから、ハーブ系、リキッド系、パウダー系と分類され、脱法ハーブはハーブ系の脱法ドラッグといえます(前掲和田ほか15頁)。

脱法ハーブ(脱法ドラッグ)はいつごろ広まったのですか。

1990年代に入り出回り始めたドラッグ製品は、麻薬や覚せい剤などの法律に触れないことから、その製品を扱う業者や使用者が「合法ドラッグ」と呼ぶようになったのです(小島尚ほか「脱法ドラッグから違法ドラッグへ」モダンメディア第52巻4号(2006)99頁)。
しかし、平成12年ごろの当時厚生省医薬局の会議資料を見ると、『「脱法ドラッグ」とは多幸感や快楽感を高めるものとしてインターネット等で「合法ドラッグ」等と称して販売されるものであるが、薬事法上の医薬品に該当するものも多い』とあり、このころから、行政機関では「脱法ドラッグ」と呼ぶようになりました(前掲小島ほか99頁)。

脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の呼び方はどのように変遷したのですか。

厚生労働省は、『従前の「脱法ドラッグ」という呼称は、これらが薬事法違反である疑いが強いにもかかわらず、法の規制が及ばないかのような誤ったメッセージを与えかねないため、……これを『違法ドラッグ』と変更すべき』とし、行政機関では違法ドラッグと呼ぶようになりました(厚生労働省脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会『違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策のあり方について(提言:要旨)』(2005))。

脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の流通経路を教えてください。

脱法ドラッグの成分の大半は、化学合成品であり、中国やインドなど新興国の化学工場で、工業用原料などの名目で製造されたものが使われているといわれています。脱法ドラッグ製造業者は1~2キログラム程度の単位でこれを輸入し、手作業で乾燥植物片に混ぜるなどの加工を行い、製品化しています。
以前は、欧米で製品化されたものが日本に流入していましたが、平成24年頃から国内で製品化されているものと思われます(小森榮「脱法ドラッグと関連事件その1」季刊刑事弁護第75巻(2013)113頁)(MSM産経ニュース記事2012年7月26日)(47NEWS記事2014年6月6日(共同通信))。

脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の過去の規制態様を教えてください。

従来、脱法ハーブを含む違法ドラッグの規制について、麻薬及び向精神薬取締法(以下、「麻向法」といいます。)と薬事法での取締りがなされていました。麻薬と類似の有害性が疑われる化学物質等を、麻薬等に指定することにより対処を行ってきました。また、国では、違法ドラッグが薬事法2条1項3号の医薬品に該当するとして、いわゆる無承認無許可医薬品の疑いがあると判断し、監視指導を行っていました。しかし、麻向法では、規制範囲が対象物質含有製品に限定されること、麻薬等に指定されるまで1~2年の期間がかかるため、迅速かつ広範な規制に欠けていました。

薬事法では、有害性の程度や表向きの標榜等の如何によらず、「人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」を全般に規制対象としていることから、麻向法に比べて格段に迅速かつ広範な規制が可能である一方で、医薬品との立証が難しいほか、個人的に使用するためとして輸入される違法ドラッグへの対処が難しいとされてきました。

脱法ハーブ(脱法ドラッグ)の規制変更の状況を教えてください。

上記の問題点があったことから、平成18年に、幻覚等を有する一定の物質を厚生労働大臣が指定し、これを指定薬物として、輸入、製造、販売、授与等を禁止する等の強化を図りました(例えば、厚生労働省薬事・食品衛生審議会指定薬物部会議事録(平成18年11月9日)資料「違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策」)。さらにその後、化学構造が類似した特定の物質群をまとめて指定薬物とする包括指定が導入されました(厚生労働省「指定薬物を包括指定する省令の公布」)。

平成25年、26年にかけては、麻薬取締官に対し指定薬物に関する取締権限、薬事監視員等に対し指定薬物の疑いがある場所への立入権限を付与したり、指定薬物の所持・使用等の禁止を追加したりと権限の強化が進んでいます(例えば、厚生労働省薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」(啓発資料)「薬物乱用の現状と対策」)。

脱法ハーブの効果・効能を教えてください。

脱法ハーブは元々中枢神経抑制系である合成カンナビノイドが主で主流でした。合成カンナビノイドとは、大麻成分のΔ9-THCが作用するカンナビノイド受容体に作用する薬物の総称です。利用者としては大麻と異なる化学構造式を有する合成カンナビノイドに、大麻類似した薬理作用を期待して使用しますが、合成カンナビノイドであったJWH-018の化学構造式は、Δ9-THCと全く異なっており、同時に、その化学構造式の一部を替えた数多くの薬物が存在します。そのため、大麻と合成カンナビノイドとでは、「似て非なる物」と考えるべきです。

