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サマーアソシエイト参加者感想文N.Kさん(2015年)(東大ロー在学)

サマーアソシエイト 参加者感想文 N.Kさん(2015年)(東大ロー在学)

本年度からNICDではじめて大学院生のサマーアソシエイトも募集しているのを知って、刑事事件に興味をもっていたので応募しました。自分は検察官が第一志望であったのですが、それを正直に話したところ、NICDは検察官を志望していても問題なく採用してくださりました。いまだ司法試験も受けていない身分であるので、サマーアソシエイトのプログラムに全くついていけないのではないかと不安な気持ちがありました。そして、迎えた一日目、中村先生からいただいたアサインは、反対尋問事項の作成補助でした。法科大学院では、尋問で聞いてはいけないことなどは勉強していましたが、尋問技術については詳しいことは全く勉強しておらず、右も左もわからないという状態であったので、1人で検討していても作業は全くと言っていいほど進みませんでした。また、いただいた資料も実際の事件のものですから、その量は膨大であり、法科大学院で検討した薄い記録とはかけはなれたものでした。その膨大な記録の中から重要な事実を探すことがまた難しく、後から振り返ると関係ない小さい違いなどに着目して、大きな幹を見失ってしまっていました。
これではいけないと思い、先生にアドバイスをいただいて、参考になる本なども貸していただき、反対尋問はいかにあるべきかを初歩から学びました。その後、なんとか反対尋問として一応の形になり提出することができました。しかし、あとから中村先生の添削をうけた後には真っ赤になって返ってきたので、まだまだなんだと自覚しました。このはじめてのアサインは、実務と授業との違いを体感でき、とても刺激的なものでした。
一方、別のアサインをいただき、司法試験の選択科目としてではなく、ただ興味があるからと思って受講していた知的財産法の授業が思いもよらずに役にたつことになりました。授業で学んでいるだけだと抽象的でわかりにくい要件なども、意見書や準備書面の形で読み書きをすることで、より具体的に頭のなかでイメージできるようになり、またちゃんと勉強したいという気持ちになりました。また、このアサインは不起訴を求める意見書に関するものであり、検察官を志す自分としては複雑な気持ちになるところもありましたが、詳細に記録を読み、おかしいと思うことはおかしいと指摘しました。結論として、この事件は終了してしまい提出することはありませんでしたが、このセッション中で一番面白く夢中で記録を読み込みました。
アサインメント以外についても様々な点で勉強することが出来ました。相談電話の取り方や用具の扱い方などについて、スタッフの方に丁寧に教えていただき、とても助かりました。また、刑事手続の流れについて、さらに情状についての講義があり、和やかな雰囲気の中で、実務のイメージを勉強することができました。先生方から学んだことは、のちの司法修習や2回試験の起案でも使える知識とのことなので、しっかり吸収して自分の物にしたいと思います。
また、模擬接見も体験させていただきました。先生扮する被疑者はよく話すのですが、話をあちらこちらに飛ばしてしまい、筋道だてて話を聞くことが大変でした。また、接見では勾留についての意見書を作成するために、そのことに関して話を聞かないといけないのですが、これを聞き落としてしまい失敗しました。やはり目的意識をもって接見を行うことの重要なのだと身をもって感じました。
二週目には、英語接見も体験させていただきました。日本語でやってもうまく行かなかったので英語ではどうなるかと不安でしたが、予想以上に全然できませんでした。まず英語をしゃべることに慣れていなくて言葉が出てこないことが問題でした。残りの夏休みには英語もしっかり勉強しようと心に誓いました。
二週目に特に印象に残ったのは、自分が反対尋問事項の起案補助に携わった公判の傍聴でした。中村先生はまず誘導尋問をして証人の心をつかみ、自分の手のうちに引き入れたうえで被告人に有利な話をさせていました。共同被告事件でしたので他の被告人の弁護人も同じ法廷で反対尋問をしていたのですが、中村先生のときの証人の雰囲気は明らかに他の弁護士の尋問の時とは異なり、証人が話しやすそうにしていたのが印象的でした。中村先生が、取調べとは違い証人尋問は法廷で証人が言った言葉の一つ一つが証拠となり、すべてが一発勝負とおっしゃっていた意味がようやくわかりました。私たちも尋問事項を起案するときは、その意味をよく理解して答えがわかる尋問をつくりあげることが重要なのだと思いました。
他にもここに書ききれないくらいのたくさんの経験をさせていただきました。私は、このサマーアソシエイトの期間で、やはり刑事法は弁護人としてとてもやりがいがある仕事であり、法曹のどの立場になろうとも刑事法には一生携わっていたいと感じました。
私が好きな映画の「それでもボクはやっていない」には、「弁護士になるのであれば刑事法をやりなさい。民事の弁護士は弁護士ではない、代理人だ。」という言葉がでてきます。この言葉にもあるように、弁護士としてやりがいがあるのは刑事で、刑事こそ醍醐味があるのだと感じました。
かけがえのない経験をさせていただき、大変感謝しております。これからもNICDといろいろな形でかかわっていきたいと思います。
ありがとうございました。

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