少年事件において,学校側に事件が知られた場合,学校に通えなくなるのでしょうか。
学校に事件のことが知られていなくても,後に事件が学校に発覚してしまい,退学等の処分が予測される場合には,早急に対応することが必要になります。具体的には,弁護人・付添人において勾留や観護措置を争って早期に身柄解放を実現し,在宅事件とすることで学校に通うことができるようにすることが考えられます。
学校に事件が発覚してしまうパターンとしては,学校・警察相互連絡制度による警察からの連絡と,調査官から学校に送付される「学校照会書」が考えられます。後者の場合には,調査官が自ら一定の配慮をすることがありますが,付添人から裁判所に対し,調査官の照会をしないでほしいという明確な申し入れを行うべきです。
すでに学校に事件のことが知られている場合,付添人が校長や担任と面談し,少年を学校で引き続き受け入れてくれるよう要請をすることが考えられます。特に,学校内の事件で,被害者も同じ学校の生徒であるような場合,少年が学校に戻れるようにするためには,学校の協力が必要不可欠です。
このことは,少年が仕事に就いている場合にも基本的には同じです。早期に身柄解放を実現して仕事に戻れるようにすること,職場との面談を行い,復職を受け入れてもらうことが必要になります。
いずれにしても,フットワークを軽くして,少年の環境に飛び込み,周囲の理解を得ていくことが重要となるのです。