
児童買春行為は、青少年健全育成条例違反に加えて、より罰則の重い児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法に違反する可能性が高い犯罪です。「児童」とは、18歳に満たない者(17歳までの者)を指します。
適用される主要な法律と罰則
児童買春行為は、金銭などの対償を媒介とする性的な行為であり、主に「児童買春・児童ポルノ禁止法」によって処罰されます。
| 罪名 | 概要 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 児童買春 | 18歳に満たない者に対し、対償を供与し、またはその供与の約束をして「性交等」(性交、性交類似行為、性的好奇心を満たす目的での性器等の接触を含む)をすること。 | 5年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金。 |
| 青少年保護育成条例違反(淫行) | 18歳未満の者とみだらな性交または性交類似行為をすること。対償(金銭など)を供与しなくても成立する可能性がある。 | 2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(東京都の例)。 |
| 児童福祉法違反 | 児童に淫行をさせる行為を行った場合。教師や親など、児童に対して事実上の影響力を及ぼす者が、その影響力を行使して性交等を行った場合に成立しやすい。 | 10年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれらを併科。 |
児童買春事件における捜査の実態と逮捕リスク
児童買春は、児童を守るという社会的法益に対する侵害という面も大きく、警察や検察庁は厳しく対応します。
- 芋づる式での摘発: 買春行為は、買春対象である未成年の子どもが補導されることを端緒に発覚することが多いです。補導された児童のSNSアカウントが解析され、次々と容疑者が逮捕され、摘発される「芋づる式」のパターンが多いです。
- 後日逮捕の可能性: 警察が端緒を掴むと、捜査は極秘裏に進められ、忘れた頃に警察が突然家に来て逮捕されることがあり得ます。児童買春を行った後、当日でなくとも数日後や数年後でも逮捕に至るケースがあり得ます。
- 逮捕の可能性が高いケース: 複数の児童を相手に買春行為を繰り返したような事案は、逮捕される可能性が高いです。また、複数の被害児童がいる場合や同一児童に対する複数回の犯行に関しても逮捕の可能性が高いです。
- 逮捕・勾留: 児童買春は、成人に対する痴漢や盗撮よりも逮捕率が高いとされており、ひとたび逮捕されると、最大で原則23日間の身柄拘束がなされ、会社を解雇される可能性も高くなります。
年齢認識に関する注意点
児童買春罪は故意犯であるため、相手が18歳未満であることを知らなければ成立しません。しかし、未必の故意でも成立し得ます。
- 「もしかしたら18歳未満かもしれない、18歳未満でもまあいいや」という場合でも故意があったと認識されることがあります。
- 相手が「18歳だと聞いていた」、「18歳未満は使えないアプリで知り合った」といった弁解だけで通用しないことも少なくありません。
- 見た目や言動などから客観的に故意が認定され、処罰されることもあり得ます。
一方、青少年健全育成条例は、児童福祉法や児童買春・児童ポルノ禁止法とは異なり、児童の年齢を知らなくても処罰を免れないと規定されていることがあるため、特に注意が必要です。
逮捕回避と不起訴獲得のための対応
児童買春は重罪であり、起訴される前の弁護活動が極めて重要です。
早期の弁護士相談
児童買春事件に身に覚えがある場合、この種の事案に精通した弁護士にいち早く相談すべきです。逮捕される前でも、できる限り早く弁護士に相談し対策を練ることが、社会生活への悪影響を最小限にする重要なポイントです。逮捕や実名報道、前科がつくことなどの悩みをお持ちの方は、ぜひ弁護士に相談すべきです。
自首の検討
警察に事件が発覚していない場合、自首も考慮に入れるべきです。自首すれば、逮捕される可能性が低くなり、仮に逮捕されたとしても勾留は回避できる可能性が高まります。
示談交渉の実施
- 不起訴処分を獲得するために最も重要なのは、相手方(被害者)と示談をすることです。
- ただし、児童買春の場合、被害者は未成年者であるため、示談交渉の相手は被害児童の保護者(親権者)となります。
- 児童買春は児童の権利と社会的法益を保護対象としているため、示談が成立したからといって不起訴が確実というわけではありません。しかし、示談が成立していない状態では、不起訴になる可能性はゼロに近いです。
- 被害者の連絡先は警察や検察から被疑者やその家族に教えられることはほとんどなく、被害者も直接の接触を拒否することが多いため、示談交渉を進めるためには弁護士の存在が必要不可欠です。
再犯防止策の構築
児童買春は社会法益に対する罪でもあるため、示談をするだけでは不起訴にならないこともあり、積極的な更生の可能性を示していく必要があります。児童に対する性的嗜好が窺われる場合には、専門クリニックに通院し治療を行うなど、具体的な再犯防止対策を講じるべきです。弁護士は、専門的な対応への橋渡しや、治療状況を法的側面で評価、サポートします。