さらに、今日の「脱法ハーブ」には、合成カンナビノイド以外に中枢神経興奮系を主とするリキッド系、パウダー系の成分が混ぜ込まれているものも存在します。代表的な中枢神経興奮系はカノチン誘導体であり、これはMDMAと類似の化学構造を有しており、それと類似の作用を示す可能性があります(なお、平成20年8月3日に麻薬に指定済みです)。これらのことから、脱法ハーブの効果効能は、「わかりません」と答えるしかなくなっています(前掲和田ほか17頁)。

脱法ハーブに関する自動車事故、危険運転での立件について教えてください。

平成25年に脱法ハーブを含む脱法ドラッグが原因でおこった危険運転致傷罪等交通関係法令に関する事故は38件あり、ハーブ吸引によるものでは、道交法違反・危険運転致傷で逮捕されたものがあります(前掲警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課9頁、24頁)。また、脱法ハーブによる運転事故で、危険運転致死傷罪裁判で有罪になった事件も存在します(名古屋地裁平成25年6月10日判決)。

「危険ドラッグ」に名称が変更になった経緯を教えてください。

厚生労働省は、「脱法ドラッグ」という名称では、脱法ドラッグが危険な薬物であるという内容が伝わらないと考えました。そこで、平成26年7月4日、「脱法ドラッグ」に代わる新しい呼称名を募集しました。
そして、平成26年7月22日、電子メールや葉書での意見を参考に、「危険ドラッグ」という新しい呼称名を選定しました。新呼称は、規制の有無を問わず使用することが危ない物質であると明確に示すものです。なお、応募作品の1位は「準麻薬」だったのですが、「麻薬」・「薬物」という単語は、他の法令用語と重なるため使用が控えられました。

脱法ハーブを買って店を出たところ、職務質問を受け尿検査を受けることとなりました。結果は連絡するから待つように言われましたが、連絡が来るまでの間どうしたら良いのでしょうか。

昨今、危険ドラッグに対する取り締まりは厳しく、全件逮捕で対応しているように見受けられます。ですから陽性反応が出た場合には逮捕されると考えてください。この場合、連絡もなくいきなりある朝警察が自宅に来て逮捕という可能性は少なく、警察から電話連絡で出頭要請が来て、警察署で逮捕ということになります。また、その場合、同日若しくは後日自宅の家宅捜索も行われるでしょう。

あなたにできることはそのような逮捕に備えて弁護士を探し依頼しておくことです。弁護士がつくと、逮捕や取調べに際しての注意点、さらに勾留延長を避けるような活動も期待でき、また、起訴された場合には即決裁判制度による早期解決のための活動を期待できます。薬物事件に精通した弁護士を選ぶことをお勧めします。

職務質問時にラッシュを押収され、後日連絡すると言われて帰されました。いつ連絡が来ますか。

その場合、大抵警察は、科学捜査研究所で成分の分析を行い、その結果違法な成分が含まれていることが判明すると、違法薬物の所持として、被疑者の取り調べなどの刑事手続が進んでいくことになります。いつ連絡が来るかは、「状況による」というのが正直なところです。ラッシュ等、ドラッグの鑑定自体は1週間程度で行うことが可能です。

しかし、科学捜査研究所には、たくさんの薬物が持ち込まれるので容疑者が逮捕されている事件の鑑定が割り込みで優先されるため、そのような事件が多数発生すると、それ以外の事件はどんどん後回しになることがあるようです。そのため、数ヶ月で結果が出るケースから1年以上かかるケースまで様々です。
ただ、どのようなケースであっても、押収後速やかに弁護士をつけることで、進捗状況を確認したり、鑑定結果が出たりした場合に備え、準備しておくことが可能です。

危険ドラッグを持っていました。使用はしていません。警察に呼ばれて検査をしましたが、この後どうすればいいのでしょうか。

使用していなくても所持をしていれば犯罪となります。
所持にかかる危険ドラッグが法で禁止されたものかどうかの鑑定にかけられていると思われますが、早くて1週間から10日間、遅い時には数か月かかる場合もあり、その結果を待つ以外ありません。ここで逃亡等をすると、逮捕され、起訴された後などに保釈が認められなかったり不利益が大きいので逃亡はすべきではありません。

弁護士をつけると、鑑定経過の問い合わせや今後の手続等のアドバイスなどを受けられ、逮捕された後も弁護を受けられるので、早めに弁護士に依頼することをお勧めします。

まとめ

危険ドラッグとは無縁であるに越したことはありませんが、違法であるにもかかわらず流通してしまっているのが現状であり、知らぬ間に所持してしまっていた、というリスクは誰にでも生じ得ると言えるでしょう。
このページの情報を参考にしていただき、まずは危険ドラッグと距離を置くことを心掛け、そして万が一の場合には弁護士に相談することをご検討ください。

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刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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